ジスチグミンとは
ジスチグミン(臭化ジスチグミン)は、C22H32Br2N4O4で表せられる化学物質です。ジスチグミンの分子量は、576.32です。
ジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害する働きを持ちます。コリンエステラーゼは、アセチルコリンなどのコリンエステルを加水分解により分解します。アセチルコリンは、神経伝達物質で、副交感神経や運動神経で刺激を伝達する役割を担います。しかし、上記したように、コリンエステラーゼの働きで、アセチルコリンは分解されてしまいます。ジスチグミンは、このコリンエステラーゼの働きを阻害し、アセチルコリンの分解を抑制します。
ジスチグミンの使用用途
ジスチグミンは、治療薬として使用されます。
上記したようにジスチグミンは、コリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンの分解を抑制します。アセチルコリンは、筋収縮に重要な役割を果たします。そのため、ジスチグミンを用いて、コリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン濃度を上昇させることで、排尿筋の緊張を高めることが出来ます。そのため、低緊張性膀胱による排尿困難を改善出来ます。
また、ジスチグミンは、重症筋無力症の薬としても用いられます。重症筋無力症は、骨格筋中のアセチルコリン受容体に対する抗体が出来て、神経から筋肉への指令が伝わりにくくなり、筋力が弱くなる自己免疫疾患です。ジスチグミンは、そのコリンエステラーゼ阻害作用を利用して、アセチルコリン濃度を上昇させ、神経から筋肉への指令伝達を改善します。