曲げ加工ベンダーとは
曲げ加工ベンダーとは、板やパイプを曲げるために使う工具、もしくは機械を指します。
曲げ加工では、どうしても戻ろうとする力が働き、スプリングバックと呼ばれる戻りを常に念頭において加工を考えなくてはいけません。
自動機であれば制御でカバーすることも可能ですが、加工精度が要求されるときは部材の見直しも必要です。
工具を使った手動での曲げ加工では、戻りも考慮して少し大きめに曲げたり、段階的に曲げていくといった対策が行われています。
曲げ加工ベンダーの使用用途
曲げ加工ベンダーは、加工部材が板ものであれば大きな力を必要とするため、金型に押し当てて曲げていけるプレスブレーキのような曲げ加工機を使用し、所要の曲げ加工を行っています。
パイプ状の部材であれば、手動で曲げ加工できる専用工具も各種つくられており、目的に合わせ使い分けることもできる一方で、複雑な曲げ加工が可能な3D加工機で対応することも可能です。
曲げ加工精度が厳しくなるほどスプリングバックの影響を考慮する必要が増し、場合によっては戻りの少ない部材の検討も必要になってきます。
曲げ加工ベンダーの種類
曲げ加工ベンダーの種類は、曲げる部材や曲げ方、曲げ底の形状で変わってきます。
板状の部材では、力が必要となるため専用曲げ加工機(プレスブレーキ等)やプレス機で加工するのが一般的です。
パイプの曲げ加工は、径の細いパイプであれば、手動の各種ベンダーが製作されていますが、パイプが太くなると加工機の使用がメインとなってきます。
また、曲げ加工数が多い場合や複雑な曲げが要求される場合は、使う機械も選ぶ必要がでてきます。
よく使用される加工機械としては、必要に応じ、曲げ方を制御可能なものや高度な3D曲げまで自動で行えるCNCベンダーといったものも使われています。
曲げ方による分類では「V曲げ」と呼ばれるV字形の比較的角度の浅い曲げや「パーシャルベンディング」という「自由曲げ(エアーベンディング)」の一種で曲げ角度を調整できるもの「矯正曲げ(コイニング))という加工精度が上げられる曲げ方があります。
曲げ底の形状による分類では、V曲げのほか「R曲げ」や「ロール曲げ」、段違いに曲げる「Z曲げ」、U字形に折り曲げる「ヘミング曲げ」といった曲げが使い分けられています。