殺菌装置

殺菌装置とは

殺菌装置

殺菌装置とは、食品などの対象物について殺菌処理を行うことができる装置です。殺菌装置は紫外線殺菌装置と高温高圧殺菌装置に大別されます。

紫外線を利用して殺菌を行う紫外線殺菌装置は、対象物へのダメージが少ない、耐性菌が生まれないなどの優れた利点を持つ装置です。ただし紫外線が当たった部分の表面しか殺菌できないため、紫外線を遮へいするものが存在すると十分な殺菌効果がありません。

高温高圧殺菌装置は、高温・高圧条件で加熱殺菌を行うことで、殺菌処理にかかる時間を短時間に抑えられる装置です。類似の殺菌装置であるオートクレーブと異なり冷却機能があるため、冷却時間の短縮にも成功しています。 

殺菌装置の使用用途

殺菌装置は、衛生管理や汚染防止などを目的として用いられます。化学品や薬品、精密品など幅広い分野で利用されていますが、とくに有害菌による汚染が許されない食品分野では欠かせない装置です。

食品分野では、缶詰やびん詰などレトルト食品の殺菌が代表的な用途です。缶詰やびん詰など真空状態の食品では、酸素を嫌う「ボツリヌス菌」が増殖しやすくなります。

ボツリヌス菌は食中毒の原因となる毒素を産生する菌として有名ですので、上記食品の製造時には殺菌装置を用いた入念な殺菌が必要です。 

殺菌装置の原理

殺菌装置として主流なのは、高温高圧殺菌装置と紫外線殺菌装置の2つです。

1つ目の高温高圧殺菌装置は、食品に含まれるボツリヌス菌を含む有害菌を殺菌するために用いられます。ボツリヌス菌は耐熱性のある「芽胞」を作って身を守ることで知られており、殺菌には十分な温度・時間の加熱殺菌を行わなければなりません。高温高圧殺菌装置を用いて120度・4分間相当の厳しい条件で殺菌することで、食品の安全性を保つことが可能です。

高圧殺菌装置には蒸気式と熱水式のものがあり、熱水式はさらに熱水貯湯式、熱水スプレー式に分けられます。熱水を噴霧する熱水スプレー式では熱水の噴霧によって殺菌槽が高温高圧の雰囲気になるため、温度ムラの発生を防止できます。

2つ目の紫外線殺菌装置は、紫外線を対象物に照射する殺菌装置です。紫外線を照射すると細菌の細胞膜を破壊することができるため、その結果として細菌が死に至ります。

殺菌装置に用いる紫外線源としては、水銀ランプやオゾンランプが主に利用されます。これらのランプを採用すれば、細胞膜に吸収されやすく殺菌効率の良い波長(UV-C域)の紫外線を照射することが可能です。 

参考文献
https://www.m-n-w.com/from_index_uvkill.htm
https://www.gitc.pref.nagano.lg.jp/pdf/gijutujoho/gijutujoho423.pdf 

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