溶接ブース

溶接ブースとは

溶接ブースとは、溶接を行う際に発生する有害な物質が飛散しないように周りを覆うものです。

溶接時には溶接ヒュームと呼ばれる金属酸化物の粒子が発生し、吸い込むと健康被害が発生します。2021年から溶接ヒュームによる健康被害防止策を行うことが法令で義務付けられ、施設の全体換気を原則とするものの、不可能な場合には区画を区切った局所換気も認められています。

溶接ブースはこの区画を区切る役割を果たすもので、フード式のものや、折りたためるシートブースなどが普及しています。通常、排気ダクト等を通せる穴が設けられ、プッシュプル型換気装置や局所排気装置を設置・引き込みし、空気の流れをコントロールして使用します。

ボルテックスチューブ

ボルテックスチューブとは

ボルテックスチューブとは、圧縮気体を高温・低温の2つの気流に分離することができる装置です。

−40℃〜−60℃程度の超低温空気を発生することができる小型のピンポイント型の冷却装置として、工業的に使用されています。冷媒を必要とせず、駆動部品が無いため取り扱いが容易です。溶液やオイル冷却方法に比較して後処理が簡単であり、フロンガスなどを必要としないことから環境にやさしい冷却方法であるとされます。

ただし、圧縮気体は別途用意する必要があるため、コンプレッサーなどが必要です。別名には、ボルテックス管、ランク・ヒルシュ管、ヒルシュ管などの名称があります。

ボルテックスチューブの使用用途

ボルテックスチューブは、主にボルテックスクーラーに使用されています。ボルテックスクーラーは、工業生産の現場などで冷却ツールとして使われている装置です。主な用途例には下記のようなものがあります。

  • 金属切削時の刃物冷却
  • 工具研磨における冷却 (チップ、ドリル、バイトなど)
  • 各種電子機器 (制御盤等) ・電子部品の冷却
  • ヒートシールの冷却
  • 電気制御機器の冷却
  • ハンダ箇所の冷却
  • ガスサンプルの冷却
  • ドリルやカッター加工における冷却
  • ミリング加工における冷却
  • 表面研磨における冷却
  • タイヤの研磨における冷却
  • プラスチック加工、ポリエチレンフィルム加工における冷却
  • 高温作業場で利用する冷房作業服
  • 製鉄工業などの熱作業における暑さ対策用品

また、ボルテックスチューブは、冷風だけでなく温風も取り出すことができるため、クーラーとしてだけでなく温める用途でも用いることが可能です。具体的な使用例として、歯科用ドライヤーが挙げられます。

ボルテックスチューブの原理

ボルテックスチューブは、気体の高速回転によって発生する、渦流、圧縮、膨張、圧力差を利用して低温風と高温風に分離する仕組みです。具体的な分離の仕組み・流れは次の通りです。

  1. スパイラル流の形成
    圧縮気体 (空気) をノズルからうず室内に噴射すると、気体は管壁に沿って高速で回転します。
  2. 圧力差の発生
    壁面に沿ったスパイラル流の形成によって、ボルテックスチューブの管壁付近は圧力が高くなり、中心部分は圧力が低くなります。
  3. 温度低下
    圧力差によって圧縮空気は中心へと移動します。移動とともに圧縮空気の膨張が起こり、温度が下がります。
  4. 空気の分離と流出
    管壁に沿って壁面との摩擦が生じるため気体の旋回速度が次第に減少し、高温気体は流量比調節弁の円錐外周より、うず室の外へと流出します。一方、低温気体は、接線ノズル近傍吸引されてうず室中心部に気流が生じ、抽出オリフィスからうず室外へ流出します。

得られる冷風温度、冷却熱量は、用いる圧縮空気の圧力、温度、風量や、ボルテックスチューブのバルブで調整する冷風量、高温風量の比率によって異なります。

ボルテックスチューブの構造

ボルテックスチューブは、可動部や冷媒を必要としない装置です。通常の構造は下記の構成から成ります。

  • うず室
    長い直円管状の構造
  • 接線ノズル
    上記うず室の一端の円周上に設けられている
  • 流量比調節弁
    円錐形で、接線ノズルと反対の端に取り付けられている
  • オリフィス
    うず室のノズル側端に取り付けており、低温気体抽出を目的とする

ボルテックスチューブの種類

ボルテックスチューブには、温度範囲、流量、冷却能力、出力温度、フロー容量、騒音レベルなどの点で様々な種類があります。ノズル付きとなっている製品はチューブだけのものよりも、取り扱いが容易です。

また、らせん状のフィンを管の中に内蔵させるなどして、より効果を高めた構造の製品も開発されています。用途に合わせて様々な種類の製品が開発・販売されているため、使用目的に合わせて適切なものを選択することが必要です。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmemag/73/615/73_KJ00003075798/_pdf
https://yamatoh-tk.co.jp/research-and-development/
https://www.text-hack.com/2021/10/term-voltexcooler.html
https://www.monotaro.com/k/store/%E3%83%9C%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%20%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%96/

超音波レベルトランスミッタ

超音波レベルトランスミッタとは

超音波レベルトランスミッタとは、超音波パルスを用いて容器内の物質量を測定する機械です。

容器の上部に設置し、超音波パルスを発信してから戻ってくるまでの時間を元に、容器内の充填の高さを測定します。

超音波を用いるレベルトランスミッタは、非接触で測定できるものの中では安価で、数cmから数mまでの幅広い測定が可能であり、水などの透明な物質でも測定できる点で優れています。一方、温度や湿度に左右されやすく、スラリーや泡が立っているもの、粉塵や蒸気がある場所では精度が落ちることもあります。また、真空では機能しません。任意の一点で測定することから、流体のレベル測定によく利用されます。

超音波レベルセンサ

超音波レベルセンサーとは

超音波レベルセンサー (英: Ultrasonic Level Sensor)とは、超音波を使用して対象物の液位や距離を測定するセンシングデバイスです。

超音波レベルセンサーは超音波を発生させて、それが対象物に反射して戻ってくる時間を測定することによって距離を計算します。これにより、対象物までの距離を高精度に測定することができます。あらかじめ液位や変位のレンジを設定しておくことで、距離をレベルに変換することが可能です超音波センサーは液体のレベルを非接触で測定できる点が特徴です。

したがって、腐食性の液体や酸・アルカリを有するタンクの液位測定に適しています。さらに、食品産業などの場合には測定対象の汚染リスクを最小限に抑えるのにも役立ちます。また、超音波センサーは一般的に高い精度で測定が可能です。ミリメートル単位の距離や液位を正確に測定することができます。

超音波レベルセンサーの使用用途

超音波レベルセンサーは高精度かつ非接触で測定できるため、さまざまな産業で使用されます。以下は超音波レベルセンサーの使用用途です。

1. 石油精製

石油精製プラントでは、超音波レベルセンサーがタンク内の原油や製品のレベル管理に使用されます。これにより、タンクの容量を最適に活用することが可能です。原油やガソリン燃料などのタンクレベルをリアルタイムで監視し、満杯になる前に製品の供給や排出を制御することで過剰流量や品質の低下を防ぎます。

2. 水処理

水処理施設では、超音波センサーが水や廃水のレベル管理に使用されます。これにより、用水供給や排水処理を効率的に管理することが可能です。水処理タンクや貯水池内の水位をモニタリングし、必要に応じてポンプやバルブを制御して液位を管理する仕組みです。

また、洪水防止のために河川の水位を監視する場合にも使用されます。必要に応じて警報を発するためにも超音波センサーが使用される場合も多いです。

3. 化学プラント

化学プラントでは、超音波センサーが液体や化学薬品のタンク内のレベルを測定し、プロセス制御に使用されます。超音波センサーであれば、腐食性のある液体や高温の環境でも信頼性が高いため、化学プラント内の液体のレベルを監視するために使用されます。化学プラントでは反応槽内の液体レベルの正確な測定が特に重要であり、超音波センサーはプロセスの安全性と効率性を高めるためにも有利です。

4. 食品加工

食品加工業界では超音波センサーが飲料やパウダーのタンク内のレベルを測定し、生産プロセスの制御に使用されます。食品加工業界では衛生要件が厳格です。超音波センサー非接触で液位を測定可能なため、食品製造の安全性を確保することができます。

超音波レベルセンサーの原理

超音波センサーは周波数40 kHz以上の超音波を発生させます。この超音波はセンサー内にある振動子によって生成されることが多いです。振動子は電気信号を超音波に変換する役割を有し、一般的にセンサーヘッドとして知られる部分に取り付けられています。

発生した超音波はセンサーから対象物に向かって送信されます。超音波は空気を通じて伝播しますが、対象物表面に当たると一部は反射されて戻ってくるため、この往復時間を計測することで液位を測定する仕組みです。距離は、次の公式を使用して計算されます。

 距離 = 速度 × 往復時間 / 2

ここで、速度は超音波が空気や液体中で伝播する速度であり、通常は音速です。音速は温度や圧力に依存するため、センサーが正確な距離を計算するためにはこれらのパラメータも考慮する必要があります。

超音波レベルセンサーの選び方

超音波レベルセンサーを選ぶ際には、いくつかの重要な要因を考慮する必要があります。以下は超音波レベルセンサーの選定要素です。

1. 測定距離

最も重要な要因の一つはセンサーが測定できる最大距離です。必要な測定最大距離に応じて製品を選定します。センサーの仕様シートは最大および最小測定距離が記載されているため、測定要件に合わせて購入することが重要です。

2. 防塵・防水性能

使用環境によってはセンサーが防塵性や防水性を有するかが重要です。工業環境や野外環境では、防塵性能や防水性能を持つセンサーが必要となります。IP(Ingress Protection)規格がセンサーの防塵および防水性能を示す指標として使用されます。

3. 出力形式

超音波レベルセンサーはさまざまな出力形式の製品が販売されています。を持つものがあります。一般的にはDC1-5VまたはDC4-20mAのアナログ伝送出力を有する製品が多いです。ただし、必要に応じてシリアル通信出力などが可能な製品も販売されています。

4. 測定精度

測定精度はセンサーの性能に直接影響を与える要因です。高い測定精度が必要な用途では、高精度のセンサーを選択する必要があります。センサーの精度はデータシートに記載されている誤差範囲で表されます。

スタティックロープ

スタティックロープとは

スタティックロープとは、編みロープのうち、伸び率が多くとも5%以下のものです。

スタティックロープは、常に荷重がかかる作業を行い、跳ね返りや伸びを防ぎたい場合に向いています。ロープレスキューや洞窟探検ではスタティックロープが利用されることがあります。一方、墜落時には衝撃を吸収しにくく、けがにつながりやすい短所があり、多くの販売者がクライミングには使用しないよう忠告しています。

最も使われるEN規格でのセミスタティックロープの伸び率の判定は、50kg荷重時と150kg荷重時との長さの差によって行われます。同規格には性能の高いタイプAと低いタイプBとがあり、タイプBは産業用途への利用が推奨されていないものです。

角パイプ

角パイプとは

角パイプとは、断面が正方形・長方形のパイプです。

主な素材にステンレス鋼、アルミニウムなどがあり、サイズや製造法で用途が異なります。サイズは小径、中経、大径と分けられ、小径は家具、中経は機械の構造等に用いられます。大径は主に建築用で、コラムとも呼ばれます。

小径・中経には一般構造用角形鋼管と呼ばれるものが多く、丸パイプを変形させたり鋼板を曲げる方法で製造されます。小径には冷延コイルを材料としたSTKMR等、中経にはホットコイルを材料としたSTKR等が多く使われます。大径にはコイルを引き伸ばし成形する冷間ロール成形角形鋼管(BCR)、コの字の鋼板を組み合わせ重なる部分を溶接するプレス成形角形鋼管(BCP)が多く、両製法ともに鉄骨建築物の柱に向きます。

ソーラーコネクター

ソーラーコネクターとは

ソーラーコネクターとは、太陽光発電用のコネクタです。

主に太陽電池モジュール同士を接続する際、距離を延長する用途で使用されます。ソーラーコネクターは屋外での利用を前提としているため、高い安全性や防水性・防塵性、対老朽化性が求められます。

現在使われているものにはMC3、MC4、PVなどいくつか種類があり、主流となっているのはMC4コネクターです。前世代のMC3と同様オス・メス2つのプラグを取り付けて使用する単接点コネクタですが、防水性やロック性能が上がっており、予期せず接続部が外れてしまう可能性がより低くなっています。MC4端子の内部にはケーブルを覆うように防水パッキンが入っており、水の侵入を防ぎます。

流出吸収剤靴下

流出吸収剤靴下とは

流出吸収剤靴下(流出吸収剤ソックス)とは、主に建物の漏水や浸水対策に使われる柔らかい棒状の吸収剤です。

流出吸収剤靴下はポリプロピレンなどでできた細長い棒状の袋に、セルロースやバーミキュライトなどの中身を詰めたものです。これらの素材は極めて吸水性・保水性が高く、セルロースはタオルの約4倍、バーミキュライトは自身の容積の25〜30%ほど吸水が可能と言われています。また吸収した水を絞り出すことで再利用が可能であり、多量の液体漏れに繰り返し対応することができます。素材によっては水以外に油や溶剤などの吸収にも使うことが可能です。

主な使用目的としては食品販売用の冷却ケースの水漏れ・結露対策、シャッターの隙間に詰めることによる雨水での浸水対策などがあります。

スキバー

スキバーとは

スキバー(スカイバー)とは革漉きに用いられる工具です。

レザー製品を作る際、材料となる革を製品の用途に合わせた必要な均一な薄さになるよう削り落として調節する工程のことを革漉き(かわすき)といいます。全体的な革漉きには専用の機械を用いることが多いですが、ヘリ・コバと呼ばれる細かい部分はスカイバーを用いて手作業で革漉きをする場合もあります。ヘリは革の端、コバは革の端の角を指します。

スカイバーには先端が細いノミのような形をした刀になっているもの、比較的幅広の刃のついたものなどがあり、革漉きをしたい部位の広さに応じたスカイバーを用い刃の部分で革を削ぎ落として処理します。

シングルポストリフト

シングルポストリフトとは

シングルポストリフト(一柱リフト)とは、車両整備用リフトのうち、柱式で柱が一本のもののことです。

車両整備の際、車体を持ち上げる用途に使われ、一柱のシングルポストリフトは主に小さく軽量なバイクなどの車両に利用されます。一般的に耐荷量は約2.5トンであり、二柱リフトやシザーリフト等と比べて小型であるため個人のガレージ等でも使用されます。

設置工事が必要な固定式と不要な移動式があり、動力は油圧式のものが多くなっています。リフトの動力には空圧式、油圧式、電気機械式がありますが、小型で安価なものも多い一柱においては、性能は空圧式に劣るもののメンテナンスが比較的楽・コストが低いなどの理由から200~400V程度の電源で稼働する電動油圧式が多く採用されます。