3Dカメラ

3Dカメラとは

3Dカメラ

3Dカメラ (英: 3D camera) とは、立体的に3次元画像の撮影が可能なカメラのことです。

平面の情報だけでなく、奥行き方向の情報も得ることができます。3Dカメラは、自動運転車や自律走行するロボットなどの先端技術を支える目に使用されています。

3Dカメラの使用用途

3Dカメラは、3次元の物体認識が必要なさまざまな所で活用されています。

1. 自動運転車

自動運転車には安全走行のために、3Dカメラをはじめ多くのセンサが搭載されています。種類の異なる複数の3Dカメラを組み合わせて使用して、色々な状況に対応します。

2. ロボットの制御

自律走行するAGV (無人搬送車) や各種ロボットには、3Dカメラが搭載されています。

3. ロジスティクス

物流の現場では、3Dカメラを数多く設置し、荷物の寸法測定やピッキング、仕分け、検数などに活用しています。

4. 民生機器

スマートフォンにも3Dカメラが搭載され、立体的な映像を容易に撮影できます。また、見守りや防犯用に3Dカメラを活用した画像分析システムがあり、今後普及していくと考えられます。

3Dカメラの原理

3Dカメラは多くの撮影方式があり。それぞれ原理は異なります。

1. ステレオタイプ

ステレオタイプは、人間の目で見る原理と同じ方法を取っています。対象物を複数のカメラで撮影して、3角測量の方式で、奥行情報を取得します。即ち、2つのカメラの距離・レンズの焦点距離及び視差の3つから、対象物と焦点との距離を算出します。

ステレオタイプのメリットは、安定性です。人間の認識に近い空間把握能力があり、リアルタイムで距離測定を安定的に行うことができます。一方、ステレオカメラは、撮影前に校正が必要というデメリットがあります。校正は、カメラ位置を変えて既知のパターンを撮影することで行います。

また、歪み補正・平行化処理・画像の正規化などの処理を行う必要があり、PCの負担が大きい点もデメリットの一つです。ステレオタイプは、屋外での撮影も可能なため、自動運転用の車載カメラに使われます。

2. ToFタイプ

ToFタイプは、「Time of Flight」の略称で、飛行時間を意味します。照射した光が対象物で反射して、カメラに戻るまでの時間から奥行きを計算します。カメラと一体になった光源を使います。

ToFタイプに使用される光源は、パルス光又は連続光です。パルス光の場合は反射光が戻るまでの時間から距離を算出し、連続光では光源と反射光との位相差から距離を求めます。

ToFタイプの長所は、撮影距離の広さです。また、フレームレートが高く、暗所での撮影が可能なことや、低コストであることも長所です。この方式は、カメラのセンサーが太陽光にも反応するため、屋外での撮影が困難な短所があります。屋内でピッキングロボット用として、箱詰め作業や体積の測定などに使用されます。

3. 構造化照明タイプ

構造化照明タイプは、光源とカメラが別になっており、対象物で反射した光の歪みを3Dカメラが撮影することで、奥行方向の寸法を算出します。光源は、ライン状・格子状・ドット状などのパターンを持った照明であり、物体に当たると凹凸に沿ってパターン光が歪みます。

光源にレーザーを使用する方式があります。レーザードット方式と呼ばれ、レーザー光をドットのように対象物に照射し、各ドットをカメラで測定するものです。構造化照明タイプのメリットは、ステレオタイプやToFタイプに比べて、撮影が高精度であることであり、微細な工業部品などの精度が要求される撮影に採用されます。

一方で、デメリットはカメラの他に別途光源のプロジェクターが要ること、コンパクト性に欠けること、及び屋外使用に不適であることなどです。

3Dカメラのその他情報

1. 3Dカメラでの計測

3Dカメラを使用した計測は、今まで縁のなかった分野においても、様々な活用法が広がっています。この計測は、現場で測らない、撮影するだけ、画像解析で測りたいところを測る、メジャーの届かないところ・危険なところも簡単に計測、などの特徴があり、作業性と安全性が向上します。

現地で収集したデータを解析して、計測ソフトウェア上で2点間の距離、1点と直線の最短距離、1点と面の最短距離、面積計測、角度計測などができます。現場作業の時間短縮と計測忘れなどを防ぐことも可能です。文化財調査では、触れることなく詳細なデータを得ることができるため、貴重な文化財のデジタルアーカイブに用いられます。

2. 3DVRカメラ

3DVRカメラは撮影者の前方だけではなく、後方を含む360度の範囲を撮影できる全方位型のカメラです。全天球カメラと半球カメラがあります。

全天球カメラは、2つの超広角の魚眼レンズを使用したカメラで、2つの映像を撮影し、その映像を自動で縫い合わせる処理を行います。この技術により上下左右360度の撮影が可能になります。

半球カメラは、1つの超広角の魚眼レンズを使用して半球を撮影します。2つの半球カメラを組み合わせ使用することによって、撮影後に編集して上下左右360度の映像を作り出します。

参考文献
https://www.klv.co.jp/technology/what-is-3D-camera.html
https://www.creativevillage.ne.jp/54344

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