ターポリン

ターポリンとは

ターポリン

ターポリン (英: Tarpaulin) とは、ポリエステル (PEs:polyester) の布の両面に合成樹脂のシートを配置して、ラミネート加工して作った生地の総称です。

建築工事用のシートに関する規格であるJIS A 8952において、防炎性、耐貫通性、引っ張り強さ等が規格化されており、ターポリンにも1類や2類があります。落下物による危険を防止するために用いられるのは同じですが、1類はシート単体、2類はシートと金網を使用します。

ターポリンの使用用途

ターポリンは、テントの生地や横断幕として用いられ、工事現場ではシートとしてよく見かけ、その他にバッグやリュック等に加工されています。また、高さ31m以上の高層建築物や、病院、旅館、飲食店、ガソリンスタンド、地下街、劇場、商業施設、イベント会場等では、防災機能が重要ですが、消防法第8条の3において不特定多数の人が出入りする施設や建築物では、防炎加工のあるものを使用することになっています。

上記のような場所においても、防炎表示が付いているターポリンを利用可能です。

ターポリンの原理

ターポリンは3層構造ですが、製造の際は長繊維としてポリエステル等を編み込んだ布を真ん中の芯繊維とし、ポリ塩化ビニル (PVC: polyvinyl chloride) で挟み込んで、ラミネート加工します。芯繊維としてポリエステルを利用すると、折り曲げに強い特徴を付加することが可能です。さらに、表と裏にポリ塩化ビニルを用いることで、耐候性の高い特徴が付加されます。

このように、3層の特徴を生かすことによって、屋外で利用しやすい耐候性、耐久性、引張り強度、防炎性などの機能が付加された生地になります。ターポリンは、両面の合成樹脂の機能と真ん中の芯繊維の機能を組み合わせることによって、各種機能の付加が可能です。

そのため、防炎ターポリンを作る場合は、芯繊維にガラスを加工した長繊維を用いて防炎性を高めます。高強度ターポリンを作る場合は、高強力高弾性繊維として知られるカーボンやアラミドを編み込むことで引張り強度を付加します。

ターポリンの種類

1. 防水ターポリン

防水ターポリンは、主に屋外で使用される防水性の高いシートです。水や湿気を通さない特性があり、屋外の荷物や装置、建設現場の保護カバー、キャンプ用シェルターなどで幅広く使用されます。耐久性があり、風雨や紫外線から物を守る役割を果たします。

2. 透明ターポリン

透明ターポリンは、透明性の高いシートで、内部の内容物を視覚的に確認できるため、特にショーケース、展示用のカバー、イベントテントなどに利用されます。防水性と透明性を併せ持ち、商品や展示物を保護しながら見栄え良く展示するための用途に適しています。

3. 耐寒性ターポリン

耐寒性ターポリンは、寒冷地での使用に適したタイプのシートです。低温による硬化や破損を防ぐために、特殊な添加剤や製造技術を用いて耐寒性を高めています。寒冷地での運搬、保管、屋外作業において、耐久性を確保するために利用されます。

4. 耐紫外線ターポリン

耐紫外線ターポリンは、長時間の屋外使用に適したタイプのシートです。紫外線による劣化や変色を防ぐために、特殊な紫外線吸収剤や抗酸化剤を添加しています。長期間の屋外保管や日射にさらされる場所での使用において、色や品質を保持するために利用されます。

5. 防炎ターポリン

防炎ターポリンは、火災のリスクを減らすために難燃性を持たせたシートです。特殊な防炎添加剤を含んでおり、火花や高温の環境にも安全に使用できます。屋外での火気の使用が多い建築現場やイベント会場、野外キッチンなどで使用され、火災の安全性を確保するための用途に適しています。

参考文献
https://www.tarpo-hiraoka.com/pdf/kasetukubunn.pdf
https://www.sunkou.co.jp/oudanmaku/material.html
https://kayo-corp.co.jp/common/pdf/pla_propertylist01.pdf

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