2021年6月30日に三菱電機株式会社が鉄道車両向け空調機器で不正な検査をしていた問題を公表しました。このようなことが起こらないで欲しいという思いも込めて、過去の三菱電機の不祥事についてまとめました。
2021年の不祥事
鉄道車両用空調装置等の不適切検査
概要
- 三菱電機が製造する鉄道車両用空調装置において、購入の仕様書と異なる検査を実施をし、検査成績書に実際の数値とは異なる数値を記載。
- 三菱電機が過去に出荷した鉄道車両用空気圧縮機ユニットにおいて、購入仕様書の記載とは異なる検査の実施や検査の不実施。
会社の公式リリース (日時: 2021年6月30日)
本不祥事発表後に株価は約6%下落
不祥事が発表された6月30日から7月1日にかけて株価は1,612円から1,515円に約6%下落した。
比較対象として、この間の日経平均は28,791円から28,707円に約0.3%下落している。
現在の三菱電機の時価総額は3.32兆円。(2021年7月2日時点)
画像出典: googleスクリーンショット
6月29日に開催された株主総会の1日後に三菱電機は不祥事を公表
三菱電機は6月29日に株主総会を開催していたが、鉄道車両用空調装置等の不適切検査の不祥事の公表は6月30日。会社公式リリースによると、三菱電機内での不祥事の判明は6月14日であった。
株主総会前に発覚していたにも関わらず、株主総会後での発表を行ったことに対してはいささか疑問が残る。
また、株主総会では「品質不適切行為について深く反省し、再発防止に努める」との三菱電機社長の言及もあった。
株主総会での三菱電機社長の「品質不適切行為への言及」原文
「近年発生した一連の労務問題について心からお詫び申し上げます。また、不正アクセスによる情報漏洩、品質不適切行為でも社会の皆さまに多大なご迷惑をお掛けいたしております。当社として、厳粛に受け止めて深く反省し、再発防止策も含めた諸課題にグループをあげて取り組んでまいります。」
本不祥事関連ニュースの時系列整理
- 2021年6月14日: 製造する鉄道車両用空調装置の一部において、購入仕様書の記載とは異なる検査の実施や検査の不実施、検査成績書への不適切な記載を行っていたことが社内調査で判明
- 2021年6月28日: 過去に出荷した鉄道車両用空気圧縮機ユニットの一部において、購入仕様書の記載とは異なる検査の実施や検査の不実施が判明
- 2021年6月29日: 第150回株主総会の実施
- 2021年6月30日: 鉄道車両用空調装置等の不適切検査に関する不正公表
- 2021年7月2日: 東京都内で会見を開き、三菱電機の杉山武史社長は社長を辞任
- 2021年7月3日: 三菱電機柵山会長の経団連副会長としての活動の自粛を発表 (会社公式リリース)
- 2021年7月6日: 内閣府が主催する「Society 5.0 科学博」への出展の取りやめを発表 (会社公式リリース)
2020年の不祥事
パワー半導体製品を出荷検査せずに出荷
概要
2014年11月上旬から 2019年6月下旬までの間、顧客と契約をした規格どおりの出荷検査を行わずに出荷。
会社の公式リリース(日時: 2020年2月10日)
欧州向けカーオーディオ製品で欧州域内の規制に適合しない製品を出荷
概要
欧州向けカーオーディオ製品の一部において、欧州域内のラジオ受信器に関する規制に適合しない製品を出荷していた。
影響として、欧州地域での AM ラジオ受信時に、音声にノイズが混入する可能性。
不適合製品は自動車メーカー向けに販売、一般消費者への直接の販売は行っていない。
会社の公式リリース(日時: 2020年11月6日)
2017年の不祥事
労使協定の上限を超える残業を社員に強制
概要
2017年1月11日に労使協定の上限を超える残業を社員にさせたとして、労働基準法違反の疑いで三菱電機と、同社の幹部を書類送検。
日本経済新聞ニュース
不祥事への三菱電機の対応
2017年1月27日に総労働時間削減と適切な労働時間管理に向けた取り組みの強化を目的として「労働時間適正化委員会」を設立。
会社の公式リリース(日時: 2017年1月17日)
2012年の不祥事
防衛省・JAXA・内閣衛星情報センター・情報通信研究機構への過大請求
概要
防衛省、内閣衛星情報センター、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構及び独立行政法人 情報通信研究機構との契約において、費用を実際よりも多く計上し請求。
違約金・延滞利息により773億円を営業外費用に計上。
会社の公式リリース
まとめ
こちらの記事については随時更新を行っていきます。
三菱電機株式会社の概要
設立: 1921年1月15日
連結従業員数: 145,653人
連結売上高: 4,191,433百万円
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事業概要
重電システム(タービン発電機など)、産業メカトロニクス(プログラマブルコントローラなど)、情報通信システム(人工衛星など)、電子デバイス(液晶表示装置など)、家庭電器(液晶テレビなど)の製造販売を行う。
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