セーフティリミットスイッチ

セーフティリミットスイッチとは

セーフティリミットスイッチ

セーフティリミットスイッチとは、リミットスイッチのうち直接開路動作機構を有するものであり、機械の安全確保において信頼性が要求される場合に用いられるリミットスイッチです。

主に、生産設備のインターロック装置のセンサとして使用されています。通常のリミットスイッチとは異なり、スイッチ内の接点がショートや高電圧の印加により溶着した場合でもリミットスイッチとしての機能を失いません。

そのため、より安全なインターロック装置を実現することが可能となります。

セーフティリミットスイッチの使用用途

セーフティリミットスイッチは、主に高い信頼性が要求される機械のインターロック装置に使用されます。使用されるインターロック装置の代表例は、開閉可能な安全ガードや扉です。機構が閉じている場合には、スイッチが押下されることによって接点が開いた状態になり、これを制御システムで確認して動作部に運転許可命令を出します。

点検中など機構が開いている場合には、スイッチは押下されず接点は閉じた状態になるため、誤って運転操作を行っても動作部は運転を開始しないように設計されます。

セーフティリミットスイッチの原理

1. 直接回路動作機構

通常のリミットスイッチは物理的なスイッチの押下により、接点を閉じ接点を開く動作にはバネを用いているため、何らかの要因で接点が溶着した際にはスイッチが戻らず、危険状態をシステムに伝達することができなくなります。

これに対して、セーフティリミットスイッチはスイッチを押下することで接点を開く直接開路動作機構を採用しています。これにより、接点が溶着した場合でもスイッチを押下する力で溶着を解除することが可能です。

2. フェイルセーフ設計

万が一、溶着が強固で解除できない場合でも、インターロック装置が精度良く設計されていれば安全ガード・扉を完全に閉めることはできません。装置は危険状態と認識し、運転を開始しないようなフェイルセーフ設計とすることが可能です。

このような扉開閉やカムの回転といった外部操作体により、直接接点を開く動作はポジティブ動作と呼ばれています。スイッチ単独でインターロック装置として使用する場合には、この動作を採用したものを使用することが推奨されています。

セーフティリミットスイッチのその他情報

1. 接点溶着を防ぐ機構

直接回路動作機構とは、セーフティスイッチのNC (ノーマル・クローズ) 接点の溶着時にアクチュエータに働く力を利用して接点を引きはがすスイッチの機構のことです。直接回路動作機構では、NC接点しか利用できません。

接点にはNO (ノーマル・オープン) 接点と呼ばれるものもありますが、直接回路動作機構ではスイッチの接点近傍に矢印マークを使って表現されます。これに対し、セーフティリレーでは強制ガイド機構と呼ばれる手法を取っています。

これは、セーフティリレーの接点溶着時にNO接点とNC接点が同時にONとならないようにするリレーの機構です。一方の接点を監視することで、他方の接点が正常であるかどうかを診断できるのがメリットです。ただし、直接回路動作機構のように接点を引きはがすことはできません。

2. インターロック装置

インターロックとは、作業者・利用者の安全を守るための安全装置や安全機構の考え方です。ある一定の条件が整わないと、他の動作ができなくなる機構を指します。ロボットや設備、様々な機械が稼働している工場などで、作業者の安全確保のために適用されています。

作業者が無意識に設備に一部に接触するほど、接近した場合に設備が緊急停止する措置を講じることが重要です。また、点検作業では通常業務以上に設備に接近するため作業者の安全を一層確保したうえで、実施することが求められます。設備の誤動作が事故に直結するので、防止措置として確実に行う必要があるのがインターロックです。

参考文献
https://www.fa.omron.co.jp/products/family/1327/

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