排水トラップ

排水トラップとは

排水トラップ

排水トラップとは、排水管や下水道から発生する悪臭や害虫などが屋内に進入するのを防ぐ部品です。

排水トラップにはS字型、P字型、U字型などの複数の形式があり、いずれも水封と呼ばれる水で配管内に栓をして、望ましくないガスや害虫の侵入を物理的に防ぎます。

構造の性質上ごみなどが溜まりやすいですが、簡単に取り外して清掃可能な設計です。

排水トラップの使用用途

排水トラップは事業用や家庭用を問わず排水が発生する水回りへの設置が義務付けられており、用途に応じた形状を使用可能です。

排水内にオイルや毛髪、土砂などの環境に有害で排水管の詰まりの原因になる物質が含まれている場合、排水からそれらを分離するための阻集器がトラップと一緒に設置されます。

ただし経路中に複数の排水トラップを用いるとトラップ間の空気が抜ける場所がなくなり、排水を阻害するため禁止されています。施工ミスで二重になるケースも多く、途中のトラップを除去してパイプで繋げて改善が必要です。

排水トラップの原理

排水トラップは水が常温で液体で気体分子を通しにくい性質を利用しており、ガスや害虫などの進入を防ぐ栓として機能します。しかし水封自体は排水により常に洗浄されるため、それ自身がガスなどの発生源になることを防ぎます。トラップに貯める水の量が少量の場合にはトラップとしての機能を果たさず外乱により機能を失う恐れがあり、多量の場合には洗浄が十分に行われない可能性があるため、深さは50mm~100mmが適切です。

最もよく排水口と排水管の間に繋がれるS字型の排水トラップにはステンレス、真鍮、樹脂製を使用可能です。排水管内のガスが直接排水口へ流れ込むのを防ぎ、メンテナンスの際には取り外せます。

トラップの水量が少なくなり機能を失った状態を破封と呼びます。破封の原因は長期間使用されない場合の水分の蒸発や排水口の上に水が貯まって排水管に大量の水が流れた場合のサイフォンの原理による吸出しなどです。

排水トラップの種類

排水トラップにはサイフォン型と非サイフォン型があり、7種類に分類できます。

1. Pトラップ

器や排水管をP字を右に倒した形状にカーブさせ、封水を貯めます。排水口から注いだ水が封水と合流し、封水の水位が上昇して器の上部横に直結した排水管に水が流れます。

2. Sトラップ

器や排水管をS字にカーブさせ、封水を貯める構造です。Pトラップと同様に排水口から注いだ水が封水と合流し、封水の水位が上昇します。ただし器の上部から下に繋がった排水管に水が流れます。

3. Uトラップ

排水管をU字にカーブさせ、封水を貯めます。排水口から注いだ水は横の排水管に入って封水と合流し、封水の水位が上昇して器の上部から横に直結する排水管に水が流れます。汚れて詰まりやすいです。

4. ワントラップ

排水口の器と直結する排水管に円筒を差し込み、上に椀状の部品が覆っています。器と円筒の間のドーナツ状の隙間に封水を貯めて、水が流れると椀の外側に流れて封水と合流し、封水の水位が上昇すると円筒に水が溢れて排水管に流れます。

5. 逆ワントラップ

椀に貯めた封水に排水口から円筒を入れた構造です。注いだ水は排水口から円筒に流れて封水と合流し、封水は水位が上昇して椀の縁から溢れて排水管に流れます。

6. ボトルトラップ

封水を貯めた器に円筒を挿した構造です。排水口から注がれた水は円筒を通過して封水と合流し、封水は水位が上昇して器の上部横に直結する排水管に水が流れます。

7. ドラムトラップ

封水を貯めた器の下に汚水を受け入れる管があり、上に汚水を下水に流す管が付いています。排水口から注いだ水は排水管を通過して封水と合流し、封水の水位が上昇して器の上部横に直結する排水管に水が流れます。

排水トラップの選び方

排水トラップを取り付ける際に寸法を測る必要があります。具体的には排水口パイプの内径と外径、排水口中心と壁の距離、排水口の深さなどです。

参考文献
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/pdf/kanko/kankou/haisuisetubiyoukou/chap03.pdf
https://www.cr-net.co.jp/topics/other/16/
https://www.qracian.net/common/1172/

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