マイクロモーター

マイクロモーターとは

マイクロモーター

マイクロモーターとは、非常に小型の電動モーターのことです。

出力が3ワット以下のモーターをマイクロモータと呼ぶことが多いです。サイズが非常に小さく、ミリメートル単位のモーターもあります。マイクロモーターは非常に小型なため、制約のある空間や微細なシステムに組み込むことができます。

これにより、小型デバイスやモジュールの設計が可能です。医療系精密機器をはじめ、最新技術の自動車各種部品といった高度な技術を要求される産業分野でも利用されます。

マイクロモーターは、ミクロエレクトロメカニカルシステム (MEMS) やナノテクノロジーの進歩により、さらに小型化や高性能化が進行中です。より複雑なタスクを達成するための微細な動力源として活用されています。

マイクロモーターの使用用途

マイクロモーターはさまざまな分野で使用される機器です。以下はマイクロモーターの使用用途一例です。

1. 医療機器

内視鏡や手術用ロボットなどの医療機器で使用されます。また、歯科治療用のハンドピースにもマイクロモーターが内蔵されています。ハンドピースに使用されるモーターの性能は回転速度がおよそ100~40,000回転/分程度です。

2. 電子デバイス

スマートフォン用の振動モーターなどに使用されることが多いです。また、フィットネスバンドやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイスに組み込まれます。通知やバイブレーションアラートなどの機能に使用されます。

これらの機器で使用されるマイクロモーターは、電池で駆動できるように直流モーターが使用されることが多いです。

3. 自動車

自動車の外部ミラーは、マイクロモーターによって自動的に格納・展開されることがあります。これにより、車両の幅を狭めたり、駐車時にミラーが傷つくのを防いだりすることが可能です。

また、自動車のシートの調整機能に使用されることもあります。運転席や助手席のシートの位置や角度を電動で調節することができます。

マイクロモーターの原理

マイクロモーターの原理は、一般的な直流モーターの原理と同様です。コイルと呼ばれる導線の巻き線を持ち、このコイルに電流を流すことで磁場が形成されます。 電流が流れるコイルの周りに磁場が形成されると、コイルと磁場の相互作用によって発生する力がローレンツ力です。この力によってコイルを回転させています。

コイルに流れる電流の方向と、その周りの磁場の方向、および発生する力の方向は直交します。この法則に基づいて、マイクロモーターの回転方向や力の向きを制御することが可能です。

マイクロモーターには、回転子と固定子と呼ばれる2つの主要な部分があります。回転子は電流を流すコイルが配置された部分であり、ステーターは固定された磁場を提供する部分です。回転子のコイルとステーターの磁場の相互作用によって、回転子が回転運動します。

マクロモーターの種類

マイクロモーターにはブラシレスモーターや永久磁石型DCモーターなどの種類が存在します。

1. ブラシレスモーター

電気的に接触するブラシを持たない直流モーターです。効率的で信頼性の高い動力源として知られています。一般的には3つ以上のコイルを持ち、これらのコイルに順序正確に電流を供給することで回転を実現します。

ブラシレスモーターは小型化や高効率が可能であり、長寿命でメンテナンスが少ない点が特徴です。また、インナーローター型とアウターローター型の2種類に分類されます。インナーローター型は制御性に優れており、アウターローター型は安定した回転を維持することに優れています。

2. 永久磁石型DCモーター

内部に永久磁石を持ち、ブラシを使用して回転するモーターです。ブラシはコイルに電流を供給する役割を果たします。比較的シンプルでコストが低く、制御が容易です。ブラシの摩耗やメンテナンスの必要性があるため、一部の応用分野ではブラシレスモーターが好まれます。

永久磁石を装着する方法の違いから、表面磁石型と埋込磁石型に分類されます。表面磁石型はローター外周に永久磁石を貼り付ける方式で、埋込磁石型はローターの内側に永久磁石を埋め込む方式です。

参考文献
https://jp.aspina-group.com/ja/learning-zone/columns/high-efficiency/005/
https://www.ally-japan.co.jp/motor.html

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