圧延機

圧延機とは

圧延機

圧延機とは、鉄鋼工場で使用されており、鉄を延ばすための設備です。

圧延は、鉄を延ばすことを指します。工場で作る鉄の最終的な厚みによって、圧延機の台数が決まります。圧延機は、モーターにて駆動するロールの間で鉄をつぶすことで延ばしていき、商品ごとに異なる、厚さ (幅) を目標値に制御しながら圧延を行います。

圧延する際は、炉で温められた鉄を温度を下げないうちに延ばすことが重要です。

圧延機の使用用途

圧延機は、鉄を延ばす際に使用されています。工場によって異なりますが、圧延機の主な流れとしては、炉から出てきた厚い鉄をまず大まかに延ばしていく粗圧延機が1台~5台程度あり、その後に実際の製品厚さへと仕上げる、仕上圧延機が5~8台程度あるのが一般的です。

なお、圧延機は粗圧延機と仕上圧延機に大別できます。粗圧延機は、リバース圧延という機能が備わっているものがあり、一度圧延した鉄を圧延機前へ戻し、再度同じ圧延機で圧延する方法です。この方法によって、厚い鉄をある程度の薄さまで圧延することができます。

圧延機の原理

圧延機は、2つのロールの間で鉄を延ばしていきますが、鉄を延ばすためには、ロールを押さえつけなければなりません。その押さえつける機能を圧下と呼び、電動または油圧で駆動します。

各圧延機ごとの出側の厚みを制御するために、電動圧下ならばスクリュー等へ位置検出器等を取り付けていきます。リニアに位置を検出することで、圧下量を計算し材料厚さを決めていきます。

油圧圧下の場合は、圧下機器内部のシリンダ位置をリニアに監視することで、材料厚さを算出しています。主に粗圧延機は電動圧下だけの場合が多く、仕上圧延機は電動と油圧圧下を合わせた圧下方式が多いです。

また、仕上圧延ではX線やγ線などの厚さ計と組み合わせ、厚さフィードバックをもとに、より目標厚さとの誤差を無くす制御方式のオートギャップコントロール (AGC) といった制御方式も採用されています。AGCを行う際は圧下位置だけでなく、圧延機速度や圧延機間の張力も重要となるため、これらも複合して制御を行っています。

圧延機の種類

圧延加工に用いられる主な圧延機として、下記が挙げれらます。

1. 2段圧延機

2段圧延機とは、上下2本のロール (作業ロール) で金属を挟み込む圧延機で、一番シンプルな構造をしています。20mm~30mm程度の粗圧延や、薄板圧延などに用いられます。

2. 4段圧延機

4段圧延機とは、2段圧延機のような作業ロールに追加でさらに2本のロール (支持ロール) を付け加えた構造をしています。4本のロールで金属を圧延しているわけではなく、作業ロールを支持ロールで挟み込むような構造です。作業ロールのたわみを支持ロールでおさえこむことで、精度の良い加工が可能となります。

3. 多段圧延機

多段圧延機とは、4段圧延機よりもさらに複数の作業ロールを持った圧延機です。多段圧延機はさまざまな形状がありますが、それぞれ多くの作業ロールを持つため、高い圧力をかけて硬い金属の加工が可能です。また、ロールの軸径を小さくし加工できるため、銀箔のような極薄の圧延が可能です。

圧延機のその他情報

圧延加工の種類

圧延機で圧延加工を行う時の温度によって、熱間圧延、冷間圧延、温間圧延の3種類に分けられます。

1.熱間圧延加工
熱間圧延加工は、材料の金属を加熱しながら圧延する方法です。900℃~1,200℃の熱で加工しやすいように金属を柔らかくさせた状態で。ロールに通過させて圧延していきます。

高温により加工性が良く、粘り強い材料が得られるのが特徴です。ただし、表面が酸化することで白っぽくなります。

2. 冷間圧延加工
冷間圧延加工は、常温で圧延する方法です。熱間圧延のように加熱はしませんが、金属を圧延する過程で発生する熱で多少温度が上昇します。

熱間圧延より寸法精度が高く、表面に光沢があります。

3. 温間圧延加工
温間圧延加工は、熱間圧延と冷間圧延の中間的な圧延方法です。熱間圧延と冷間圧延のデメリットを補うような仕上がりになります。アルミホイルの生産にて使用される場合が多いです。

参考文献
https://oonoroll.co.jp/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です