空袋ラベラーとは
空袋ラベラーとは、中身が入る前の袋にラベルを貼り付ける機器です。
工場や倉庫などで用いられる自動ラベリング装置の一種であり、袋の正しい位置にバーコードや製品情報などを印刷したラベルを貼り付けます。袋が空の状態でラベル付けを行うことで、中身が重くなる前に必要な情報を記載し、後工程の作業効率を高められる点が特徴です。また、袋の材質や形状に合わせてラベルの位置や貼り付け方法を調整できる製品も多く、多様な製品包装に対応しやすいことも利点です。
空袋ラベラーには袋を自動で搬送しながらラベルを貼り付ける高速度なモデルから、1枚ずつ手動で袋をセットするシンプルなモデルまで幅広い種類があります。ラベル情報の誤りや貼り位置のズレを低減する仕組みを備えているため、安定した包装品質を確保できます。袋に傷や汚れがない状態でラベルを貼り付けられるため、視認性を確保しやすく、バーコードリーダーを用いた読み取りミスの防止にも貢献します。
空袋ラベラーの使用用途
前述の特徴から、食品や医薬品、化学製品など、衛生管理や商品管理が重要な分野でも利用されることが多い装置です。以下はその一例です。
1. 食品
食品分野においては、穀類や粉末調味料などの袋詰め前にラベルを付与し、内容物の種類や賞味期限を明確化する目的で活用されることが多いです。衛生状態が厳格に求められる現場でも、袋が空の段階でラベルを貼り付けることにより汚染リスクを低減でき、商品情報の誤表記も防げます。ステッカータイプのラベルを使う場合、袋の材質に合わせて粘着剤を調整することで剥がれやすいトラブルを防止し、消費者へ適切な情報を届けることに貢献できます。
2. 医療・化学
医薬品や化学製品の現場では、空袋ラベラーで成分情報や取扱い上の注意点を明示する活用例も一般的です。安全データシートの要点を短縮表示したラベルを袋の表面に添付することで、流通時や保管時におけるリスク管理を向上させる役割も期待できます。医薬品の場合、有効成分や用量または副作用などの重要情報を示す必要がありますが、空袋ラベラーを導入することで正確な記載を効率的に実施できます。
3. 物流
物流分野でも、空袋の段階で出荷先や製品番号をラベリングする場合があります。出荷前に外装箱を開封して袋の内容を再確認する手間を省くため、袋に行き先を示すラベルを貼り付けておくとスムーズな仕分け作業が可能です。そうした対応により、倉庫内での誤配送防止や在庫管理の精度向上にも寄与し、生産から流通までの一連のプロセスを円滑にすることが可能です。