冷陰極管

冷陰極管とは

冷陰極管

冷陰極管は、蛍光灯の一種で、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)とも呼ばれます。

一般的な蛍光灯がフィラメントを加熱して熱電子を放出させるのに対して、冷陰極管は電極を加熱することなく電子を放出させます。そのため、冷陰極管は低温で動作し寿命が長いという特徴があります。

また、管内にフィラメントを内蔵する必要がないので、その分管を細くすることができます。蛍光灯の管径は15〜38mmですが、冷陰極管の管径は3〜5mm程度です。

冷陰極管は、一般的な50または60Hzの商用交流で使用することができず、高周波数の電源を供給する専用電源が必要です。

冷陰極管の使用用途

冷陰極管には30年以上の歴史があり、調光がしやすいことや省エネで寿命が長いことから、液晶ディスプレイのバックライト、広告看板、誘導灯、照明などに長年使用されてきました。

近年は、冷陰極管の持つメリットに対してLEDの方が優れていることから、冷陰極管からLEDへの移行が進んでいます。すでに、液晶ディスプレイのバックライトは完全にLEDに置き換わっており、冷陰極管の生産を中止するメーカーも増えています。

ただし、冷陰極管には、広範囲に光を拡散してムラのない均一な光を出力すること、自然光に近い眼に優しい白色光を実現できることなど、LEDにはないメリットもあり、病院、図書館、店舗の照明などに使われています。

冷陰極管の原理

冷陰極管は、細長いガラス管の中にアルゴンガスと水銀蒸気が封入され、ガラス管の内壁に蛍光体が塗布され、ガラス管両端に電極が設置されているという構造をしています。

冷陰極管の基本的な動作原理は一般的な蛍光灯と同様で、電極から放出された電子がガラス管内に充填されている水銀イオンと結合して紫外線を放射し、この紫外線放射によって管内壁の蛍光体が励起されて可視光を発します。

違いは電子の放出方法だけで、一般的な蛍光灯が、電子放出材料が塗布されたフィラメントに電流を流して熱電子を放出させるのに対して、冷陰極管は、アルゴンのイオン衝突による二次電子を放出させています。

冷陰極管の金属電極に高電圧をかけた時、管内の電子がプラス電極に引かれて電界内を移動してアルゴンと衝突します。この衝突で電離したアルゴン陽イオンがマイナス電極に衝突し、2次電子を放出するのです。

冷陰極管で2次電子を放出させるためには高電圧を印加する必要があるため、電源にはインバータ回路が使われます。

参考文献
https://electric-facilities.jp/denki3/ccfl.html
http://asahibiru.com/wp-content/uploads/2013/11/katarogu1.pdf
http://www.jspf.or.jp/Journal/PDF_JSPF/jspf2005_10/jspf2005_10-801.pdf

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