食品用脱水機とは
食品用脱水機とは、遠心力や圧力などを利用して食品に含まれる水分を除去する機械です。
食品加工において、水切りは品質を左右する重要な工程です。食品用脱水機は、水切り作業を自動化し、均一な品質を保ちながら大量処理を可能にするために開発されました。水分を除去することで、食感や風味の向上、保存性の向上 (腐敗や変質の防止) 品質の均一化、生産性の向上に寄与します。
主な方式として、高速回転による遠心力を利用して水分を飛ばす遠心分離式や、圧力をかけて水分を絞り出す圧搾式などがあります。処理する食品や脱水レベルに応じて使い分けます。例えば、葉物野菜のように形を崩さずに水切りをしたい場合には遠心分離式が有効です。餃子の具材のように徹底的に水分を取り除きたい場合には圧搾式が適しています。ステンレスなどの錆びにくく洗浄しやすい材質で作られるのが一般的です。
食品用脱水機の使用用途
食品用脱水機は以下のような用途で使用されます。
1. 食品工場
食品工場では、製品の品質統一と生産性の向上が最優先されます。カット野菜工場では、洗浄後の野菜や果物を脱水することで菌の繁殖を抑え、品質を安定させます。また惣菜や漬物の製造でも、脱水によって味のムラを防ぎ、製品の保存期間を延ばすことができます。揚げ菓子やスナックでは、脱水機や脱油機を使って余分な油や水分を除去し、サクサクとした食感を保ちます。飲料・果汁・調味料製造においては、果汁やシロップ、調味液などの製造では、異物や沈殿物を取り除き、滑らかで透明感のある液体を得るために脱水機が使われます。
2. 公共施設
学校や病院などの給食センターでは、安全衛生管理が極めて重要です。大量の野菜を洗浄した後、脱水機でしっかりと水気を切り、菌の増殖リスクを低減します。また調理面では、和え物やサラダが水っぽくなるのを防ぎ、子どもや患者にとって食べやすい品質を保つ役割を果たします。さらに調理くずなどの食品廃棄物を脱水することで廃棄物を大幅に削減できます。
3. レストラン
レストランの厨房では、料理の仕上がりの質を高めるために脱水機が活用されます。サラダに使用するレタスやハーブの水気を完全に取り除くことで、シャキシャキとした食感を際立たせます。天ぷらの衣を作る際に使う具材の水分を切れば、揚げ上がりがサクッと軽やかになります。