ナッターとは
ナッターとは、タップでネジ穴を加工することができないような薄い金属板などにナットを取り付けるための工具です。
ナッターを使うことで、ネジ穴のない金属板同士を歪ませることなくボルトやネジで固定することができます。また、ネジを緩めれば金属板同士を離すことができるため、後日外す予定のあるものや、定期的に外すものの場合はナッターを使って固定します。
ナットを取り付けたい方向からのみ作業できるため、裏側に手を回す必要がなく、袋状や筒状のような形状のものでもナットを取り付けることができます。
ナッターの使い方
ハンドナッターを使って加工対象物にナットを取り付ける方法を説明します。
まず、加工対象物にドリルで下穴を開けておきます。開けた下穴に合うマンドレルをナッターに装着したあと、ハンドルを開いてナットをマンドレルに回し入れながら差し込みます。このとき、ナットは奥側までしっかりねじ込みます。ナッターに取り付けたナットを下穴に入れたあと、ゆっくりとハンドルを閉じることで、ナットをかしめる(固く密着させる)ことができます。固定できたことを確認したら、ナッターのツマミ部分を回すことでマンドレルが回転し、かしめたナットからナッターを引き抜くことができます。
ナッターの選び方
ナッターを選ぶときは、使うことのできるナットのサイズ(ナット径)と材質を必ず確認します。
主にナッターには、手動式と電動式の2種類があり、作業する環境や目的に適しているものを選びます。以下にそれぞれの特徴をまとめます。
手動式ナッターの場合は、片手でナットをかしめる、「片手ハンドナッター」と、両手でかしめる、「両手ハンドナッター」があります。
片手ハンドナッターは、M3からM6程度の大きさのナットをかしめる場合に適しています。コンパクトで持ち運びしやすいものが多く、値段も手ごろです。
両手ハンドナッターは、片手ハンドナッターよりも大きな力をかけることができるため、M6以上のナットでもかしめられます。また、ナットをかしめるときに手が滑りにくく、ナットをまっすぐ確実に固定することができます。
電動式ナッターの場合は、スイッチを入れるだけでナットを簡単にかしめることができるため、たくさんのナットをかしめたいとき、作業効率を重視するときに最適です。また、ネジ穴も開けることができるため、ドリルも不要です。