造粒機

造粒機とは

造粒機

造粒機 (英: granulator) とは、粒径の小さな粉体、微細粒子、液体を固めて、取扱いが容易な適度な大きさの球状、粒状にする装置のことです。

粒状のペレットを作れることから、ペレタイザとも呼ばれます。原料となる粉体そのものでなく、造粒した方が製品化などの上でメリットが大きくなることが多いです。そのため、医薬品や食料品などの製造に多く応用されます。

造粒機は原料の物性、種類、サイズなどに応じて、攪拌式や押出式などの種類があります。基本的には、造粒を行う際は分散液に代表されるバインダーが必要です。

造粒機の使用用途

造粒機は、微粒子を均一なサイズの球状や粒状に成形できることから、医薬品、食品、工業、その他の産業用途に幅広く使用されます。

1. 医薬品分野

医薬品を顆粒状態にすることで、服用のしやすさや溶解性の向上、安定性の確保などが図られます。造粒機は、薬品の粒度や形状を制御し、一定の品質基準を満たす顆粒を生成するのに使用されます。

2. 食品分野

食品分野では、粉立ち防止、速溶性の向上、保存性の向上などの目的で造粒します。また、洗剤では水や温水への溶解性の向上、秤量を容易にするために造粒機を使用します。

その他、凝集防止や湿気対策として、乾燥剤の製造の際にも用いられます。

3. 工業分野

製鉄、ガラス工業では、安定した配合や反応条件の均一化のため造粒が行われます。また、化学工業では、流動性の向上、付着性防止、汚染防止などの目的で、造粒機を使用します。樹脂の成形加工用のペレット生産にも使われます。

4. 色材

商品として販売する上で、細かい粉体をそのまま販売するのではなく、造粒した後の方が粉塵性などが低減され扱いやすくなるのが長所です。

造粒機の原理

気体もしくは液体中に原料粒子を分散させた場合、ローターなどで機械的な混合を行うと、原料粒子表面に流体が付着します。流体によって粒子間で接着が起こり粒子の凝集が起こり始めます。

この凝集を促進するために、混錬や攪拌などの機械的操作を粉体に加えます。湿度のある環境では、凝集の効果が生じやすいことから、加湿、通気、乾燥などの操作を併用しながら造粒を行います。

可塑性のある比較的もろい粉体は、意図する粒形が得られにくいことから、押し出しや射出などの造粒方法がとられます。なお、造粒方式には大きく分けると、乾式造粒と湿式造粒の2種類です。粉体の種類やサイズ、性質などに応じて、いずれかの方式を用いた造粒機を選択する必要があります。

1. 乾式造粒

乾式造粒は水やバインダーを使わず、材料の凝集力を高めて造粒する方法です。ロールを使って粉体を圧縮する圧縮造粒などが該当します。加熱により材料を軟化させた状態で圧力をかけて造粒するなどの方法がとられます。

2. 湿式造粒

湿式造粒は、水やバインダーの付着力を利用して造粒する方式です。粒子表面のわずかなバインダーにより造粒する転動造粒タイプから、バインダーの海に粒子が島状に分布させ、それを成形機から押出、ペレタイザ―で切ることで粒子にする押出成形タイプの造粒があります。

造粒機の種類

造粒機は、造粒の方法に応じてさまざまな種類が存在します。

1. 撹拌式造粒機

攪拌式造粒機では、撹拌機やミキサーを使用して、粉体とバインダーを均一に混合させます。

2. 押出式造粒機

押出式造粒機は、粉体にバインダーを加えて水などと混ぜ、圧力をかけて多数の穴から押し出すことで造粒します。

3. 転動造粒機

転動造粒機は、粉体をドラムや容器に連続的に投入し、水や粘着剤を噴霧して粒状にする造粒機です。

4. 乾式造粒機

乾式造粒機は、粉体をロールで圧縮し、シート状にして破砕して粒状にします。または、粉体を高圧で圧縮してブリケット (固形塊) とし、それを破砕して粒状にします。

5. 溶融造粒機

溶融造粒機は、原料を加熱して溶かし、それを冷却して固める機械です。原料は加熱されて溶融し、溶融状態のまま冷却されることで、粒状の形態が形成されます。

参考文献
https://www.freund-turbo.co.jp/product/product/grinder/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos1996/48/9/48_9_861/_pdf

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