金属塗装とは
金属塗装とは、金属の表面に塗料を塗る加工処理のことです。メッキ加工と並ぶ、代表的な金属表面の加工処理方法です。
塗装の工程は、前処理、調合、塗布、乾燥の4段階に分かれています。前処理では、金属表面の遺物などを取り除くことで、塗料が密着しやすいようにします。調合では、必要な機能や色に合わせて、塗料やシンナーなどの溶剤を混合させます。塗布では、塗料を塗りつけたり吹き付けたりして、対象の金属の表面に塗膜を形成させます。最後に乾燥では、常温あるいは加熱下で、塗膜を乾燥させます。
金属塗装の使用用途
塗装は主に、装飾、材料の保護、機能の付与、といった目的で行われます。例えば、自動車の外装には塗装が施されています。
塗装によって、色や模様、光沢を与えることができるので、同じ車種でもさまざまな色の車を製造することができます。また、金属表面が露出していると、雨風にさらされて錆が発生してしまいます。
塗装によって塗膜で覆うことで、表面を保護し耐久性を高めることができます。さらに、導電性、耐熱性、放熱性、潤滑性など、塗装によってさまざまな機能を付与することが可能です。
金属塗装の種類
塗装には、ハケで塗る以外にも以下のようにさまざまな種類があります。
1. 溶剤塗装
溶剤塗装は、シンナーなどの溶剤に溶かした塗料を、スプレーやローラーなどを用いて塗布する塗装方法です。汎用性が高く比較的安価なため、幅広く用いられています。
2. 焼付塗装
焼付塗装は、塗料を吹き付けた後に、加熱して塗料を硬化させる方法です。塗膜の密着性が上がり、耐候性に優れた塗膜を形成できます。
3. 粉体塗装
粉体塗装は、粉末状の塗料を静電気によって被塗物に付着させ、加熱して溶かすことで塗膜を形成させる方法です。液状の塗料を使う場合と比べて、一度の塗装で厚い塗膜を形成することができます。
4. 静電塗装
静電塗装は、帯電した塗料を用いる塗装方法です。静電気によって塗料を付着させるため、無駄が少なく均一な仕上がりになります。高電圧を利用するため、感電や火災に注意が必要です。
5. 電着塗装
電着塗装は、塗料の入った容器に被塗物を入れ、電気を流すことで塗膜を形成させる方法です。複雑な形状のものであっても均一に塗装を行うことができます。