マグネットスタンドとは
マグネットスタンドは、主に先端に取り付けるダイヤルゲージ等の測定機器を固定するために使用します。
形状は数種類あり、最もシンプルな2本の柱を固定部品でつないだ形状のものや、柱が蛇腹のように自由自在な位置で固定できるものや、先端に取り付けた測定機器を微調整できる調節機能付きのもの等があります。
新たに入手する場合は、すでに持っている測定機器や同時に入手するダイヤルゲージ等が先端に取り付けられるか確認が必要です。また、測定対象や取り付け位置によって、微調整機能があった方が良いかを検討して入手した方が賢明です。操作性が異なり、実作業における段取り時間が異なります。
マグネットスタンドの使用用途
初めに、比較的重量物の金属製部材(例えば定盤)にマグネットがオンオフ可能な土台を固定し、先端にダイヤルゲージ等を取り付けます。次に、固定したワーク等の被測定部分に測定機器の測定子(ダイヤルゲージであれば先端の測定子部)を接触させて、その状態でスタンドの柱を固定します。最後に、測定機器の測定範囲に入るような接触状態に微調整します(ダイヤルゲージであれば、ゲージの針が振り切ることなく測定子が離れない位置に調節する)。
特に1/1000mmのダイヤルゲージと同程度の分解能である測定機器を使用する場合、微調整機能がついていないと、最後の段取りに非常に時間がかかるケースがあるため、使用する測定機器と測定方法に見合ったスタンドを選ぶことが重要です。
被測定物が複雑な形状な場合や入り組んだ先を測定する場合は、柱が短い方が測定しやすいケースや、蛇腹のように自由自在に動くタイプでは先端を測定部に近接させることができないケースもあるため、どの形状が必要であるかは検討が必要です。
マグネットスタンドの原理
最も一般的なマグネットスタンドの部品構成は次の通りです
金属部材に固定する土台は、マグネットがオンオフ可能で、設置面はV字形状になっています。
土台の設置面と反対側に固定側の柱があり、ねじ付きの金具を介して可動側のもう一本の柱と組み立てられています。
可動側の柱の先端にはダイヤルゲージ取り付け部材が取り付けられています。
ダイヤルゲージ取り付け部材には、微調整機能が有る部品と無い部品があります。微調整機能が無い場合でも、ダイヤルゲージを取り付けた後に回転方向等の固定を調節するねじはが、いくつかついている場合が多いです。
各部品の種類は様々で、各メーカのカタログ等を確認し、必要なスペックを選ぶことができます。選定する機会が多いスペックは次の通りです。
- 土台の吸着力:内蔵される磁石のスペックにより数種類あります。
- 柱の形状:長いもの、短いもの、フレキシブルなもの、回転方向のみ可動するものがあります。
- 測定器取り付け部分:方向毎に可動ねじがついているもの、微調整機能がついているものがあります。
上記のスペックを選択することで、実作業の作業時間が変わります。
参考文献
https://www.shinwasokutei.co.jp/products/73752/
https://www.nikki-tr.co.jp/html/magnet_etc_NM.html