リングジョイント

リングジョイントとは

リングジョイント (英: Ring joint) とは、リング状のガスケットを使用して配管同士を接続する継手です。

リング式継手とも呼ばれます。配管サイズが小さく、低圧用の銅管接続に使用されることが多いです。リングジョイントの特徴的な利点として、締結時にリングが管端と接触することで、密封性を確保できることが挙げられます。

リングが均等に圧力をかけ、密閉した接続を実現するため、流体や気体の漏れを最小限に抑えることが可能です。また、比較的簡単に取り付け・取り外しが可能であるため、メンテナンスや修理作業にも適しています。

ただし、リングジョイントは正しく取り付けることが重要です。継手の組み立て手順や締結トルクに関するメーカーの指示に従う必要があります。不適切な取り付けは、密封性や継手の強度に悪影響を及ぼす可能性があります。

リングジョイントの使用用途

リングジョイントはさまざまな用途で使用されます。以下はリングジョイントの使用用途一例です。

1. 圧縮空気

工業用の圧縮空気システムでは、リングジョイントが広く使用されます。圧縮空気は高圧で供給されるため、継手には耐圧性が求められます。高い圧力に耐え、確実な密封性を提供するため、圧縮空気の配管や接続に最適です。

圧縮空気は、計装品の駆動用や清掃用に使用されます。コンプレッサーなどによって製造された圧縮空気は、配管によって各所へ分配されることが多いです。

2. インフラ

リングジョイントは、インフラにも広く使用されます。水道や排水システム火災設備などの配管工事に用いることが多いです。簡単かつ迅速に取り付けられるため、効率的な施工が可能です。

3. 船舶

海洋環境や船舶においては、塩水や厳しい条件下での使用が求められます。船舶のパイプラインにリング式継手が使用され、海水漏れや腐食を最小限に抑えることが可能です。また、船舶の振動や動揺にも耐えるため、信頼性と耐久性が確保されます。

リングジョイントの原理

リングジョイントでは、2つのパイプ端の間にメタルリングが挿入されます。そして、リングが締結時に変形することで、パイプ間の接合を確立します。リングは締結装置によって圧力をかけられ、パイプ端との密着させることが可能です。

メタルリングの変形によって、パイプ間にメタル対メタルのシールが形成されます。このシールにより、高圧や高温の環境下でも漏れを最小限に抑えることができます。

リングジョイントでは、パイプ間の均等な圧力分散が重要です。リングが均等に圧縮されることで、接合部の強度と密封性が向上します。この圧力分散は、締結装置によって制御されます。

材質は主に黄銅製で、本体・ナット・メタルリングは快削黄銅棒、エルボ・ティー本体は鍛造用黄銅棒 が使用されることが多いです。また、ニッケルメッキを施し、耐食性を向上させたものもあります。

リングジョイントの種類

リングジョイントにはさまざまな種類が存在します。用途に応じて使い分ける必要があります。以下はリングジョイントの種類一例です。

1. 両口リングジョイント

両口リングジョイントはパイプの両端にメタルリングを挿入する製品です。リングは両端で変形し、パイプとの密着性を確保します。このタイプのリングジョイントは、一般的に配管システムで使用され、高い圧力および高温環境に対応します。

2. 片端ネジリングジョイント

片端ネジリングジョイントは、片端におねじが切ってある製品です。片端を設備配管などと接続することが可能です。ネジ側の口径はさまざまなラインナップがあり、接続先配管径に合わせて選定します。

3. エルボ型リングジョイント

エルボ型リングジョイントは、パイプの曲がり部分やエルボ部分に使用される特殊なリングジョイントです。このタイプのリングジョイントは、曲がり部分での圧力や熱の変動に対しても優れた密封性を提供します。

4. チーズ型リングジョイント

チーズ型リングジョイントは配管を3分岐させるリングジョイントです。流体供給先を分岐させたい場合などに使用します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です