プロテクターツールケースとは
プロテクターツールケース(英語:Protector Tool Case)は、プロテクターケースの一種で、特に持ち運び中や輸送中の外的衝撃や外力、水と油と薬品などから収納物を保護し、損傷させず安全で確実に運搬し保管するためのケース(収納箱)です。
耐衝撃性と耐久性に優れた箱体材質と、密閉性に優れたフタと本体、また衝撃を吸収するためのクッション材が張り付けられた内装が特徴です。
小さい工具用の小型軽量のものから大型の電動工具や多数の工具を収納できる大型で伸縮性ハンドルやキャスター付きのもの、また、自動気圧調整バルブ付きのものまで、さまざまな種類があります。
プロテクターツールケースの使用用途
プロテクターツールケースは、現場作業に必要な電動工具や、カメラなどの精密機器や各種計測機器など、輸送中や保管中に発生する衝撃や極端な温度変化から、収納物を確実に保護するために使用されます。
したがって、一般の家庭などではなく業務用やプロユースの用途が多く、産業界、スポーツ界、官公庁、警察、自衛隊(軍隊)など、環境が厳しく運搬回数が多い場面で使用されることが多いケースです。
パソコンに特化したケースもあり、アタッシュケース型でフタを開けた状態で操作でき、現場での制御機器の調整やプログラミングなどに使用されています。
プロテクターツールケースの選び方
プロテクターツールケースの選定は、下記のようなポイントがあり、用途や使用環境などに合わせて選定します。
耐衝撃性
プロテクターツールケースにおいて最も重要なポイントで、外装の箱体とフタの材質には耐衝撃に優れたコポリマーポリプロピレン(PP)やアルミニウムなど材質が使用され、内装にはウレタンフォームなどのクッション材が使用されています。収納物の形状に合わせて成型し隙間を極力少なくして、収納物を確実に固定できるものもあります。
また、航空機で輸送する場合用に、航空輸送協会規格 ATA300 カテゴリー1(コンテナが少なくとも100回の往復航空輸送に耐える基準)に準拠しているものもあります。
その他には、MIL-SPEC 4150J 輸送と保管等における米軍標準規格や、STANAG 4280/DEFSTAN 81-41 NATO規格 などの軍事規格に準拠した特別なケースもあります。
防水性と防塵性
次に、重要なポイントとして、防水性や防塵性があります。フタ溝部分に埋め込まれたにOリングが、本体の突起部と密着し、気密性を保ち水分や粉塵がケース内に侵入することを防止します。
IEC144、IEC529 および DIN40 050 (IECは国際電気標準会議規格)に基づく保護等級の、IP67等級は、防塵性能6等級(完全な防塵構造で粉塵の侵入が完全に防護されている)と、防水性能7等級(規程の圧力と時間で、15cm〜1mの水面下に水沒しても30分間水が浸入しない)などに適合したケースもあります。
使用温度
耐熱性が優れたコポリマーポリプロピレンなどを使用して、氷点下から高温まで(例は、-40~99℃)まで耐えることができるものもあります。砂漠や極寒地や灼熱地など過酷な環境においても使用できます。
サイズ
収納する工具の大きさや工具の数量に応じて、最適な余裕のある大きさを選定してください。工具箱の長さ寸法はもちろんですが、電動工具などを収納する場合は、深さ寸法も重要になります。なお、内装のクッション材の厚み分を考慮して、収納物より十分に大きい寸法のものを選定する必要があります。
その他
錠付きでロックできるものや、自動気圧調整バルブが付いていて外気圧力に合わせて内部圧力を調整し、温度や気圧の変化で内部圧力が低くなり開けにくくならずに開閉できるものなどがあります。