油圧ホース

油圧ホースとは

油圧ホース

油圧ホースは、油圧動力の機器において、作動油の流路となるホースです。

油圧動力とは、油圧ポンプがエンジンやモーター等により得られた動力を変換し生み出される動力のことです。小型のポンプであっても大きな動力を生み出せることから主に建設機器等で使用されます。

一般家庭で使用される水道の圧力よりも高い圧力の流路となる為、水道用ホースとは異なり、高い圧力に耐えられるように設計されています。近年では、従来の鉄パイプや剛管などの油圧配管に代替して使用されるケースも増えています。

油圧ホースの使用用途

油圧機器には必要不可欠な製品であり、高圧環境下で使用できるフレキシブルな配管として、油圧ショベルやホイールローダーなどの建設機械、射出成型機やダイカストマシンなどの工場設備において用いられています。

油圧ホースと油圧配管とを比較した場合、油圧ホースの方が柔軟性、軽量にも優れているため自由度が高く、とりわけ小型重機などの狭い空間で配管が求められる場合に用いられることが多く、重要な役割を果たしています。

油圧ホースの原理

油圧ホースは、油圧動力の作動油流路となるホースのため、一般家庭で使用される水道用ホースと比較すると、肉厚なゴム製ホースが採用されています。油圧動力の流路として使用される油圧パイプは、油圧ポンプの回転による振動に起因して、ひび割れなどの疲労破壊が発生します。また、その際のメンテナンスが困難です。

それに対して、油圧ホースは油圧パイプと比べるとメンテナンスが容易です。近年では使用用途や種類により、高負荷に耐えられるホースも生産されるようになったため、油圧ホースが油圧パイプに代替して使用されるケースが増えています。

油圧ホースの選び方

油圧ホースを選択する上で、最低限確認する必要のある項目は以下の6点です。

  1. 使用流体の種類を確認する
  2. 使用流体の流量と流速から、油圧ホースの内径を選択する
  3. 最高使用圧力を確認する
  4. 使用流体の温度と雰囲気温度を確認する
  5. 油圧ホースの取付位置を確認した上で、最小曲げ半径を確認する
  6. 継手金具の種類を確認する

油圧ホースの選択を間違えると、油圧ホースの破損や機械の能力が発揮できない等のトラブルが発生します。過不足のない油圧ホース選定の為には、流体の知識や継手金具の知識、油圧機器の知識などの幅広い知見が必要です。

油圧ホースのその他情報

1. 継手金具について

油圧ホースには高圧負荷がかかるため、専用の継手金具を油圧機器との継手に使用することが一般的です。継手金具の役割は、油圧の高い圧力によってホースが抜けないようにすることです。

例えば、水圧を例に挙げると水道の蛇口にホースを繋いで水を出す場合、蛇口を全開にして高い水圧で水を出すと、ホースと蛇口における水の抜け力に対して、ホースの保持力が負けて、ホースが抜けてしまいます。これを防ぐには、蛇口とホースをバンドで締めたり、ワイヤーを巻いたりすることが必要です。

油圧の場合は水道の圧力よりも高圧になるため、継手金具のニップルとソケットを組み合わせて、構造的に強固にしています。継手金具のメリットは、着脱が容易な点、単体での結合が可能になることでシール等を必要としない点、締め付け具合で角度が自由に調整できるため配管を自在に行える点などが挙げられます。

2. 取り付けとメンテナンス

油圧ホースは柔軟性に優れるため、可動部に取り付ける場合も多いです。機械の周辺機器との接触による破損を十分考慮して設計する必要があります。内部を流れる作動油は高圧状態である為、破損した場合は作動油が高圧で噴出します。作業員に高圧の油が当たると大変危険なため、必要に応じて油圧ホースの保護を行います。

また、油圧ホースの材質は主にゴムとなっており、劣化による破損を防ぐため、一般的には2年に1回の交換が推奨されます。

参考文献
https://electrictoolboy.com/media/37454/
https://yuatsusyuuri.com/about-hose/

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