印字検査装置

印字検査装置とは

印字検査装置 (英語:Print inspection system) とは、食品や医療業界の製造工程で行われる日付の印字などについて、間違いや問題がないか検査を行う装置です。

近年では、消費者の安心・安全への意識が高まっており、食品や医療において製品の期限表示のミスは大きな問題に繋がることがあります。印字ミスがあった場合は、商品の回収に伴う費用や時間の損失だけでなく、顧客の信頼も失いかねません。

そのため、人的要因によるミスを防ぐ印字検査装置は、製造現場においてニーズの高い機材です。印字検査装置を導入することで、高い精度と一定の基準での安定した検査が可能であるとともに、画像保存による記録を担保できます。

印字検査装置の使用用途

印字検査装置は、製品やパッケージに印字された期限の日付、製造所固有記号、ロット番号などに対して、印字の有無や、印字の欠けや抜け、間違いなどを検査する機能を持つため、製造ラインで使用されるケースが多いです。

製人手では難しい判別や、製品の裏面など目視検査に時間を要する箇所の印字検査ができます。検査に利用した画像は保存しておくこともできるので、出荷後のトラブルを想定し、リスクの低減にも繋がります。

印字検査装置は、検査後にNG製品のみ排出する機構と連動することが可能です。排出機構と連動させることで、ラインを稼働したままNG製品を排出できます。主な機構としては、エア吹き出し口からのエアジェットにより排出機構やアーム機構によるNG品をピンポイントで排出する機構などを導入できます。

印字検査装置の原理

印字検査装置は、印字面を撮影するカメラ、取り込んだ画像を検査する解析装置、結果や設定を表示するモニタ、および画像を保存するためのストレージで構成されています。

製造現場のラインから流れてくる対象の印字面は、固定されたデジタルカメラにより画像として取り込まれます。取り込まれた画像は画像解析に供され、問題がないか検査されます。生産の現場では高精度なエラー検出だけでなく、過剰にエラーを検出しないことも重要なポイントです。

画像解析技術の発達により、印字部分の文字だけでなく、汚れの存在など他の問題を検出できる多くの機能をもつ印字検査装置もあります。また、印刷機とリンクできる印字検査装置も販売されており、検査の効率化やさらなる自動化が期待されています。

印字検査装置のその他情報

印字検査装置のメリット

1. 検査員の削減とミスの排除
印字検査装置を導入することで、印字の検査に要していた検査員の人手を使わずに作業ができるようになります。また、人の手で検査を行う場合、検査ミスが出ることもあります。作業効率と品質担保を長期間維持するためにも、印字検査装置は非常に重要です

2. 高精度な印字検査が可能
印字検査装置はプリンタとの連動機能を搭載している機種もあり、アイテムの切替・カレンダーなどの同期が自動で行えるため、設定の漏れやミスがありません。また、印字検査機は、印字間違い・印字抜け・印字欠けなどを高精度で識別できるので、過剰なエラー反応を制御し、不要なロス品を防ぐことで、生産性を維持しながら確実な検査を行います。

3. 印字画像を保存できるので再発予防につながる
印字検査機の検査画像を保存しておくことで、出荷時の検査履歴を残せるようになります。製品出荷後に問題が発生した場合、検査画像が残っていないと、印字検査をした日時や出荷時の状態も確認ができないので原因がわかりません。検査画像を全て保存すしておくことで、原因調査や再発防止にも役に立ち、食品や医療品のさらなる安定供給に繋がるというメリットもあります。

参考文献

https://www.edm-net.co.jp/products/pc

https://www.keyence.co.jp/ss/products/marker/inkjet/counterplan/sensor.jsp

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