接触式変位センサー

接触式変位センサーとは接触式変位センサー

接触式変位センサーとは、センサー先端に何かしらの物が当たった状態で、その辺り具合を距離などの情報として知ることができるセンサーです。

物理的に摺動する範囲の距離を測定することができます。類似のものとして、旋盤加工工場などでよく見かけるダイヤルゲージが挙げられます。これは回転式のメーターに指針が付いたような形状をした測定器具で、ダイヤルゲージがメーターの針を目視で読み取ります。

それに対して、接触式変位センサーは電気的な情報として取り込むことが可能で、測定器やFA制御のセンサーなどに使用できる部品です。また、似たような性質を持つセンサーにレーザーや超音波を使って測長ができる測定素子などがあります。測長センサーは得られる値が絶対値であるのに対して、接触式変位センサーは得られる結果が相対的な距離である点に大きな違いがあります。

接触式変位センサーの使用用途

接触式変位センサーは、表面の歪みや祖度や加工の良否などの判定要素として、情報を取り入れる目的で使用されます。非測定体の有無や形状をμm単位の高い精度で測定する用途に適している部品です。

1. 有無を検知する用途

測定対象が接触式変位センサーに接触すると、接触部の距離が解放状態の距離から変化します。そのため、この変化を捉えることで測定対象が既定の位置にあるか、ないかの判定材料を知ることができます。

2. 変化量を検知する用途

例えば、切削で平らに加工した表面の面粗度を測定する場合などは、測定対象が接触式変位センサーに接触すると、接触部の距離が解放状態の距離から変化して一定の値を示しますが、この値を0点として置き替えます。その状態から測定対象を水平にスライドさせることで、加工面に凹凸があったり歪があったりすると、接触式変位センサーの接触部分が振れて、その振れ分の値が変化量として取り込み、面粗度として計測できるようになります。

上記のように、ある任意の基準点から「どれだけ変化したのか?」をμm単位の高い精度で測定することが可能です。

3. 微分検知としての用途

例えば、対象物が比較的厚みが不均一で長い形状で、傷や段差などを検出したいような場合があります。そのとき、対象物を長手方向に移動させながら対象物の厚みなどを測定しますが、対象物の厚みが不均一であれば測長で閾値を持たせて判別するような方法は使えません。

そこで、微分検出することで段差を測定する手法が採用されます。接触式変位センサーは、相対値として値を得られるため、このような処理に向いています。

接触式変位センサーの原理

1. LVDT方式

LVDT方式は、センサー内部に作動トランスが内蔵されていて、接触式変位センサーの接触部の物理的な変化を作動トランスのコアに連動することで、トランスのインダクタンスを変動させます。電気信号として、接触部の変化を取り出すものです。

接触式変位センサーの接触部は作動トランスのコアに連結されていて、コアが動くことでその周囲に配置されたコイルのインダクタンスが変化する仕組みになっています。

2. スケール方式

スケール方式は別名、パルスカウント方式とも呼ばれます。スケール方式はさらに、磁気を利用した磁気型パルスカウント方式、光を利用した光パルスカウント方式の2種類に分類できます。

磁気型パルスカウント方式では、作業現場の塵や、埃などの環境に左右されず計測を行える点がメリットです。また、現場の温度等も気にせず作業を行えます。

接触式変位センサーのその他情報

接触式変位センサーの長所・短所

1. LVDT方式

  • 長所:測定値が飛ばない。
  • 短所:コイル内の鉄心の位置によって磁界が安定しないことがある。

2. スケール方式

  • 長所:作業現場や環境に左右されづらい。
  • 短所:接触子が急に移動した場合、正しく反応できない場合がある。 (測定値が飛ぶ可能性がある)

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