ケーブルタイとは
ケーブルタイとは配線ケーブル等を束ねて固定し、すっきりまとめるための道具です。
最近では100円ショップ等で「結束バンド」の名称で取り扱われることが増えています。
以前は電気工事関係等の現場で使用されることが多く、メジャーな商品名である
- インシュロック
- タイラップ
等の名称が一般名詞とされ、商品名で呼ばれていました。
そのため、ベテランの技術者等は今でもインシュロックと呼ぶことがあり、ケーブルタイ、結束バンド、インシュロック、タイラップは同じものを指しますので注意が必要です。
ケーブルタイの使用用途
ケーブルタイは、主に電気配線などのケーブル類を束ねて絡まりを防いで収納する、または配線の種類ごとに束ねて種類の混同を避けるために使用されます。
ケーブルが屋内と屋外で使用されることから、これを束ねるケーブルタイにも屋内用と屋外用があります。
屋外用のケーブルタイは、当然のことながら日差しや風雨にさらされるため、太陽光の紫外線耐性や風雨に対する防水性などの耐久性が必要です。
一方、屋内用のケーブルタイは屋外用程の耐久性を持ちません。このため、屋内用のケーブルタイを屋外におけるケーブルの結束に用いた場合は、劣化や破断の恐れがありますので、事前に屋外用か屋内用かの確認が必要です。
なお、ケーブルタイは、様々なものを簡単かつ比較的強く固定できるため、配線の固定に限らず色々なものの固定に応用されています。
ケーブルタイの原理
ケーブルタイの構造
ケーブルタイの一般的な構造は図1に示す通りで、ケーブルタイ本体の端部にケーブルが通せる貫通孔と通ったケーブルをロックするロック部材を有する結束部がある形状です。
図1. ケーブルタイの模式図
このとき、ケーブルタイ本体の片面には鋸歯状の凹凸である嵌合部が形成されており、貫通孔にケーブルタイ本体を通すと、嵌合部の凸部がロック部材に引っかかってロックされます。
ロック部材により固定されるので逆戻りができず緩むこともありません。図2に示すように固定するケーブルなどに合わせて締めこんだ後、余ったバンドをニッパーなどで切断します。
図2. 結束状態の模式図
1本のケーブルタイで輪を作って使用することが一般的ですが、複数のタイを連結して長くすることも可能です。
このような構造を有するため、基本的に緩めることはできず、固定を解く際はハサミなどで切断します。なお、ロック部分の爪がリリースでき、繰り返し使用できる製品もあります。
ケーブルタイの材質
ケーブルタイの一般的な材質はナイロン樹脂です。屋外用ケーブルタイには紫外線遮蔽材(主に黒色)が添加されたナイロン樹脂が使用されます。
ケーブルタイに耐熱性・耐薬品性が要求される場合にはポリプロピレンやフッ素樹脂が用いられます。またゴムや金属製のケーブルタイもあり、金属製のケーブルタイは太い配管の支持や機械部品の固定など、耐熱性と強度を要する場所で活躍します。
参考文献
https://www.sanwa.co.jp/product/cable/cableacc/cabletie_03.html
https://www.hellermanntyton.co.jp/product/cabletie/