アジャスタパッド

アジャスタパッドとは

アジャスタパッドとは、架台の底などに取り付けられており、高さを調整できる器具です。

構造は円錐状で底は平面と接していて、頂点方向にはボルトが取り付けられています。ボルトを架台に取り付けられたフレーム部分に挿入し、そのボルトを締結する位置によって地面からの架台の高さを調整することが可能です。

ボルトを挿入するだけでは緩みが生じてしまうため、あらかじめボルトにナットを取り付けておき、ナットによってフレームとの間を締め付けて固定します。 

アジャスタパッドの使用用途

アジャスタパッドは、産業分野や学術分野で使用される架台に多く用いられています。フレームを組み合わせただけでは架台の高さを調整するのに手間がかかるため、架台の底にアジャスタパッドを取りつけることが一般的です。

架台以外に、工作機械などにアジャスタパッドが取り付けられている場合があります。フレームにアジャスタパッドを締結するための板を予め設計する必要があり、機械本体の重量や剛性を加味してボルトの大きさを選定します。

機械は基本的に水平に設置することが求められるため、地面が傾いている場合や凹凸がある場合でもアジャスタパッドを利用することで、ガタツキや傾きをなくすことが可能です。しかし、設置の際はフレームに負担をかけて歪めないよう作業を進める必要があります。

アジャスタパッドの原理

架台などの高さを変えるアジャスタパッドは、ボルトの締め具合によって高さを調整することができます。ボルトの先には円錐状のパーツが取り付けられ、底面が地面と接することで架台を支えています。

フレーム部にボルトが入るねじ穴を設け、アジャスタパッドのボルトを回転させて高さを調整するのが一般的ですが、ねじ穴を設けずに2つのナットで固定する方法もあります。ねじ穴を設ける仕様に比べ安価に利用できますが、作業性は低下してしまうのが欠点です。このような機器には、パッドとともにローラーを取り付けられる場合が多くあります。

機器を移動するときは、アジャストパッドの接着面を地面から離し持ち上げておき、ローラーを接地させます。それ以外のときは、アジャストパッドの接着面を地面につけることによって機械を固定します。

アジャスタパッドの種類

フレームにアジャスタパッドを締結するための板を予め設計する必要があり、機械本体の重量や剛性を加味してボルトの大きさを選定します。

1. 低荷重タイプ

アジャスタパッドに用いられるボルトは小さいものではM5程度と、地面に接する円錐状の部分も軽量な薄型の厚みの少ないことが多いです。薄い分、安定感を増すために接地面を大きくする場合もあります。

2. 重荷重タイプ

大きいものではボルトのサイズがM30であり、地面に接する円錐状の部分も厚みがあります。低荷重タイプに比べ、作りが頑丈です。

3. その他のタイプ

その他、アジャスタパッドと地面が擦れてキズがついてしまわないように、接地面にゴムを設けているタイプや防震や滑り止めの効果を持ち合わせているタイプもあります。

アジャスタパッドのその他情報

1. 作業上の注意

通常、アジャスタパッドは比較的強度の強いステンレスなどが用いられます。ただし、ステンレスの特性上、強い負荷がかかった状態でボルトを回すと、焼き付き (カジリ) と呼ばれる現象が生じることがあります。焼き付き (カジリ) とは、ボルトを締め付ける際に生じる摩擦熱により、ねじ山が溶着してしまうことです。

カジリを防ぐためには、あらかじめフッ素スプレーなどを吹き付けて、ねじ山の摩擦を抑制する対策が必要です。また、ボルトを締めただけでは、時間とともに高さが変動する恐れがあります。そこで、ボルトにナットを取り付けておき、ボルトをフレームに挿入した後に、ナットとフレームを締め付ける作業が必要です。 

2. ボルトの長さ

フレームを大きく地面から離したい場合に、アジャスタパッドで距離を設けてしまうと、ボルト部分の剛性が弱くなる恐れがあります。長いものではボルトが30cmほどのものもありますが、ボルト固定部を長くすることが求められます。

参考文献
https://kikaikumitate.com/post-833/
https://www.iwata-fa.jp/html/index-t17.html

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