全自動血圧計

全自動血圧計とは

全自動血圧計

全自動血圧計は、血圧を簡単かつ正確に測定するための医療機器です。

装置に腕を入れるだけで、最高血圧と最低血圧、および脈拍を自動的に測定できます。血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の内壁を押す圧力のことです。心臓が収縮して血液を送り出す際に最高血圧、心臓が拡張して次に血液を受け入れる準備をする際に最低血圧を示します。血圧の単位にはmmHgが使用され、医療機関での測定では、最高/最低血圧140/90 mmHg以上、家庭での測定では若干低い135/85 mmHg以上が高血圧とされてます。

従来の血圧計は専門家による聴診が必要でしたが、全自動血圧計は電子制御により誰でも簡単に測定できます。ボタンを押すだけで適切に加圧され、測定結果が液晶画面に表示されます。最新モデルには脈の乱れを検知する機能や、測定履歴を保存する機能など、便利な機能が搭載されているものもあります。

全自動血圧計の主な特徴は、測定値のばらつきが少なく、環境音の影響を受けにくい点です。また、結果がデジタル表示されるため、誤読の心配がありません。最近では、スマートフォンと連携してデータを管理できる機種も登場しています。

全自動血圧計の使用用途

血圧測定は、日々の体調を把握するための重要な指標です。全自動血圧計の測定結果は、医療現場においては診断や治療方針の決定に役立ち、脳卒中や心臓病、腎臓病など、多くの疾患リスクを評価する際にも活用されます。家庭では健康管理のために使用します。特に高血圧や心血管疾患のリスクがある人にとって、定期的な血圧測定は重要です。高血圧の早期発見や治療効果の確認にも役立ちます。高血圧は自覚症状が現れにくいため、定期的な血圧の確認が重要です。継続的に観察することで、生活習慣病の予防や早期発見につながるだけでなく、服薬中の方の経過観察にも有効です。

測定のタイミングは、朝と夜の1日2回が推奨されています。朝は起床後1時間以内、トイレを済ませた後、朝食前や服薬前に行うのが適切です。夜は就寝前のリラックスした時間帯に測定します。毎日同じ時間に測定することで血圧の変動パターンを把握でき、より適切な健康管理が可能になります。

全自動血圧計の原理

ほとんどの全自動血圧計は、オシロメトリック方式を採用しています。オシロメトリック方式とは、血管壁の微細な振動をセンサーで検出して解析する方法です。まず加圧により上腕部の血流を一時的にブロックし、想定される最高血圧より30~40 mmHg高い圧力まで上昇させます。その後、徐々に減圧していく過程で生じる動脈壁の振動を感知し、振動振幅が急激に増大する点を収縮期血圧、急激に低下する点を拡張期血圧として算出します。

血管内の音で判断する古典的なコロトコフ方式と比較すると、オシロメトリック方式は周囲の音の影響を受けにくく、測定の再現性が向上しました。オシロメトリック方式は専門的な訓練も不要で、約60秒で測定が完了し、連続測定も可能です。

全自動血圧計の種類

測定方式により、4つの異なるタイプが販売されています。機種選択の際は、使用目的や環境、操作のしやすさを総合的に判断します。特に正確性を重視する場合は上腕式が望ましく、継続使用のためには使用者の好みや生活スタイルに合った機種を選ぶことが大切です。

1. 上腕式

最も信頼性の高い標準的なタイプです。医療施設と同じ測定方式を採用し、多くの機種がカフ装着のガイド機能を備えています。治療効果の判定や血圧管理に最適ですが、厚手の衣服の上からは測定できないという制約があります。

2. アーム式

筒状の測定部に腕を入れるだけの簡便な構造を持つタイプです。カフ装着の必要がないため、特に高齢者や測定に不慣れな方に向いています。測定姿勢による誤差も少ないのが特徴ですが、据え置き型のため持ち運びには適しません。

3. 手首式

コンパクトで携帯性に優れ、衣服の上からも測定可能です。ただし、正確な測定には手首を心臓の高さに保つ必要があり、一定の習熟が求められます。姿勢による誤差が生じやすいため、使用時は注意が必要です。

4. ウェアラブル式

最新の腕時計型の装置です。常時装着が可能で、血圧以外の健康データも記録できます。スマートフォンとの連携で長期的なデータ管理も可能ですが、現段階では補助的な使用に留めるべきとされています。

参考文献
https://www.healthcare.omron.co.jp/product/hem/
https://www.healthcare.omron.co.jp/zeroevents/bloodpressuremonitor/know.html
https://www.tanita.co.jp/health/blood_pressure_knowledge/
https://www.jpnsh.jp/guideline.html

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