Dサブコネクタ

DサブコネクタとはDサブコネクタ

Dサブコネクタは、コンピュータと周辺機器とを接続するためのコネクタの規格の一つです。

Dサブコネクタは外部の電磁波の干渉を抑えるためのシールド部分がアルファベットのDの形状をしていることが名称の由来です。ピン (信号線の数) の数やサイズの異なるものが非常にバリエーションに富んでおり、20種類以上のラインナップがあります。これらの種類の名称はピンのサイズと数で表記されます。

Dサブコネクタの使用用途

Dサブコネクタは、非常に古い規格でかつては広く使われていた規格でした。現在ではその役目をUSBに取って代わられたものの、ディスプレイなどの映像出力ではまだまだ現役で使用されています。Dサブコネクタはピン数により使用用途が異なるため、種類別に解説します。

1. Dサブ9ピン

Dサブ9ピンコネクタは、主にRS-232CやRS422などのシリアル通信用に使われています。また、ゲーム機のATARI仕様でも採用され、NECのパソコンなどにより普及したコネクタです。他にも、SCSI-3規格のファイバチャネルでも採用されています。

2. Dサブ15ピン

Dサブ15ピンコネクタは、PC/AT互換機でモニタと接続するケーブルに採用されています。一般的にVGA (英: Video Graphics Array) 端子と呼ばれるものがDサブ15ピンです。15ピン以外のDサブコネクタは端子配列が2列に対して、5本のピンが3列に並んだ配列となっています。

現在ではHDMIやDVI、DisplayPortなどのデジタル接続が主流です。しかし、Dサブコネクタは汎用性が非常に高いため未だに使用されています。

3. Dサブ25ピン

Dサブ25ピンコネクタは、シリアル通信RS-232CのインターフェースやマッキントッシュのSCSI、PC/AT互換機のプリンター端子などに使用されています。RS-232Cの規格では25ピンのコネクタサイズが大きいという理由から、現在では9ピンが採用されることが多くなりました。ただし、機器によっては今でも25ピンが使用されています。

4. Dサブ37ピン

Dサブ37ピンの主な使用用途は、業務用デジタル音声信号伝送規格のAES/EBUやアイシーエムのSCSI機器です。他のDサブコネクタと比較すると、日本国内ではあまり普及していません。また、信号線が多く取れることから、FA機器の装置間での通信にも使用されることがあります。

Dサブコネクタの原理

Dサブコネクタは、コンタクトとハウジングという基本構造に、フード (シェル) とアイレットという部品で構成されています。コンタクトは、端子やターミナルとも呼ばれ、電気を導通させるための金属の部分を指します。ハウジングは、コンタクトが組み込まれる部分で、絶縁体でできています。

1. Dサブコネクタのフード

Dサブコネクタは、コンタクトとハウジングをフード (シェル) と呼ばれるケースに収納し、アイレットと呼ばれる留め具で固定しています。Dサブコネクタはプラグ側とソケット側 (それぞれオス・メス) がありますが、どちらもこれらの構造は共通しています。また、金属製のシェルは電磁派を遮蔽する機能も備えているため、電磁妨害 (EMI) 対策部品としても有用です。

2. Dサブコネクタのネジ

Dサブコネクタはアイレットをネジによって固定します。Dサブコネクタを固定するネジには下記のような種類があるので、プラグ側とソケット側で合わせなければなりません。

3. Dサブコネクタのピン数

Dサブコネクタは、用途によってコンタクトの数 (ピンの数) が異なります。最も有名なのは15ピンのDE-15で、日常で最も目にするものです。他にも産業機械などとの接続でよく使われているRS-232Cでは、9ピンまたは25ピンのDE-9やDB-25が採用されています。ただし、25ピンは大きいという理由からPCではほとんどの場合9ピンが採用されています。

Dサブコネクタでは、一本のコンタクトごとに信号の種類が振り分けられています。例えばVGA出力の際は、一番のコネクタが赤を、二番が緑、三番が青の映像出力というように各コンタクトで役割が決まっています。

参考文献
https://www.omron.co.jp/ecb/product-info/
https://pinouts.ru/Video/VGAVesaDdc_pinout.shtml

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