全自動血圧計

全自動血圧計とは

全自動血圧計

血圧計には様々な種類がありますが、全自動血圧計は、従来製品よりもさらに操作が簡単で、誰にでも測定できるような設計となっています。血圧計の中で最も一般的なのは、測定者の上腕にカフと呼ばれる帯状のものを巻きつけるタイプです。このタイプでは、カフのサイズが合わなかったり、カフを誤った場所につけてしまうと、正しく血圧を測定することができません。一方、全自動血圧計では、測定部に腕を通すだけで測定可能で、自分でカフを巻き付ける必要がなく、スイッチを押すだけで最適な圧力がかかって簡単に測定することができます。正しく血圧を測るためには腕の位置や姿勢が重要となりますが、腕を通した測定部の角度から正しい姿勢を判定して測定者に知らせる機能がついている製品もあり、より手軽に正しい血圧測定ができるようになっています。

全自動血圧計の使用用途

血圧測定は、日々の体調を知る上での重要な指標であり、脳卒中や心臓病、腎臓病などの各種疾患リスクを評価するためにも行われています。日本高血圧学会による「高血圧治療ガイドライン」では、血圧140/190 mmHg以上の高血圧患者、130~139/80~89 mmHgの高値血圧の人、血圧上昇に伴い心血管リスクの上昇する120/80 mmHg以上の人はすべて血圧管理の対象者として考えられています。異常を早期に発見するためには、定期的に血圧測定を行い、自分自身の平均的血圧を知っておくことが重要です。全自動血圧計は、より操作が簡単で手軽に継続して血圧モニターできることから、病院だけでなく家庭用としても普及しています。

全自動血圧計の原理

血圧測定の原理としては「コロトコフ法」と「オシロメトリック法」の二つが知られていますが、全自動血圧計では一般的に「オシロメトリック法」が採用されています。

オシロメトリック法では、心臓の収縮によって生じる動脈の拍動を、カフ内圧としてとらえて測定しています。測定部に上腕を入れると、カフが加圧され血流が止まります。一方で動脈の拍動は血流が止まっても存在していて、これに伴いカフ内圧が振動します。次にカフ内圧を少しずつ減らしていくとカフ内圧の振動は次第に大きくなりピークに達します。さらにカフ内圧を減らしていくと、カフ内圧の振動は急速に小さくなっていきます。この一連の過程でのカフ内圧とカフ内圧の振動の増減との関係から、血圧値が演算されます。一般的には、振動が急激に増大したときのカフ内圧を最高血圧、急激に減少したときのカフ内圧を最低血圧とします。コロトコフ法の場合では、カフを減圧する際に血液が流れ出す血管音(コロトコフ音)を検知する必要がありますが、オシロメトリック法ではその必要がなく、外部ノイズ等の影響を受けにくい測定法であると言われています。

参考文献
https://www.healthcare.omron.co.jp/product/hem/
https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressuremonitor/know.html
https://www.tanita.co.jp/health/blood_pressure_knowledge/
https://www.jpnsh.jp/guideline.html

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