ゴムキャブタイヤケーブル

ゴムキャブタイヤケーブルとは

ゴムキャブタイヤケーブル

ゴムキャブタイヤケーブルとは、絶縁層とシースが天然や合成のゴム類で構成されているキャブタイヤケーブルです。

他のキャブタイヤケーブルと同様に通電状態でも移動できるのが特徴です。ビニルキャブタイヤケーブルと比較して耐衝撃や耐摩耗性に優れており、悪天候にも適応するため主に屋外や過酷な環境下においての使用に適しています。

現在は合成ゴムが主流となっており、天然ゴムを使用したキャブタイヤケーブルは徐々に合成ゴムに置き換わりつつあります。

ゴムキャブタイヤケーブルの使用用途

ゴムキャブタイヤケーブルは一般的に柔軟性が高く、建設機械やクレーンなど移動が多い設備に多く使用されています。耐候性にも優れており、屋外に設置している設備にも使用可能です。耐油性が高いことからオイルミストが飛散しているような工場や、トンネル工事の掘削機、鉱山などの過酷な状況下で使用されています。

耐熱性にも優れており、アーク溶接機の変圧器から溶接電極までの配線のように高温になる用途でも使用可能です。また耐水性にも優れていることから、船舶や港湾設備など塩水や湿度が高い環境でもよく使用されます。

ゴムキャブタイヤケーブルの原理

ゴムキャブタイヤケーブルは以下の4つの部分で構成されています。

  • 導体:電気を通すための銅線やアルミ線で芯線とも呼ばれる
  • 絶縁層:導体を包んで電気的絶縁を確保するもの
  • 内被:絶縁層を保護する被覆
  • 外被:ケーブル全体を保護するゴム

最も重要な役割を持つのが導体 (芯線) であり、本数と太さで仕様が決まります。例えば、アース付きの3相200Vで使用される導体の本数は4本です。導体の太さは流れる電流値によって決まり、芯線の断面積を表す単位sqを用いて、2sqや3.5sqなどの種類があります。

ゴムキャブタイヤケーブルの種類

ゴムの素材の組み合わせにより、ゴムキャブタイヤケーブルは以下の3種類に分けられます。

  • CT:絶縁体とシースの両方が天然ゴムで構成されたもの
  • PNCT:絶縁体がEPゴム、シースがクロロプレンで構成されたもの
  • RNCT:絶縁体のみ天然ゴムが使用されたもの

またグレードが1種から4種まであり、使用する環境によって適切な選定が必要です。1種は天然ゴムのみで、環境の変化に弱いため現在は2種に統合されています。2種は最も使われている低圧用のケーブルで、屋外屋内問わず使用可能です。3種はシースを補強する層があるため2種よりも絶縁体とシースが太く、衝撃や摩耗に強く、4種は3種よりもさらに耐摩耗性が高いため、超過酷下での使用に適しています。

例えば、2種グレードのPNCTであれば「2PNCT」と表記されます。2PNCTは600V以下の低圧設備で使用されることが多く、最も代表的なゴムキャブタイヤケーブルです。

ゴムキャブタイヤケーブルのその他情報

ゴムキャブタイヤケーブルは、導体のサイズが太くなるほど大容量の電流を流せるようになり、反対に本数が増えるほど流せる電流値は下がるのが特徴です。

断面積が2sqの導体の場合、単芯の許容電流は32Aですが、4芯になると21Aとなります。導体に電気を流すと熱が発生するため、導体の本数が増えるほど放熱性が悪くなるため、許容電流値も低くなるのが一般的です。許容電流値を超えて使用した場合、被覆の劣化が進みやすくなり、火災や感電の原因にもなるため、できるだけ余裕を持った設計にすることが大切です。

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