2次元CAD

2次元CADとは

2次元CAD

2次元CADとは、手書きの製図の代わりにパソコン上で図面を作図・修正・管理ができるソフトです。

CADは「Computer Aided Design」の頭文字であり、コンピュータ支援設計と訳します。2次元CADの登場により、過去に使用されていた手書きの製図と比べると図面を容易に作図・修正・受け渡し・管理することが可能になりました。

昨今では、パソコンの処理能力の向上に加えプリンターの低価格化により、物づくりに携わる業界では多くの会社が2次元CADを導入しています。そのため、2次元CADも機械用、建築用、土木用、電気配線用など様々な業界向けのソフトが開発され、業界向けの特殊な機能が付加されている2次元CADも多いです。

2次元CADの使用用途

2次元CADはかつて、手書きで作られていた図面をコンピュータで製図するためのツールとして使用されていました。手書きの図面は主に、投影法という製図のルールによって描かれています。第一角法や第三角法などと呼ばれる、製品を3方向からみた形状が並んだ図面です。

しかし、2000年代に入ると、3Dモデルを使って設計と製造業務の効率化が図られるようになりました。現在は3D図面という、3Dモデルと2D図面を合わせて全ての情報を網羅する取り組みが行われています。

ただし、自動車業界、建築業界、土木業界など各業界で3DAの取り組みが行われておりますが、普及には課題もあり、2D図面も多く使われているのが現状です。

2次元CADの原理

2次元CADは、パソコンの一般的なソフトと同様にキーボードとマウスで操作します。製図にはマウスでの指定以外に、x-y座標の数字を指定することも可能です。

直線だけでなく、指定した大きさの直径を持つ曲線なども簡単に作図できます。さらに、同じような形状の連続や寸法表示、部品表の作成、バルーン等、特殊な作業も2次元CADを使用すれば非常に効率的です。

現在では、各社多くの2次元CADソフトが開発されています。その中でも、知名度とシェアが大きいのがAutodesk社のAutoCADです。そのため、多くの2次元CADがAutoCADと互換性を保つ様にソフトが作成されています。

特に、ファイル形式は「dxf」という拡張子を使用することで、2次元CAD同士のデータのやり取りに互換性を持たせ、設計者間でのデータのやり取りを簡単に行える様にしています。

2次元CADのその他情報

1. 2次元CADと3次元CADの違い

2次元CADが登場したことによって、工業そして建築といった産業は急速に発展を遂げましたが、その後3次元CADが登場し、最近では多くの企業が3次元CADを導入しています。

両者の大きな違いは「視点」です。2次元CADは、平面図や正面図、側面図といった「三角法」と呼ばれる図法で描かれる場合がほとんどです。一方で、3次元CADの場合は、パソコンの画面上で3次元のビューポートから物を立体的に表現することが可能で、視点は画面上で自由に切り替えられます。

また、2次元CADと3次元CADでは作図の方法も異なります。3次元CADでは、2次元CADで描き起こしたものを押し出したり、そぎ落としたりしながら3Dのモデルを作成していく流れです。2次元CADの時は考え方を転換する必要があるので、最初は慣れるまでに時間がかかる場合もあります。

2. 2次元CADが無くならない理由

3次元CADを導入する企業が増加する一方で、今でも2次元CADを使用しているメーカーや加工業者は数多くあります。その理由はいくつかありますが、まず一つ挙げられるのは、「3次元CADの不完全性」です。

はめあい公差や幾何公差などの加工指示、材質、熱処理、塗装指示など、図面には非常に多くの情報が網羅されています。2次元CADではそれを図面に書き加えるだけで指示できますが、3次元CADですべての情報を盛り込むのは難しいのが現状です。冒頭にご紹介した3DAの取り組みも行われていますが、まだ途上段階と言えます。

また、そもそも3次元CADに対応できる設備が無いというケースも多くあります。導入にはパソコンや工作機械など高価な機器が必要です。また、ねじなどの比較的単純な形状の製品を製造するだけであれば3D図面のメリットが少ないという理由で、2D図面だけ受注している企業も多くあります。

参考文献
https://www.ijcad.jp/
https://www.cad100.jp/2dcad/
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad-lt/overview?plc=ACDLT&term=1-YEAR&support=ADVANCED&quantity=1
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1609/28/news028.html
https://www.cadjapan.com/special/autodesk-concierge/useful/article/190417-01/

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