巻き取り機

巻き取り機とは

巻き取り機

巻き取り機とは、ビニルやチューブ、ホースなどの長い形状の資材を巻き取る装置です。

具体的な例として、ホームセンターなどで販売されている、ホースリールの巻き取り部分が挙げられます。長手資材を芯のようなものに巻き取ることで、資材の品質を損なわず、コンパクトに扱うことができます。

巻き取り機の使用用途

身近に使用されている散水用のホースを例にとると、長いホースを伸ばして散水などに使用した後、回収して片づけようとすると、時間も労力もかかります。さらには、きれいに回収していないと、ホースが絡み、次回の使用時にスムースに散水に取り掛かれなくなります。

そこでリールと呼ばれる、芯材にハンドルの付いたものを使用することにより、片付けの際にスムースに巻き取り、コンパクトな状態に納めることが可能です。また、次の作業時にホースが絡む心配もありません。

巻き取り機の特徴

長所

長手資材を、短時間でスムースに巻き取ることが可能です。特に資材に重量があり、長いものとなると、回収するだけでも時間と労力がかかります。巻き取り機の使用により、作業終了後の片づけが楽になります。

短所

手動の巻き取り機においては、リールの幅に対して平均的に巻いていかないと、片方に偏ってしまい、巻き取りづらくなったり、延ばしづらくなったりします。

リールの系が小さいと、長手資材によっては、巻き癖がついてしまい、使いづらくなります。リールが大きいものに対して巻くもののが大きいと、思ったより巻けなくなるので、サイズの確認が必要です。

巻き取り機の種類

巻き取り機は、材質、手動タイプか電動タイプ、取り扱い可能な長手資材など、メーカーによりさまざまです。巻き取り機の材質は、主にステンレス製・アルミ製・プラスティック製があります。ステンレス製は錆びにくく、丈夫で長持ちします。重量もあるので、安定して設置できるのが特徴です。

アルミ製は軽量で持ち運びが簡単です。プラスティック製は、ステンレスやアルミと比べて劣化しやすいですが、安価で使いやすいという利点があります。巻き取り機は、長手材質の種類、系や長さに対しても規格が決まっており、種類も多く存在するため、購入時に確認が必要です。

また、整列ガイドがついているものだと巻き取りが均一で、巻き直しの心配がありません。車輪がついているものは、持ち運びも簡単です。そのほか、軽トラックなどの作業車に取り付け可能なもの、巻き取った資材をリールのハンドルを外して、そのまま資材を抜き取ることが可能なもの、測長可能なものも存在します。しわを伸ばす装置が付いており、固く密に巻き取るタイプのものも存在します。

一般的には手動タイプのものが多いですが、電動タイプのものもあり、リモコン操作などで延ばし戻し可能です。ラチェットと呼ばれる反転防止装置が付いているものだと、巻き戻りがなく、スムーズに作業を進めることができます。

巻き取り機の選び方

基本的に、巻き取り機を選ぶ際には、長手資材の材質、サイズや長さを確認する必要があります。確認したうえで、それに適した巻き取り機を選びます。

農薬・液剤散布などに使用されるホースは、長さが50m以上あるので、頻繁に使用する場合は、アルミ製のものを選ぶと良いです。農作業の現場に女性が増えた現在、できるだけ持ち運びが軽量のものをおすすめします。壊れる心配も少なく、比較的長持ちする点も魅力です。

作業をしながら、延ばしたり戻したりすることを考えると、軽トラックに取り付け可能なものが望ましいです。また、より丈夫なものを選びたいのであれば、ステンレス製が適しています。予算があり、さらなる作業効率化を優先するのであれば、電動のものを選ぶと良いです。

巻き取り機の使い方

例として、長手資材がホースの使い方を説明します。まず、ホースの巻き始めの口径をリールのハンドルが付いていない方の差し込み口にしっかりと差し込みます。この口径は、動噴からのホースなどに連結する部分です。しっかりと差し込んだ後は、時計方向に、均一に巻いていきます。

基本的にどの巻き取り機においても、使用する場所は凹凸の無い平らな場所を選び、使用方法に基づいて設置する必要があります。資材を巻く際は張った状態にせず、ゆとりを持った状態でゆっくりとハンドルを回して、均一に巻き取るようにします。張った状態での巻き取りは、破損の原因にもなります。

巻き取り機のその他情報

巻き取り機の活用

解体後のビニールハウスに使われていたビニール、緑シートなどの幅の広いシート類、ホース、発電機などのケーブルの巻き取りなど多様なシーンに活用されています。収穫台車に取付けて巻き取ることもできるため、収穫後の農地の片付けも簡単に行えます。

保温チューブ

保温チューブとは

保温チューブ

保温チューブとは、育苗を行う際に、育苗箱の周りに設置することで、温度の低下を防げる製品です。

一般的に、防霜や結露防止のために使用されますが、さまざまな業界で重宝されています。

保温チューブの使用用途

保温チューブは、設置することでその周囲の温度を保ってくれる製品です。そのため、さまざまな業界で使用されています。農業資材としては、苗の生育に温度を保つことが必要になるため、育苗箱に設置されることがあります。

その他、高い保温性から水道管や埋設管の温度効果抑制や、防霜・防氷のために設置されています。

保温チューブの特徴

長所

保温チューブの長所として、管やホースを保温できることが挙げられます。水を流すホースや管は冷えてしまうと、結露してしまったり、氷点下になると凍ってしまったりして、水がでなくなることもあります。そこで、保温チューブを利用することで、それらの現象を防止することができます。

また、育苗の水の温度管理は、苗の生育にも影響する要因です。保温チューブを使うと水温が安定するため、育苗に最適な農業資材です。

短所

保温チューブの短所として、コストがかかることが上げられます。ただし、コストは保温チューブの素材にもよるため、使用用途と比較した上で、選ぶことが大切です。

また、素材という点で、湿気に弱い性質をもつ素材や、熱に弱い性質をもつ素材もあります。それらも含めて、購入を検討することをおすすめします。

保温チューブの種類

保温チューブは、さまざまな材質の製品があります。代表的なものは、以下の3つです。

1. ポリエチレンフォーム

ポリエチレンフォームは、細かいスポンジのような材質です。発泡プラスチック系のため、難燃性ではありますが、熱に弱い性質があります。一方で、湿気に弱い繊維系の材質ではなく、湿気に強いです。

2. グラスウール

グラスウールは、繊維系の保温材です。多くの素材の中では、コストが低い素材です。繊維系の素材ですが、ガラス繊維であり、燃えることはありません。

しかし、加熱すると収縮が起きるため、熱がかかる場所に使用することはできません。また、繊維系の素材は、湿気を吸収しやすいため、湿気の多い場所でも使用は避ける必要があります。

3. ポリスチレンフォーム

ポリスチレンフォームは、発泡プラスチックの1種です。冷凍食品等を輸送するときに使用する発泡スチロールと同じ素材であり、熱に弱いです。一方で、水を吸うことがないため、湿気に強く、冷凍食品を運ぶのにも最適です。

保温チューブの選び方

保温チューブは、使用用途によって選ぶ必要があります。

1. 育苗用

育苗用に保温チューブを使用する際は、湿気に強い素材が最適です。例えば、ポリスチレンフォームは、湿気に強く、育苗箱周辺に配置しても、水を吸収することはありません。また、保温効果も期待できます。

2. 建築物の断熱

建物の断熱材では、ロックウールの保温チューブが使用されることがあります。湿気に弱い素材ですが、湿気が少ない環境であれば、防火区画の材料として使用することが可能です。

鉄骨造の構造材などには、ロックウール吹付が利用されています。

3. 冷温水配管の結露防止

冷温水配管の結露には、ポリスチレンフォームがおすすめです。結露の可能性のある冷温水配管の周囲においては、湿気の強い素材が適しています。

そのため、ロックウールなどの素材よりも、ポリスチレンフォームの方がおすすめです。

保温チューブの使い方

保温チューブは、ホースや管に巻き付けることで、使用することが多いです。保温チューブを使用しないと、水が保温されず冷たいまま、ホースや管に流れてしまい、防霜や結露の発生にもつながります。

特に、育苗においては、温度の管理が重要であり、保温チューブを管に巻き付けることで、水の温度の管理ができるようになります。

アメリカンレーキ

アメリカンレーキとは

アメリカンレーキ

アメリカンレーキは、爪の部分が非常に強いレーキです。

レーキとは、棒状の柄の先端に爪がついている道具のことを指します。主に農地や庭で落ち葉やゴミを集めたり、地面を整地するために使われます。

アメリカンレーキの使用用途

アメリカンレーキは、他のレーキと同様、農地や庭を整地するのに使用されます。他のレーキに比べて、爪が非常に丈夫にできているため、土の塊を砕いたり、植物の根を抜いたりすることが可能です。そのほか、駐車場の砂利を整備する際にも重宝されています。

アメリカンレーキのなかには、爪に熱処理を加えたものも販売されています。熱処理された爪は、耐摩耗性が増し、爪がより強くなり、曲がりにくくなります。使用用途にあわせて、熱処理されたアメリカンレーキも選ぶことができます。

アメリカンレーキの特徴

アメリカンレーキは、他のレーキに比べて、爪が強く、先端が細くなっているのが特徴です。また、刃床と柄元との間に大きな空間があることも特徴として挙げられます。

刃床の幅が350~400mm程度、爪が12~14本、爪の長さが80~90mm程度のものが一般的です。

長所

爪が丈夫なので、硬めの土でも整地することができます。また、雑草の根を抜くのにも適しており、発芽初期の雑草であれば、アメリカンレーキで整地することによって土の中に雑草を埋没させることが可能です。

丈夫な爪を利用して土の中の石をかき出したり、土と肥料とをかき混ぜたりとさまざまな用途に対応できます。

短所

爪と爪との隙間が広めなので、小さな石ころや雑草は隙間からこぼれてしまいます。アメリカンレーキで整地した土には爪の跡が残ってしまうので、平らに整地するのには向いていません。

アメリカンレーキの種類

アメリカンレーキは、基本的に大きな違いはありませんが、材質や加工技術により以下のような違いがあります。種類によって特徴が異なるため、用途に応じて適切なものを選ぶことが重要です。

1. 木柄のアメリカンレーキ

柄の部分が木で出来ている、最も一般的で手になじみやすいタイプです。

2. アルミ柄のアメリカンレーキ

柄の部分がアルミでできています。軽くて使いやすいので、長時間の作業で使用するのに適しています。しかし、直射日光が強いところに置いておくと、柄の部分が熱くなってしまう可能性があります。

3. 熱処理されたアメリカンレーキ

爪の部分が熱処理されているアメリカンレーキは、靭性 (粘り強さ) や耐磨耗性に優れています。爪が曲がりにくく丈夫なため、他の種類よりも壊れにくいです。

4. R処理されたアメリカンレーキ

R処理とは、刃の先端に丸みをつけることです。雑草を集める際に、通常の爪よりも草が食い込みやすいため、集草作業に最も適しています。

5.リブ加工されたアメリカンレーキ

リブ加工とは、曲げ部にリブと呼ばれる凹みを作る技術です。これにより、曲げ部の強度が大幅に上がります。そのため、固めの土を耕すのに適しています。

アメリカンレーキの選び方

アメリカンレーキには、サイズや材質などに微妙な違いがあるため、用途に応じて選ぶことが大切です。力に自信が無い場合は、軽くて扱いやすいアルミ柄のアメリカンレーキがおすすめです。

また、刃床の幅が狭いアメリカンレーキは、刃床の幅が広いものよりも小さい力で使用できるため負担が少なくなります。熱処理されたものやリブ加工されたものは丈夫なので、硬めの土を耕す場合や土の塊を細かくする作業に向いています。また、R処理された爪は雑草や石を集める作業に適しています。

アメリカンレーキの使い方

アメリカンレーキが適している使い方として、以下が挙げられます。

  • 荒れた畑や硬めの土を耕す
  • 雑草の根の伐根
  • 土の塊を細かくする
  • 雑草や石ころを集める
  • 初期のネギの土寄せなど、軽く土をかける作業
  • 駐車場の砂利の整地

アメリカンレーキは幅広い用途に使用できるアイテムなので、1つ用意しておくと非常に便利です。

ラブシート

ラブシートとは

ラブシートとは、ユニチカ株式会社から販売されているポリエステル長繊維不織布です。ラブシートは、水稲の苗を育てる際の水稲育苗用被覆材として使用されています。

ラブシートを水稲の上から掛けることで、太陽の強い光から、発芽直後の弱い苗を守ることができます。また、ラブシートには、保温効果もあるので、寒冷地での水稲栽培にも使用されます。

ラブシートを水稲栽培に使用することのメリットとして、まず、発芽時期がほぼ同時になり、苗の発育段階が揃うという点が挙げられます。さらに、ラブシートは、適切に遮光をすることができるため、苗の白化現象を防ぐことができます。

ラブシートの使用用途

ラブシートは、水稲の苗を育てる際に、水稲にとって、より適切な環境を作るために使用されます。

ラブシートは、その機能によって、様々な使い方ができます。以下に代表的なラブシートの使い方を説明します。

まずは、ラブシートの保温効果を利用した使用方法です。ラブシートを水稲の苗にベタ掛けをします。ラブシートは、保温効果があるため、水稲を低温から保護します。さらに、ビニールハウスで水稲の苗を育てる場合に、ラブシートを使って、トンネルを作ります。このトンネルも保温効果に優れています。

続いて、ラブシートの遮光効果を利用した使用方法です。ラブシートを緑化期の苗にベタ平張りします。ラブシートが強い日光を適度に妨げるため、苗は、均一に緑化します。

穴あきマルチ

穴あきマルチとは穴あきマルチ

穴あきマルチとは、作物の種まきや苗を定植する土壌の畝上を覆う農業用マルチシートの1種です。

穴あきマルチの名前の通り、マルチシートに決まった間隔や大きさで穴があらかじめ空けられています。広い面積で同一作物を栽培する農家や畑の除草作業を頻繁にできないという家庭菜園の方に使用される場合が多いです。

マルチ資材は、プラスチックフィルムやウッドチップ、ワラなどさまざまな素材がありますが、穴あきマルチは主にプラスチックフィルムでできています。マルチシートの長さが長い (50m以上など) 場合は、筒に巻いた状態で種苗店やホームセンターなどで販売されてます。

穴あきマルチの使用用途

1. 雑草対策

作物の近くに雑草が生えていると、土壌の養分を吸収されたり、雑草が害虫のすみかになったり悪影響が出てしまいます。穴あきマルチを使用すると、穴以外の箇所では雑草の発芽や成長を抑制し、雑草対策が可能です。

雑草対策ができる理由は、マルチシートに植物の発芽や成長に必要な日光を遮る効果があるためです。特に黒色のマルチシートでは日光を遮る効果が高く、雑草対策に向いています。

2. 乾燥抑制

穴あきマルチを使用すると、マルチシート下の土壌を保湿する効果があります。土壌を保湿することで作物の生育に必要な水分を確保できるため、穴の部分に撒いた種の発芽率を高めたり、成長がよくなったりします。

土壌の保湿は、マルチシートに乾燥した風や強い光が直接土壌にあたるのを防ぐ効果があるためです。

3.病害虫の予防

穴あきマルチには病害虫の予防効果があります。土壌には病気を発病させる可能性がある菌が潜んでいることが多いです。

その菌が雨によりはね上がり、作物にかかることで、病気が発生する場合があります。穴あきマルチを使用すると、雨による泥はねを防げるため、作物を守る効果が発揮されます。

また、マルチシートで反射する太陽の光を嫌って、害虫が近寄って来なくなることも多いです。シルバー色のマルチシートでは、より光を反射しやすいため、より高い害虫予防の効果が期待できます。

4. 地温管理

穴あきマルチは地中温度を調節可能で、植え付け期間の幅を広げることができます。まだ気温があまり高くない春先に、マルチシートで地中温度を温め、少し早めに栽培を開始することができます。

保温性のある黒色マルチシートを使用するとより効果が高いです。また、夏場の高い気温において、マルチシートで熱を吸収し作物が育ちやすい地中温度まで下げ、栽培できるようにする働きもあります。夏場の吸熱には、熱を吸収しやすい白色マルチがよく使用されます。

5. 土の流亡の防止

穴あきマルチには、畑の土の流亡を防止する効果があります。雨や強風により土が流されたり、飛ばされたりすると畑の土が減少したり、畑の肥料分まで一緒に流されてしまったりします。

土の流亡の防止は、マルチシートが雨や強風が土に直接当たるのを防いでいるためです。

穴あきマルチの特徴

長所

  • あらかじめ穴が空いているので、植え付け作業が簡単。
  • 雑草対策や乾燥抑制により水やりの回数が減るため、作業の省力化につながる。
  • 地中温度を調整することにより、促進栽培や抑制栽培など栽培期間を広げることが可能。
  • 病気や害虫の予防になる。

短所

  • 多くの場合、穴なしマルチより価格が高く設定されている。
  • 株間や穴の大きさが一本で同じなので、異なる作物では使いにくいことがある。
  • マルチシートで覆うため、土下の様子が見えにくい。
  • マルチシートをした状態での土寄せ作業などがやりにくい場合がある。

穴あきマルチその他情報

穴あきマルチ規格の見方

穴あきマルチの包装紙に9515や3330、3715などの4桁の数字が書かれている場合があります。この数字は穴あきマルチの穴の間隔や穴列数などの規格を表しています。

4桁の数字、左端の数でマルチシートの幅を表しています。数字は主に9と3です。9の場合、マルチシートの幅が95センチです。3の場合、マルチシートの幅が135センチを表しています。

4桁の数字、左から2番目の数でマルチシートの穴列数を表しています。3の場合、マルチシートの幅の中に3列の穴があります。5の場合、マルチシートの幅の中に5列の穴があることを表しています。

4桁の数字、左から3番目と右端の2つの数でマルチシートの穴と穴の間隔を表しています。15の場合、マルチシートの穴と穴の間隔は15センチです。30の場合、マルチシートの穴と穴の間隔は30センチあり、30センチごとに穴が空いていることを表しています。

9515の例
4桁の数字が9515の場合、マルチシートの幅95センチ内に5列の穴が15センチ間隔で空いている穴あきマルチという意味になります。穴あきマルチでは、栽培したい作物に適した規格のものを使用することが望ましいです。

そのため、穴あきマルチの幅や穴の間隔を確認してから購入することが重要です。

あぜ板

あぜ板とは

あぜ板とは、木材やポリエチレンなどの合成繊維で作られた厚手の波状の板です。1つ当たりはハンドリング可能なサイズですが、複数を結合することで広範囲に設置することが可能です。

結合様式は、凸凹溝の端同士を上からスライドして差し込むだけですので、女性や高年齢の方でも簡単にできます。基本的には、土壌に差し込んで利用しますが、農作業や自然現象による土圧の変化で抜ける心配はありません。トラクターの刃や草刈機の刃が当たっても、傷がつきにくく長期間使用可能です。

あぜ板の使用用途

あぜ板の使用方法として、一般的には水田とあぜ道との間を決める、仕切りとして使用されています。特に、流路ができて農地の水が外にでてしまったり、逆に小川の水が農地に入り込むのを防ぐために、あぜ板を用いて堰き止める場合があります。また、厚みがあり頑丈なため、土留めなどにも多く用いられています。

田の形状は全て違いますが、あぜ板は様々な地形にもフィットすることができるため、中山間地で段々畑状の地形に用いられています。

ECメーター

ECメーターとは

ecメーター

ECメーターとは、農業の分野において土壌の塩類濃度、土壌や溶液中に溶け出ている肥料成分のイオン量 (特にチッソ分) を知るための機器です。

肥料を与える前時点での基準のEC値は、作物により多少の誤差はありますが、0.20mS/cm〜0.50mS/cm程と言われています。ECは電気伝導率 (Electrical Conductivity) のことで、電気の流れやすさを表す物性量です。精製水と液状肥料では、液状肥料にリン酸やカルシウムなど電気を通す物質が含まれているので電気が流れやすい (EC値が高い) と言えます。

また、EC値はS/M (ジーメンス毎メートル) の単位を用いて表します。土壌・培養液中には植物残渣や微生物などの有機物と鉱物や塩類などの無機物が含まれます。無機物は溶液中で電離して、陽イオンと陰イオンに分かれます。

土壌・培養液中にイオンが存在するとそこに電気が流れ、ECメーターによる測定が可能です。肥料濃度が高いと土壌・培養液中のイオン量も多く、電気伝導率が高くなります。ECメーターはこの原理を利用して、肥料濃度を測定します。

ECメーターの使用用途

ECメーターは、主に畑の土壌診断や水耕栽培の培養液作りに使用されます。 農作物に肥料を与える前の肥料残存量が分かっていれば、肥料を適量与えることができます。

肥料残存量が多い場合は、ソルゴーやひまわりなどの緑肥を使用して土壌から肥料分を減らし、与えすぎを予防することも可能です。反対に肥料残存量が少ない場合は、足りない量に応じて適量与えられるため、ECメーターは土壌診断に用いられています。

また、土壌の塩類濃度が高すぎると、植物根の水分吸収を阻害する可能性があり、低すぎると必要な成分が不足し生理障害を起こす可能性があります。ECメーターを活用し土壌診断することで、作物の生育障害を防ぎ、適量の肥料を適切なタイミングで与えることが可能です。

1. 露地栽培

キャベツやブロッコリー、ほうれん草などの露地野菜栽培では、元肥量や追肥の時期、量を決めるため、土壌診断をする際にECメーターを活用しています。

2. 水耕栽培

水耕栽培で野菜を栽培するときにはECメーターが欠かせません。土壌の代わりとなる液体肥料の濃度や循環させる水に含まれる養分濃度などを測定し、濃度を決めるためにECメーターを活用しています。

3. ハウス栽培

イチゴなどハウスで高設栽培 (地上から1m程の高さに栽培ベッドをおいて、そのベッドの上で栽培する方法) では、培養液の濃度管理にECメーターを活用しています。イチゴの培養液管理は着果数など影響がでるため、ECメーターを頼りに管理されている農家さんも多いです。

ECメーターの特徴

長所

土壌診断を好きなタイミングで行うと、栽培の効率化に測定値をみて栽培方法を変更できるため、栽培のマニュアル化することができます (専門の知識がなくても栽培管理ができる) 。また、適量の肥料管理ができるので肥料の無駄の削減にもつながります。

短所

ECメーターや測定に必要な精製水、校正液 (必要でないものもある) 購入のコストがかかります。ハウス栽培や水耕栽培で培養液濃度を常時測定している場合、ハウスや循環システムごとにECメーターが必要になるため、よりコストがかかります。

ECメーターの種類

ECメーターは種類により、使い方も異なります。大きく土壌に直接差し込むダイレクト型と測定したい検体の上澄みを摘出し測定する上澄み測定型に分類できます。

1. ダイレクト型

ダイレクト型のECメーターは土壌に先端を直接刺し、その後上部に測定値が表示されます。使用方法が簡単ですぐに測定可能です。測定の時に差し込む付近の土壌が少し湿っているとより正確な測定値が出ます。より手間をかけず、早く測定したい方に向いています。

2. 上澄み測定型

上澄み測定型は測定したい土壌を容器に取り、そこに水を加えます。容器の蓋をしっかりとして1分程振って中身を混ぜ合わせ、10分程おいておきます。そして、できた上澄み液をECメーターで測定します。ダイレクト型のECメーターよりは時間はかかりますが、正確な測定値が出せるのが特徴です。

スコッパー

スコッパーとは

スコッパーとは、剣先のスコップ部分が、自由に角度を変えられるスコップです。スコップ部分を90度にすることで、鍬の様な形状になるため、1つで両方の機能を発揮することができます。

グリップのT字型レバーを操作するだけで手軽に角度を調節することができます。また、4段階の角度を設定できるため、1丁で「掘る」「すくう」「集める」「起こす」といった多様性を発揮し、幅広い用途に適用できます。可動部分の角度調整ホールは目詰まりしない工夫がされています。T字型角度調節レバーは、グリップと絶妙な位置にあり、手を傷めません。またレバーは指先だけで可動可能。簡単に角度調節ができます。

スコッパーの使用用途

スコッパーの使用方法は、土木作業、農作業、ガーデニングなど多岐に渡っています。頭部角度を変えられるので、スコップと鍬の両方の作業が可能です。具体的には、スコップとして土の掘り起こし、すくい上げ、かき集め、埋め戻し作業に最適です。また、鍬として、田畑の土耕が容易です。積雪のある季節、地域においては、スコップと雪かきの兼用で使えます。

直線的なスコップ形状と90度の鍬形状の中間の角度にも設定することができ、穴や溝掘りなどの繊細な作業にも柔軟に対応できます。

ドーシャ

ドーシャとは

ドーシャとは、正式名称をドーシャスフロアブルと言い、塩素系化学物質を主成分とする農薬です。べと、疫病を中心に、広範囲の病害に高い予防効果を示します。

ドーシャは、卵菌類以外の各種病害にも十分な効果が得られるように配合されています。更に、標的外の生物には影響がないため、人間や動物に対して安全性が高いことが特徴です。

ドーシャの薬効成分は、残効性、耐雨性に優れ、屋外での栽培でも安定した効果が期待できます。カビなどが胞子を作ることを阻害し、病原菌が付着していない葉への病害進展を防ぐため、一度使用すると長期間の効果を享受できます。

ドーシャの使用用途

ドーシャは、農薬として幅広い農作物の生育の維持に利用されます。対象となる病害は、カビや細菌などの病原菌由来です。例えば、黒星病を患う、もも、ネクタリン、きゅうりなどや、べと病を患う、ぶどう、メロン、ねぎ、たまねぎなどです。その他、うどんこ病, 褐斑病, 炭疽病やカビに由来する病気も予防することができます。

持続性が高いため、一度散布することで、長期間の効果が期待できます。野菜や果物の生育に合わせて柔軟に利用できる基幹防除の役割を担います。

ベジフル

ベジフルとは

ベジフルとは野菜と果樹のための園芸用品で、大きく肥料と農薬に分かれます。肥料は固体肥料と液体肥料があり、使用時期によって使い分けます。いずれも窒素、リン、カリウム、マグネシウムなどの基本的な栄養素を含んでいます。

固体肥料はタネ植えの時期に、液体肥料は追肥に用います。農薬は主成分をクロチアニジンとして、野菜や果物の害虫の駆除や衰弱に用いられています。スプレータイプの容器で、購入してすぐに使用可能です。また、年中通して使用可能です。

ベジフルの使用用途

ベジフルは、肥料としては夏野菜を中心に利用されています。例えば、トマト、ナス、キュウリなどの野菜や、ブドウ、桃、イチジク、パッションフルーツなどの果物にも幅広く利用されます。

農薬としては、対象となる害虫は幅広く、アブラムシ、青虫、テントウムシダマシなどの駆除に利用されています。主な作物としては、だいこん、キャベツなどの野菜、うめ、かき、かんきつなどの果樹が該当します。ベジフルは、肥料、農薬共に併用することができます。