アジャスタボルト

アジャスタボルトとは

アジャスタボルト

アジャスタボルトとは、先端に椀状のベースを付けたボルトです。

機械、作業台、計測器、電気機器などを水平にしたり、傾斜をつけたり、高さを調整する場合に使用します。ボルトのベース側を床面や地面に置き、機器側の脚部に設けたねじ穴にボルトをねじ込んで高さを調整可能です。

アジャスタボルトには標準タイプのほか、ベースにすべり止めのラバータイプ、防振材をつけたボルト、傾斜接地面用の傾斜アジャスタボルト、耐震タイプなどのバリエーションがあります。

アジャスタボルトの使用用途

アジャスタボルトは地面や床面の不均一に対して、事務機器、計測機器、加工機械、家電機器、産業機械、作業台、自動販売機などを水平に設置する用途が大半です。厨房機器では使いやすい高さに調整する際に使用されます。コンベア脚部に付けて傾斜させる設置にも応用されています。

家具などの天板と天井との間に突っ張り棒として使い、地震時の転倒対策が可能です。衣服の収納日用品などに対しても突っ張り棒作用で設置が容易になります。

いずれの場合にも支持する機器の重さに見合うボルトサイズの選定が重要です。

アジャスタボルトの原理

アジャスタボルトはボルトの回転で高さを調整するため、ネジのピッチと回転角で調整量が決まります。ボルトの回転に必要なトルクはねじ面の摩擦係数とボルトに作用する垂直方向の荷重で決定されます。ベースが傾く場所では使用できません。

アジャスタボルトの種類

アジャスタボルトには、重荷重用、アンカー固定用、傾斜用などがあります。

1. 重荷重用

重荷重用は標準的なアジャスタボルトよりも耐荷重が向上しています。受け皿タイプや床への接着面積が広いワイドタイプなどもあります。

重荷重用のアジャスタボルトは、機械設備、制御盤、自動販売機などに使用可能です。

2. アンカー固定用

アンカー固定用は台座部分に穴があり、アンカーで固定できます。施工アンカーを使ってしっかり床面に固定でき、振動による機器などの位置ズレを防止可能です。

3. 傾斜用

傾斜用は土台からボルト部分の傾きを自由に変更できます。可能な角度は製品によって違います。一般的なアジャスタボルトは水平な地面でしか設置できませんが、傾斜用のアジャスタボルトは傾斜がある地面でも機器を設置可能です。

アジャスタボルトの選び方

アジャスタボルトを選ぶ際には、まず利便性からボルト本数を決め、積載質量とボルトの耐荷重からボルトのサイズと材質を選定可能です。

次に床面の状態を考慮してベースを決め、使用環境や耐用年数から材質や表面処理を選びます。計測機器や加工機械などで精密な水平調整が必要な場合には、ねじのピッチが細かい細目ねじのボルトを使用可能です。ボルトの長さは調整量で選定し、さらにボルトの回転に必要なトルクを計算します。地震対策や劣化時の交換方法も考慮する必要があります。

傾斜地に設置する場合にはベースが傾斜可能なタイプを使い、普通タイプは危険です。

アジャスタにはアジャスタボルト以外にも、レベリングブロックがあります。レベリングブロックは二段式や三段式に分類可能です。二段式は低いため据付場所を選びません。三段式には設置面のスライドがないため安定しています。

アジャスタボルトの構造

アジャスタボルトの材質は、鋼、合金鋼ステンレス鋼などです。表面処理には、ニッケルめっき、クロームメッキ、溶融亜鉛めっき、電気亜鉛めっき、6価クロメート、3価クロメートなどが用いられています。とくにステンレス製や表面処理されたアジャスタボルトはサビを避けたい場所に使用可能です。

アジャスタボルトのベースには、振動防止タイプ、床面保護タイプ、すべり止めタイプなどがあります。

ボルトはJIS B1180にサイズ、材質、表面処理などが規格化されていますが、市販品のアジャスタボルトは付属書JAのものが多いため注意が必要です。

参考文献
https://www.nejiya.co.jp/jisb180
https://www.d-ad.tech/howto-example/
https://04510.jp/times/articles/-/1801?page=1
https://jp.misumi-ec.com/vona2/mech/M0300000000/M0311000000/M0311030000/

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