環境試験機とは
環境試験機は湿度や温度などの気象環境条件や装置使用環境条件(振動や電波)を人工的に制御した環境を作り出し、その中で材料や装置の性能を評価するための試験機です。
具体的には温度や湿度だけでなく、塩水による耐食性を調べたり、実際の圧力容器内部と同じように高温高圧水を再現することも可能で、一般的なものから特殊な条件まで幅広い試験機があります。環境試験の条件はそれぞれの分野、製品によって定められています。
環境試験機の使用用途
環境試験機は対象とする商品が実際に使われる環境、もしくは想定環境を上回る厳しい環境で性能を確認するために使用されます。
最も一般的に利用されているのは恒温恒湿試験機です。装置内、もしくは部屋の温度や湿度をコントロールすることが可能で、恒温槽とも呼ばれています。装置の使用環境条件の上下限だけでなく、空輸などを想定して0℃以下の低温や50℃以上の高温下などの環境で試験を行うことがあります。
環境試験機の原理
恒温恒湿試験機以外の環境試験機としては振動試験機や耐候性試験機、腐食試験機や耐薬品性試験機などがあります。
製品を輸送するときに車などを使うと振動が発生します。そのため顧客に製品が到着したときには振動で装置が破損していた、というリスクもあります。そこで梱包した装置に振動を加えて問題がないことを確認するために振動試験機を用いることがあります。
また、ある装置寿命の保証期間が10年である場合、実際の環境で安定性試験を行うと結果が出るまで10年かかってしまいます。このときに用いるものが耐候性試験機で、人工的な光源や環境温度を変えることで短期間で安定性試験の結果を得ることができます。また、このような試験を加速試験と呼びます。ISOやJISなどが規定した光源を使うことで加速する試験を行う試験機を「促進耐候性試験機」と呼び、さらに短時間で劣化を確認することができる「超促進耐候性試験機」もあります。