ハンドリベッター

ハンドリベッターとは

ハンドリベッターとは、リベットと呼ばれるピンで金属板同士をかしめて接合する工具です。

ハンドという名前がついているように手動 (握力) でリベットをかしめます。ハンドリベッターのほかに、電気の力でかしめる電動リベッター、圧縮空気の力でかしめるエアリベッターなどがあります。

電動リベッターやエアリベッターは高価ですが、ハンドリベッターは比較的安価なため、DIYで手軽に利用されています。

ハンドリベッターの使用用途

ハンドリベッターは、主に金属板同士を接合するために使用されます。金属板のほかに樹脂や布地などの接合も可能です。DIYでの工作や修繕に使用されることが多く、ネジやボルトでの締結が難しい薄板などを接合する際に便利です。

雨どいや窓枠、フェンス、シャッター、蝶番などなんでも接合できますが、ハンドリベッターは手動で握力が必要なため連続作業には向いていません。多くの場所にリベットを打つ必要がある場合は、電動リベッターやエアリベッターの使用をおすすめします。

ハンドリベッターの原理

リベット

図1. リベットの構造

ハンドリベッターは、リベットのシャフト (マンドレル) を引き抜く過程でフランジ (スリーブ) を変形させることにより金属板同士を接合します。ネジやボルトのように緩まないのが特長です。一度かしめたら半永久的に接合されます。

リベットを外したい場合は、電動ドリルで穴をあけたり、グラインダーで頭を削ったりしてリベットを破壊する必要があります。

ハンドリベッターの選び方

ハンドリベッターを選ぶ際に気をつけるポイントは、以下の3点です。

1. 片手式よこ型と両手式たて型

片手式よこ型と両手式たて型

図2. 片手式よこ型と両手式たて型

ハンドリベッターには「片手式よこ型」と「両手式たて型」があります。一般的なハンドリベッターは片手式よこ型です。ただし、リベットを打つ位置が狭かったり、奥まっていたりすると打てない場合があります。

作業性の悪いところにリベットを打つ必要がある場合は、ヘッドの向きを変えられるフレキシブルタイプがおすすめです。よこ型、たて型だけでなく、ななめ型にもなります。

かしめる板厚が厚く、太いリベット (6.4mmなど) を使用したい場合は、両手式たて型がおすすめです。鉄やステンレスなど硬い材質のリベットを使う場合も、両手だと力を入れやすいため使い勝手が良いです。

2. グリップの太さ

ハンドリベッターは握力が必要な工具です。特に握力に自信がない人は、グリップが太くて握りやすく、滑りにくい素材のものがおすすめです。やわらかい素材で加工されているものは、手が痛くなりにくいです。

3. 単体とセット

初心者は、ハンドリベッターとリベットが数種類セットになったものがおすすめです。リベットはサイズや材質など種類が多いため迷いやすかったり、逆に近所のホームセンターでは欲しいリベットが置いていなかったりすることがあります。

ハンドリベッターのその他情報

ハンドリベッターの使い方

ノーズピース

図3. ノーズピース

ハンドリベッターは、まず接合したい金属板に下穴をあけます。下穴はリベット径より0.1mmから0.2mm大きなものとなります。リベット径は、シャフト (細い方) ではなくスリーブ (太い方) の径です。下穴が大きすぎると、フランジの接地面積が少なくなり接合力が落ちるため注意が必要です。

どの大きさのリベットを使うかは、リベットの説明書に記載されている「適正かしめ板厚」を見て判断します。「1.6〜3.2mm」などと記載されており、かしめたい板厚の合計が範囲内に入っていることを確認します。

下穴にリベットのスリーブ (フランジ) 側を挿入し、ハンドリベッターにシャフト (マンドレル) 側を挿入したらセット完了です。最後にハンドリベッターのグリップを握ると、リベットのシャフト (マンドレル) が引き抜かれてかしめられます。

ハンドリベッターとシャフト (マンドレル) の径が合わない場合は、ノーズピースを適正サイズのものに交換する必要があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です