焼付塗装とは
焼付塗装とは、塗装被膜を加熱して焼き付けることで、被膜を硬化させる塗装方法のことです。焼き付ける温度は塗装の種類によって異なりますが、通常100~200℃で20分以上加熱して行います。
単に加熱をすれば良いわけではなく、焼付塗装には、加熱すると硬化する、専用の塗料を用います。焼付塗装は、金属の強度を高めたり、耐久性や耐候性を高めたりすることを目的に行います。また、焼付塗装によってツヤを出すことができ、程よくツヤを出すことで高級感を演出することができます。
焼付塗装の使用用途
焼付塗装は、シャッター、自動車、外壁などに用いられます。塗装する対象にもさまざまなものがありますが、素材によって焼付塗装が可能なものとそうでないものがあります。
焼付塗装が可能なものとしては、鉄、ステンレス、アルミ、真鍮などがあります。焼付塗装は高温で行うため、塗装する対象も高い温度に耐えられるものである必要があります。そのため、ABS樹脂、ナイロン、カーボン、塩化ビニルなどは、焼付塗装を行うことができません。これらの塗装には、ウレタン塗装など、違う塗装方法が用いられます。
焼付塗装の種類
焼付塗装には、メラミン焼付塗装、フッ素焼付塗装、アクリル焼付塗装の3種類があります。
1. メラミン焼付塗装
メラミン焼付塗装は、もっとも一般的な焼付塗装です。耐候性・耐薬品性・耐摩耗性がどれも平均的なレベルで、価格も比較的安価なため、多くの加工会社が利用しています。紫外線に弱いという欠点があり、長時間紫外線にさらされると、色があせやすいです。
2. フッ素焼付塗装
フッ素焼付塗装は、耐候性が非常に高いです。さらに、汚れを弾きやすい性質も持っているため、外壁などの長期間天候の変化の影響を受けるような場所で使われることが多いです。性能が非常に優れている代わりに、価格も非常に高価になっています。
3. アクリル焼付塗装
アクリル焼付塗装は、耐候性があり、硬度も高くなるため、メラミン焼付塗装のワンランク上の仕上がりを期待できます。電化製品や自動車など、耐久性が必要とされるものによく使用されます。メラミン焼付塗装と比べて塗料がくっつきにくいため、硬度をより高めるために膜を厚くすることが難しいです。