冷房装置

冷房装置とは

冷房装置とは、ある空間の温度を冷却する装置のことを指します。

空間の温度を下げる工夫として、古くは団扇による強制空気循環や打ち水による気化熱の利用等が為されていました。電気が一般に普及してからは、構造が簡単な扇風機が流行しました。

近年では、冷房装置と言えば、エアーコンディショナを指すことが主流です。エアーコンディショナは空間と外部空気の熱交換を行う装置で、圧縮機を逆回転させることで冷房と暖房を使い分けることが出来るため、家庭用に広く普及しました。

冷房装置の使用用途

冷房装置は、産業から家庭用まで広く使用されています。

家庭用としては、ルームエアコンが代表例です。近年では一家に一台は備えられる家電製品です。冷蔵庫も家庭用冷房装置と言えます。形状が異なりますが、仕組みはルームエアコンと変わりません。

産業用としては、不凍液による冷凍機等として用いられる例があります。プロセスの冷却用途や、発熱機器の冷却用として用いられます。産業用の冷房装置はフロン等の環境負荷が高い冷媒をルームエアコンの何十倍も使用するため、定期点検や設置届出、設置許可等の法的義務が課されます。

冷房装置の原理

まず、強制風冷の冷房装置として、扇風機や送風機の仕組みを考えます。扇風機は、モーターによって羽根車を回すことで冷風を送り出します。ある物体の周辺空気温度が上昇しなくなるため、冷房装置としての役割を果たします。

次に、エアーコンディショナについて考えます。エアコンディショナは室外に圧縮機と熱交換器、送風機が設置されます。一般に室外機と呼ばれます。室内にも熱交換器と送風機が設置されています。一般に室内機と呼ばれます。エアコンの中には常温常圧付近の圧力変動によって気化と液化を繰り返す冷媒が封入されており、圧縮機で系内の圧力を変動させることで気化熱による冷却を行います。フロンが室外で圧力を上げられて液化し、熱を放出します。放出した熱は室外送風機で大気に放出されます。液化した空気は、室内で膨張して気化しつつ、室内の熱を奪います。室内送風機で室内全体に冷却した空気を循環させる仕組みとなります。

次に、冷凍機は室内の温度を0℃以下とする装置です。仕組みはエアーコンディショナと同様にして室内の温度を下げますが、冷却速度が送風機では間に合わず、室外機の温度が上がりすぎるため、水冷方式がとられる場合があります。大気放出する代わりに、冷媒として熱伝導率が高い水を使用します。水は、クーリングタワーと呼ばれる装置で冷却されます。室内空気も凝固を嫌う場合は不凍液を循環させます。

一般的に冷房装置は圧縮機による熱交換方式を取りますが、ペルチェ効果による冷房装置も存在します。電流を流すと冷たくなる物質を利用する冷房装置です。小型冷房装置として稀に販売されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です