水銀ランプ

水銀ランプとは

水銀ランプ

水銀ランプとは、水銀の蒸気を用いた青白い光を発するランプです。白熱電球と比べると発光効率が高い、長寿命でメンテナンスの手間を減らせるといったメリットがあります。

水銀ランプは、ランプ点灯時の水銀蒸気圧にもとづいて高圧タイプと低圧タイプの2種類に大別されます。水銀蒸気圧が10^5Pa以上であれば高圧タイプ(高圧水銀ランプ)に該当し、100Pa以下であれば低圧タイプ(低圧水銀ランプ)です。

高圧水銀ランプの中には、水銀蒸気圧が10^6〜数10^7Paの超高圧タイプも存在します。

水銀ランプの使用用途

低圧水銀ランプは紫外線(UV)を放射する性質を持つため、殺菌ランプとして広く普及しています。また、低圧水銀ランプは蛍光物質を発光管に塗って蛍光ランプとして使うこともあり、その場合は一般照明やUV硬化(UVキュアリング)用の光源にも用いられます。

高圧水銀ランプが活躍する用途としては、一般照明やUVキュアリングなどが代表的です。上記以外の用途では、光化学反応実験に用いられることもあります。

超高圧水銀ランプは、ショートアーク型とロングアーク型の2種類が主流です。前者は輝度の高さを活かして光学顕微鏡や光学機器など、後者は製版や半導体のエッチングなどに活用されています。

水銀ランプの原理

水銀ランプは、発光管内に水銀蒸気を封入し、水銀蒸気中での放電によって発光を行う仕組みになっています。

発光管内で放電を行うと、エネルギーの低い状態の水銀原子が電子と衝突し、エネルギーの高い状態(励起状態やイオン化した状態)になります。この高エネルギー状態の水銀原子がエネルギーの低い状態に戻ると、両者のエネルギー差に相当する光が放出されるのです。

放出される光のうち、水銀イオンが水銀原子に戻るときの光を連続スペクトル、励起状態から基底状態(もしくは準安定状態)に戻るときの光を輝線スペクトルと呼びます。

水銀ランプが発する光の波長は、発光管内に封入した水銀の蒸気圧によって変わってくることが知られています。具体的には、水銀蒸気圧が低ければ紫外部の波長の光が強く放出され、反対に水銀蒸気圧が高ければ可視部の波長の光が増加します。

すなわち、低圧水銀ランプは殺菌に有効な紫外線が多く放出されるため、殺菌ランプの用途に適しています。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieij1917/44/2/44_2_52/_pdf/-char/ja
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/lightedge/199811/100184.html
https://www.iwasaki.co.jp/sources/hid_lamp/mercury/eye_mercury.html
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ka/high_pressure_mercury_lamp_2.html
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ta/low_pressure_mercury_lamp.html
https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ta/super-high_pressure_mercury_lamp.html

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