角型LEDとは
角型LEDは、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)素子のパッケージ形態の一種です。
LED素子のパッケージは大きくわけてスルーホール型と表面実装型があり、角型LEDはスルーホール型LEDの一形態です。
頂部が半球型の円筒形の形状をした砲弾型LEDが代表的なスルーホール型LEDで、スルーホール型LED全般を指して「砲弾型LED」と呼ぶこともあります。
この砲弾型の部分を角型、帽子型、円筒型、逆円錐型など他の形状にしたLEDがあり、角型LEDは砲弾型LEDのバリエーションのひとつといえます。
角型LEDの使用用途
角型LEDは、前方・側面にムラのない光を照射する特徴があり、インジケータ、自動車のルームランプ、各種機器の動作確認ランプ、イルミネーション、光アートなど、主に広い範囲を照らす用途に使われています。また、明るく安価であることから、一般工作用にもよく使われます。
角型LEDの広角でムラのない発光は液晶パネルのバックライトに非常に適しているため、以前はよく使われていました。しかし、現在この分野は表面実装型LEDが主流になっており、角型LEDは使われなくなりました。
角型LEDの特徴
LED素子は、P型半導体とN型半導体を接合したものです。
P側にプラス、N側にマイナスの電位を印加すると、P型半導体の中では正孔がマイナス側に移動し、N型半導体の中では電子がプラス側に移動します。正孔と電子とは、p-n接合面で出会い、再結合してエネルギーレベルの低い状態に遷移します。
このとき、再結合前後のエネルギーレベルの差に対応する波長の光が放出されます。このエネルギーレベルの差(バンドギャップ)は半導体材料固有の値で、LEDの発光色は半導体材料で決まります。
角型LEDは、上記のLED素子をリードフレーム上に固定し、アノード(プラス)端子とLED素子をボンディングワイヤで接続した後、封止樹脂で角型に封止した構造をしています。カソード(マイナス)端子はリードフレームから直接出ています。
角型LEDはアノード端子とカソード端子の2端子素子です。アノード端子の方が少し長くなっていて、端子を識別することができます。アノード側を電源のプラスに、カソード側をマイナスに接続して使用します。逆接続した場合は点灯しません。
参考文献
https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/38-03-sougouhoukoku.pdf
https://www.nichia.co.jp/jp/product/led.html