ポリオレフィン

ポリオレフィンとは

ポリオレフィン

ポリオレフィンとは原料モノマーがオレフィンであるポリエチレンポリプロピレンを総称したものです。オレフィンとは炭素原子間に二重結合を有する化合物のことで、アルケンとも呼ばれます。

ポリオレフィンであるポリエチレン、ポリプロピレンにはそれぞれ固有の特徴がありますが、共通するものとしては①密度が小さいため軽い、②防湿性に優れるため空気中の水蒸気の透過を防ぐことが可能、③炭素原子と水素原子のみで構成されるため燃やしても二酸化炭素と水だけしか生成しないことが挙げられます。

ポリオレフィンの使用用途

ポリオレフィンとは原料の化合物がオレフィンである樹脂を総称するもので、具体的な樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレンが挙げられます。

ポリエチレンは低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)に分類されます。LDPEは透明で柔らかく、ラップフィルムなどに使われ、HDPEは強度が高くレジ袋などに使われています。またUHMW-PEはリチウムイオン電池セパレータなどに用いられています。

ポリプロピレンは乳白色の樹脂で、食品トレイや家電部品、自動車部品など幅広い業界で用いられています。

ポリオレフィンの構造

ポリオレフィンに分類されるポリエチレンの原料はエチレン、ポリプロピレンの原料はプロピレンです。これらの原料はいずれも二重結合を有します。このような二重結合を有する炭化水素、すなわちアルケン(alkene)のことを以前はオレフィン(olefin)と呼んでいました。その名残でオレフィン類を原料とするポリエチレン、ポリプロピレンはポリオレフィンと呼ばれています。

ポリオレフィンの構造

図1. ポリオレフィンの構造

なお、ポリエチレンの中でもLDPEとHDPEでは製法が異なります。製法が異なるため分岐を有する分子鎖の数や分子量などが異なり、結果的にLDPEとHDPEは異なる物性を示します。また、ポリプロピレンの場合は側鎖に存在するメチル基の立体規則性によって物性が変化し、立体規則性が高いほど硬さや強度が増加します。

ポリオレフィンの特徴

ポリオレフィンと呼ばれるポリエチレン、ポリプロピレンに共通する特徴をいくつかご紹介します。

1つ目の特徴は軽いという点。ポリオレフィン類の密度は1g/cm3以下で樹脂の中でも小さめです。

2つ目の特徴は防湿性に優れる点。ポリオレフィン類は吸水率が低いため、蓋など空気中の水蒸気の透過を防ぐ際に使われます。

3つ目の特徴としては燃やしても有害な化合物が生成しないことが挙げられます。ポリオレフィンを構成する原子は炭素と水素だけであるため、燃焼させても生じるのは水と二酸化炭素だけです。ただし、ポリマーの一部を変性させていたり、添加剤が加えられている場合は燃焼時に他の化合物が生成する場合もあるので注意が必要です。

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