ブスバー

ブスバーとは

ブスバー

ブスバーとは、制御盤や受電盤等に使用する給電用銅バーです。

ブスバーは電気図面上などでは「BUS」と表記され、制御盤内で碍子等に固定されて使用されます。ケーブルとは異なり可撓性が低いため、寸法があらかじめはっきり決まっている箇所で使用されます。

ブスバーは被覆となる有機物を用いず、許容温度を上げられ、使用される銅量も多く、断面積を大きく取れるため、ケーブルに比べて許容電流が高いです。

ブスバーの使用用途

ブスバーは生産工場の幅広い場面で使用可能です。

例えば産業機器の制御盤の主幹配線の代替として用いられます。ブスバーは許容電流が高くてタップを切ると分岐配線を容易に作れ、主幹として優れています。同様の理由で受電盤の電線路としても利用可能です。

また電解精製用の大電流装置で電線路としても使われます。ケーブルよりも強度が高く、被覆を持たないため材料を削減でき、許容電流も高いです。

ブスバーの原理

ブスバーの構造は単純であり、裸銅板を張り合わせた形です。大電流を少ない損失で給電するため、主にで製作されます。金属の中でも導電率が極めて高く、比較的安価で入手が容易なためです。銅よりも高い導電率を持つ主要金属は銀で、導電率が約6%向上します。ただし銀は銅に比べて圧倒的に高価で、重量比で100倍ほど高いです。

またブスバーは被覆を持たず、常に外気と接しており、放熱性が高いです。1,000Aの大電流を送電する際にケーブル系統では200mm2の配線を6条引きする必要があり、断面積は1,200mm2の銅が必要ですが、ブスバーを使用すると900mm2程で送電できます。したがって大電流を供給する場合には銅製ブスバーが最適です。

ブスバーの種類

ブスバーの材質には主に銅が使用され、銅バーとも呼ばれています。

1. タフピッチ銅

銅バーの中で最も流通しています。99.90%以上の銅純度の材質で、酸素の含有量は80ppmです。展延性、導電性、絞り加工性に優れ、配電盤のような電気部品や化学工業用に使われます。

2. 無酸素銅

99.96%以上の銅純度の材料で、酸素含有量を10ppm以下に抑えています。高温で用いると水素と酸素が反応して水素脆化が生じやすいです。水素脆化は材質に吸収された水素によって材質の靭性や延性が低下する現象です。

ロウ付けや溶接が必要な場合や加工時や使用中に高熱が加わるときに用いられます。ただし流通性は悪く、価格も高いです。

3. アルミ

一般的にブスバーには銅が使われますが、銅以外ではアルミも使用されます。アルミは銅より引っ張り強度や導電性が劣り、導体の体積が大きくなります。しかし価格が低く軽いため、アルミ製のブスバーはコストダウンや軽量化などが可能です。

ブスバーの選び方

ブスバーを使用するメリットは多いです。

1. 断面積

金属を厚い板状にして製造します。導線より断面積が大きく容量も大きいため大電流を流せます。

2. 放熱性

絶縁皮膜がないため、導線より放熱性が高いです。

3. 設置性

専用設計のブスバーはそのまま取り付けられ、汎用のブスバーもY字型や丸型の端子で端末処理せずに取り付け可能です。

4. 分岐性

ボルトやビスで固定し、端子の重ねや渡りも可能です。ネジ穴を途中に設置し、効率的に分岐できます。

5. その他メリット

スイッチングで生じる高周波電流は誤作動やノイズに影響します。表面積が大きいブスバーによって高周波の影響が軽減されます。

専用設計による取り付けが容易で、端末処理が不要です。材料費が安価で、分電盤や制御盤の製造コストを減らせます。

ブスバーの構造

ブスバーは以下の工程を経て製作されます。

1. 穴あけ

金属の板材の必要な箇所に穴あけ加工を施します。必要に応じてタップ加工によってねじ山を作ります。

2. 曲げ加工

穴あけ加工後にプレス機やベンダーを使って曲げ加工を施し、ニーズに合わせてエッジワイズ曲げやフラットワイズ曲げなどを行います。エッジワイズ曲げは幅方向に曲げ、フラットワイズ曲げは厚さ方向に曲げます。

参考文献
http://ishidasangyo.co.jp/technicaldata/busba.html

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