電力監視システムとは
電力監視システムは、電力量を計測することで省エネ活動を支援するシステムです。
以前は電力計を目視で検診していたところを、電力監視システムで複数箇所の電力使用量を自動で計測できるようになったことで、効率よく正確な電力量計測が可能になりました。
電力監視システムの基本的な機能は電力使用量を常時計測して監視することですが、それ以外にも、一定周期で電力使用量を監視し、目標値を超えると予想された場合にアラームを発生する機能や、重要度の低い電気機器から順に停止するなどの緊急措置を講じる機能など、単に電力を監視するだけでなく、監視内容をフィードバックして電力の使用状況を制御する機能を持つものがあります。
電力監視システムの使用用途
電力監視システムは、ビル、工場、受電発電設備、小規模店舗など様々な場所で、使用電力の監視と制御を行うために使用されています。
オフィスビルにおける電力監視システムは、フロアごとの電力監視を行うことで、効率の悪い電力使用箇所を抽出し、空調や照明に使用される電力を管理して省エネルギー化を実現します。
工場における電力監視システムは、生産ラインごとに電力監視を行い、設備の稼働状況と電力使用量の関係を一括監視することで、生産設備の効率向上につながる省エネルギー化を図るだけでなく、設備異常を監視する効果もあります。
電力監視システムの原理
電力監視システムの基本構成は、現場の電力使用量を計測する電力計、電力系と電力管理コンピュータをつなぐ有線または無線システム、電力監視ソフトウェアなどです。このような基本構成とIoTとを組合せて、電力使用量の遠隔監視システムへ拡張することも可能です。
電力監視システムには、30分間の使用電力の平均値(電力デマンド)を監視するとともに、現状の電力使用が続いた場合の電力予測も行い、使用電力が契約電力または目標電力を超えると予測された時にアラームを発生する機能を持つものがあります。これは、省エネ意識を向上させ、使用電力を抑えてコスト削減につながります。
また、電力監視結果の見える化によって、電力の使用状況が明確になり、電力削減対策が考案しやすくなるというメリットもあります。
電力監視システムは、もともと電気料金というコストを削減する目的で各所に導入されたものですが、使用電力削減が発電における二酸化炭素排出量を削減することにつながることから環境保護の目的が加わりました。そのため、事業活動の中でどれだけ二酸化炭素を排出しているかを電力量から換算する機能を持つ電力監視システムもあります。
参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/guide/technicalguide/501/290/index.html
https://www.watanabe-electric.co.jp/purpose/case/
https://power.mhi.com/jp/products/control-systems/diasys/electricity-monitoring