成形加工

成形加工とは

成形加工

成形加工とは、金属や樹脂などに圧力を加えて目的とした製品に加工する方法です。

成形加工には、溶解・鋳造・溶接・圧延・鍛造・押出・引き抜きなど様々な加工方法があります。金属やプラスチックを成形する際に用いられ、機械の部品などを大量生産することに向いた加工方法です。

成形加工の使用用途

成形加工は、様々な製品や部品作成に使用される加工方法です。加工の対象となる素材として、金属やプラスチックなどが挙げられます。

金型を使用した加工方法であるため、パソコンの部品やフレーム、自動車のフレームなど使用用途は多岐にわたります。

成形加工の原理

成形加工は溶解・鋳造・溶接・圧延・鍛造・押出・引き抜きのそれぞれの用途によって原理が異なります。

1. 溶解

溶解とは、金属を溶かすことで成り立つ成形加工です。金属や樹脂などを工業炉などで、一定温度に過熱して溶かします。

液体状にすることで、原子間の持つ結合力がフリーとなって様々な形に成形することが容易になります。なお、溶けた金属のことを溶湯と呼びます。

2. 鋳造

鋳造とは、溶かした金属や樹脂などを、砂や金属でできた型に流し込んで固めることで成り立ちます。鋳造は5000年以上前から行われている古い成形加工で、銅製の矛やお寺の釣り鐘などが作られていました。

流し込む型を鋳型、液体の金属や樹脂を流し込むことを鋳込み、固めることを凝固と言います。

3. 溶接

溶接とは、金属材料同士の接合部を熱で溶かして接合することで成り立つ加工方法です。 溶接には熱の与え方によって様々な種類があります。

鋼鉄材料の溶接に最もよく使われるのがアーク溶接です。比較的小さくて薄い鋼鉄材料の溶接にはガス溶接が適しています。

4. 圧延

圧延加工とは、大きな2本のロールの間に金属を挟み込み、押しつぶしながら伸展させることで、薄い板状の金属成形する方法です。 板の厚さはロール間の距離を調整することで、変化させることが可能で、数百ミリから数ミクロンまで多様な板材を成形することができます。

5. 鍛造

鍛造とは、熱して原子間の結合力が弱くなった金属をハンマーなどでたたいて成形する方法です。日本では古くから鍛冶屋と呼ばれる職人たちが、日本刀や農業機械に使う鎌や鍬などを製作していました。

鍛造は金属を圧縮することで、強度が上がる点がメリットです。

6. 押出

押出加工とは、耐圧性の型に金属を入れて、圧力を加えて型の隙間から押し出して希望の形状に成形する方法です。イメージとしては、似たような原理に食品のところてんがあります。

押し出して成形する点においては、ところてんとほとんど同じです。

7. 引き抜き

引き抜き加工ろとは押出加工と反対に、型内に入れた金属を型に空いた穴などから引き抜く方法です。穴の形をした金属に成形します。

そのため、配管材料や棒状の素材を成形する際に使われます。その他にもピアノ線や、注射針など他業種にわたって活用されているのです。

8. プレス加工

プレス加工は、大きく分けると3種類の加工方法があります。ただし、プレス加工機で金属に圧力を加える原理は共通しています。

  • せん断加工
    板材の上下に2つの刃を用意してプレスして板材を切断する加工方法です。
  • 曲げ加工
    板材に曲げ型をプレス機で押し付けて板材を曲げ型の形に曲げる加工方法です。
  • 絞り加工
    プレス機の受け側に金型の凹部、押し出し側に凸部を用意しプレスすることによって板材を容器の形にする加工方法です。

成形加工のその他情報

成形加工の短所

成形加工には型を作って製品を大量生産できる長所がありますが、一方で短所もあります。

1. 型を作るのが大変
成形加工の型は汎用性のあるものでなければなりません。量産するために使用されるためです。汎用性がある型を作るためには費用がかかりますし、時間もかかります。

2. 型を変更することが難しい
一度作った型を変更することが難しいです。例えば、設計変更などで量産していた部品の生産を中止する場合、すべての型を廃棄しなければならないため、新しい型を作り直す必要が出てきます。

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