防爆バリア

防爆バリアとは

防爆バリアとは、爆発の危険がある場所へ送る電気を制限して着火を防ぐ安全装置です。

工場や化学プラントでは、可燃性のガスや粉塵が空気中に混在する危険な場所が存在します。このような環境下で一般的な電気機器を使用すると、電気回路の小さな火花が点火源となり、爆発事故を引き起こすリスクがあります。防爆バリアは、危険な場所に設置された計器へ送る電気を、点火を引き起こさない低いレベルに制限する装置です。

主な種類として、ツェナーダイオードを用いて電圧を制限するツェナーバリアと、トランスやフォトカプラを用いて電気的に絶縁する絶縁バリアが存在します。どちらのタイプも、過大なエネルギーが危険な場所に流入するのを物理的に阻止します。作業員の命と工場の設備を守るために不可欠な機能を付与する重要な部品です。

防爆バリアの使用用途

防爆バリアは以下のような用途で使用します。

1. センサー・計測機器

石油化学工場やガスプラントでは、重要な機器の圧力や温度などを常に監視する必要があります。これらのデータを測定する圧力発信器や温度センサーは、可燃性ガスが滞留する危険な場所に設置するケースが多くあります。防爆バリアで微弱な電気信号のみを通過させることで、計測機器側の配線がショートしても火花が着火源とならないように抑制できます。

2. バルブ・ポジショナ

石油化学プラントなどでは、液体の流れを制御するバルブが極めて重要です。ただし、これらの場所ではバルブの開度を精密に調整する電空ポジショナや、流路の開閉を行う電磁弁なども危険な場所で作動させる必要があります。これらの機器への操作信号に対して防爆バリアを経由することで、高い電圧や電流が危険な場所に流れ込む事態を防ぎます。

3. スイッチ・警報

タンクの水位を検知するレベルスイッチや、緊急時に設備を停止させるリミットスイッチなども防爆バリアの接続対象です。スイッチ類は内部で電気回路の接触や解離を伴うため、火花が発生しやすい性質を有します。防爆バリアを回路に組み込むことで、発生する電気エネルギーを火花が起きないレベルにまで低減できます。

鉄骨シェルター

鉄骨シェルターとは

鉄骨シェルターとは、地震の倒壊から命や重要物を保護する鋼鉄製の空間です。

鉄骨シェルターは家屋全体を補強する耐震改修工事とは異なり、家の中に潰れない部屋を作り出します。主に鉄骨造の強靭なフレームで構成され、万が一建物が倒壊してもシェルター内部の重要物や人命を保護します。既存の部屋の床や壁を取り払うことなく設置できる製品が多く、建屋を使用しながら工事が可能である点が特徴です。建て替えや大規模な改修が難しい場合に、現実的な選択肢として採用されます。

鉄骨シェルターには断熱性や遮音性を高めるオプションや、内装を洋室や和室の雰囲気に合わせる仕様が存在します。単なる防災設備としてだけでなく、生活・執務空間としての快適性を維持しながら災害時の避難場所へと改造が可能です。

鉄骨シェルターの使用用途

鉄骨シェルターは以下のような用途で使用します。

1. 住宅

旧耐震基準で建てられた木造住宅における現実的な地震対策として活用されます。家屋全体の耐震改修や建て替えには多額の費用と長い工期を要するため、予算の都合で工事を断念するケースが少なくありません。鉄骨シェルターであれば、住みながら比較的短期間で施工できます。特に就寝中の安全を確保する寝室や、家族が集まるリビングをピンポイントで守るために導入が進んでいます。

2. 介護・福祉

自力での迅速な避難が困難な高齢者や要介護者の安全を確保する目的で導入されます。グループホームや小規模な介護施設などでは、夜間のスタッフ数が限られている場合が多く見られます。地震発生時に全員を屋外へ誘導することが物理的に困難な状況が想定されます。居室や共有スペースにあらかじめ強固な空間を設置しておくことで、施設自体が損傷しても入居者の安全を確保できます。

3. 企業

企業活動の現場では、従業員の安全確保や重要資産の保護に使用します。古い工場や倉庫の詰め所または守衛室などに設置し、夜間勤務者の緊急避難場所として活用します。また人命保護だけでなく、企業の心臓部とも言えるサーバーや、顧客情報などの重要書類を保管する書庫として鉄骨シェルターを利用する事例も見られます。

インモールド転写箔

インモールド転写箔とは

インモールド転写箔とは、プラスチック製品の射出成形工程と同時に加飾を行うための特殊なフィルムです。

プラスチック製品の製造工程において、金型内部にこの転写箔を挟み込んで溶けた樹脂を射出することで成形品の表面に絵柄を写します。一般的にプラスチック部品への着色や模様付けは、成形後に塗装や印刷といった別工程が必要です。インモールド転写箔を用いると成形と同時に装飾が完了します。これにより、製造プロセスの短縮やコスト削減が可能です。

インモールド転写箔による装飾は、複雑な立体形状であっても継ぎ目のない美しい仕上がりを実現できます。また一般的な印刷よりも耐摩耗性や耐薬品性に優れた表面保護機能を付与できます。塗装では表現が難しい繊細な装飾も再現できるため、意匠性を重視する工業製品で不可欠な材料です。

インモールド転写箔の使用用途

インモールド転写箔は以下のような用途で使用します。

1. 自動車部品

自動車産業では高い耐久性が必須となるため、多くの部品でインモールド転写技術が活用されます。特にバンパーやエンブレムといった外装部品での採用が顕著です。本物の金属を使用せずに金属特有の光沢感を再現できるため、衝突防止センサーなどの電波を阻害することなく高級感を演出できます。

2. 家電製品

炊飯器や洗濯機といった家電製品の操作パネルや外装筐体も主要な用途の一つです。生活家電は日常的に人の手が触れるため、美観の維持と共に表面強度が重要です。インモールド転写箔であればハードコート機能を付与できるため、爪による引っかき傷や洗剤による表面劣化を防止できます。またユニットバスの壁面パネルやトイレのリモコンなど、防水性や防塵性が必要な部品にも有用です。

3. 情報通信機器

ノートパソコンやスマートフォンの筐体などでも広く採用されます。携帯して持ち運ぶ端末は軽量化と薄型化が常に求められますが、一般的な塗装工程では、塗膜の厚みが設計上の課題になる場合があります。転写箔であれば薄い層で装飾ができるため、製品のサイズ感や重量に影響を与えずに自由な色彩表現が可能です。

スリーブはんだ付け装置

スリーブはんだ付け装置とは

スリーブはんだ付け装置とは、スリーブを使用してはんだを接合する装置です。

一般的なはんだ付け作業では、高温のコテ先がはんだに触れて接合します。ただし、はんだ内部のフラックスが急激に沸騰し、周囲に飛散してしまう現象が発生する場合があります。フラックスが周囲に飛び散ると、電子回路のショートや接点不良の原因となります。

スリーブはんだ付け装置は、円筒状のスリーブではんだを加熱する仕組みです。筒の中は密閉状態となるため、通常のはんだ付けで問題となるフラックスの飛散が起こりません。またコテ先が円筒形であるため、周囲の部品との接触を避けながらピンポイントではんだ付けができます。これにより、従来の手法では難しかった狭小スペースや、汚れを極端に嫌う精密部品への高品質な接合が可能です。

スリーブはんだ付け装置の使用用途

スリーブはんだ付け装置は以下のような用途で使用します。

1. 電子機器

近年のスマートフォンや小型ウェアラブル機器の基板は、部品同士の間隔が髪の毛ほどの隙間しかない場合も珍しくありません。通常のコテでは、隣接する部品に触れて熱損傷を与えたり、意図しない箇所にはんだが付着したりするリスクがあります。スリーブはんだ付け装置は、周囲の部品に干渉することなく狙った一点だけを接合できます。

2. 光学装置・センサー

車載カメラのレンズ周辺や医療用センサーなど、わずかな汚れも許されない製品の製造にも有用です。これらの製品では、はんだに含まれるフラックスが飛散するとレンズやセンサー表面に付着し、製品の性能を著しく低下させる原因となります。スリーブはんだ付け装置によってフラックスの飛散を防止できるため良品率を向上できます。

3. 産業機器

パワーデバイスなどの産業機器では、分厚い多層基板が用いられることが多くあります。これらの機器は熱が逃げやすい設計となっているため、はんだ付けの際は確実に加熱する必要があります。スリーブはんだ付け装置は、円筒の先端面全体で接合部を強く押さえて熱を伝えるため、これらの基板にも効率よく温度を伝達できます。

Vパッキン

Vパッキンとは

Vパッキンとは、断面がV字形状をしたパッキンです。

油圧シリンダーなどの往復運動を繰り返す機械に使用します。複数枚を重ねて使用するケースが多くみられます。中央に芯となる部品を置き、その両側にV字リングを何枚か積み重ね、最後に押さえ金具で締め付ける仕組みです。締め付ける力を調整することでシール性能を変更できる点が特徴です。摩耗して密封性が落ちた場合でも、リングの追加や増し締めで性能を回復できます。

使用される材質は、ニトリルゴムやフッ素ゴムが主流です。高い圧力に耐える必要がある場合では、綿布やナイロン布をゴムに積層した布入りゴムを採用した製品も使用します。耐薬品性が必要な環境ではテフロン樹脂製のVパッキンが使用されるケースが多く、流体の種類や温度に合わせた最適な材質を選定します。

Vパッキンの使用用途

Vパッキンは以下のような用途で使用します。

1. 加工機械

金属加工などで使用する大型プレス機械の油圧シリンダーにおいて採用されます。プレス機械は高い圧力を発生させて金属を変形させるため、シリンダー内部にも高い油圧がかかります。このような過酷な環境下では単体のパッキンでは圧力に耐え切れず、油漏れや破損を起こすリスクが高まります。Vパッキンは複数のリングを重ねて使用することで耐圧性を向上できるため、プレス機械のような装置でも安定したシール性能を維持できます。

2. 建設機械

ショベルカーなど建設機械の油圧シリンダーにもVパッキンは広く利用されます。建設現場では土砂やホコリが舞い散る中で機械が動作するため、シリンダーの摺動面に微細な異物が付着します。Vパッキンは丈夫な構造をしており、多少の異物混入でもシール性を保ちます。機械の停止が工期の遅れに直結するため、信頼性の高いVパッキンが不可欠です。

3. 化学プラント・発電所

プラントや発電所の大型バルブのシール材としてもVパッキンを活用します。これらの施設では、水や油だけでなく、高温の蒸気や腐食性ガスも配管内を流れます。バルブの開閉操作を行うステム部分にテフロン製のVパッキンを採用することで、高温環境でも確実に流体を封じ込めます。

3Dモデル生成AIシステム

3Dモデル生成AIシステムとは

3Dモデル生成AIシステムとは、テキストによる指示や画像データを基に立体のデジタルモデルを構築するシステムです。

従来、3DCGを作成するには、専門知識を持つクリエイターが専用のソフトウェアを駆使して組み上げる必要がありました。時間と高度な技術を要する作業でしたが、AIの進化によってそのプロセスが劇的に変化しています。本システムは膨大な数の3Dデータを学習し、入力された情報から最適な形状を推論して立体データを出力します。

本システムを利用すると複雑な操作を習得しなくても、言葉や写真を入力するだけで高精度な3Dモデルを入手できます。表面の色や質感も自動で生成できる製品も存在します。クリエイターの作業負担を軽減するだけでなく、直感的に立体物を創造できる点がメリットです。

3Dモデル生成AIシステムの使用用途

3Dモデル生成AIシステムは以下のような用途で使用します。

1. ゲーム・仮想空間

ゲーム開発やメタバースなどの仮想空間構築において、背景となる建物や小物といった3Dデータは必要不可欠です。本システムを導入することでこれらを自動生成することができ、主要なキャラクターデザインなどの核心的なタスクに集中できます。木や室内の家具といった数が必要なオブジェクトの生成をAIに任せることで、制作期間の大幅な短縮とコスト削減が可能です。

2. 製造業

製造業の製品開発現場では、アイデアを素早く視覚化するための試作品作りにおいて重宝されます。企画段階のイメージをテキストやラフスケッチで入力し、3Dモデルとして出力することでチーム内でのデザイン検討や認識合わせが円滑に進みます。生成された3Dデータはそのまま3Dプリンターで出力可能な場合が多く、物理的な形状として現物を確認できます。

3. 建築

建築やインテリアデザインの分野では、クライアントへのプレゼンテーション資料作成に役立ちます。平面図だけでは伝わりにくい空間の広がりや照明の効果を3Dモデルを用いてリアルに表現できます。顧客の要望に応じて壁紙の色や家具の配置をその場で変更し、視覚的なフィードバックを即座に提示できる点も利点です。

マイクロバブルノズル

マイクロバブルノズルとは

マイクロバブルノズルとは、水と気体を混合させてμm単位の極小の気泡を発生させる装置です。

一般的な気泡は水面に向かって急速に浮上し、表面で破裂して消滅します。一方でマイクロバブルノズルによって生成された気泡は直径が小さいため、水中での浮上速度が遅い点が特徴です。洗浄に使用すれば、複雑な形状の部品や微細な隙間に入り込んで汚れを掻き出します。また水中生物などのために水に空気を含ませたい場合にも有用です。

マイクロバブルノズルの内部構造には、旋回流方式や加圧溶解方式など、いくつかの発生原理が存在します。多くの製品では、水流の圧力を利用してキャビテーションを起こしたり、空気を取り込んでせん断したりすることで、効率的に微細な気泡を作り出します。

マイクロバブルノズルの使用用途

マイクロバブルノズルは以下のような用途で使用します。

1. 製造業

製造業の現場では、機械部品や電子基板の洗浄工程でマイクロバブルノズルを使用します。金属加工時に付着した切削油や微細なバリなどを除去する際、マイクロバブルノズルを用いることで有機溶剤や化学薬品の使用量を削減できます。複雑な形状をした配管内部のクリーニングにも適しており、メンテナンスコストの低減が可能です。

2. 農林水産業

養殖業においては、酸素を豊富に含んだ水を供給することで魚介類の酸欠を防ぎ、育成速度を早めます。カキやホタテなどの洗浄工程でも、身を傷つけずに汚れや付着生物を落とすために利用します。水耕栽培においては、培養液にマイクロバブルを含ませることで、植物の根張りを良くして収穫量を増加させる取り組みが行われています。

3. 美容・医療介護

シャワーヘッドや浴槽用の給湯機器にも活用します。マイクロバブルを含んだお湯は肌あたりが柔らかく、毛穴の奥の皮脂汚れや古い角質を吸着して除去します。また入浴時に使用することで、微細な気泡が弾ける際のエネルギーが温熱効果をもたらし、湯冷めしにくくなります。介護施設や病院では、こすり洗いをしなくても汚れが落ちるため、皮膚が弱い患者への配慮にもなります。

鉄管探知機

監修:フジテコム株式会社

鉄管探知機とは

探知イメージ

鉄管探知機とは、地中に埋められた金属管の位置や深さを地上から非破壊で特定できる機器です。

水道管やガス管などの重要な金属管を、地面を掘り起こすことなく見つけます。地中の情報を事前に把握できるため、掘削作業を安全かつ効率的に進める一助となります。不必要な掘り直しによる工期の遅延や、それに伴うコストの増加を防ぎます。

もしも鉄管探知機を用いずに工事を進めた場合、地下の管路状況を正確に把握しないまま作業することになり、重大な危険を伴います。埋設管の位置や深度が不明瞭な状態で掘削作業を行うと、誤って水道管を破損させて漏水を引き起こしたり、大規模な事故や停電を招いたりするリスクが高まります。鉄管探知機は、これらの埋設管の損傷リスクを回避し、安全と効率を両立させるために必須のツールです。

基本原理と探査の様子

鉄管探知機の使用用途

鉄管探知機は以下のような用途で使用します。

1. インフラ事業

水道局やガス会社といったインフラ事業者は、自社が保有する設備を適切に維持管理するために探知機を使用します。老朽化した管の更新工事や、突発的な漏水などが発生した際の修繕工事において正確に管路の埋設位置及び深度を特定するために不可欠な機器です。また正確な配管ルートを把握し、管理台帳や埋設図面を最新の状態に整備することで、将来的な保全計画の立案にも役立てます。

2. 建設・土木工事業

下水道工事や道路舗装などで地面を掘削する建設会社は、作業中の事故を未然に防ぐために機器を活用します。工事現場の地中には、工事対象外の他企業が管理する重要なライフラインが埋まっていることも多くあります。誤って破損させると、近隣住民に影響が出る重大な事故になります。着工前の安全確認として探知機で埋設管の位置をマーキングし、事故の防止と作業員の安全確保を図ります。

3. 調査・測量会社

地中の埋設状況を専門的に調べる測量業者は、精度の高い地下地図を作成するために利用します。自治体や開発業者からの依頼を受け、図面が残っていない古い管路や位置情報が不明確な埋設物を特定する業務で活躍します。探知機で得たデータを基に、都市の再開発や防災対策の基礎資料となる正確な埋設物の図面を作成します。

本記事は鉄管探知機を製造・販売するフジテコム株式会社様に監修を頂きました。

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耐熱ガラス

耐熱ガラスとは

耐熱ガラスとは、急激な温度変化や高い温度に耐える性質を持つ特殊なガラスです。

一般的なガラスは、急な温度変化によって熱膨張や熱収縮を起こし、その際に生じるひずみが原因で割れてしまうことがあります。耐熱ガラスは、熱による影響を極力受けないように熱膨張率を低く抑えている点が特徴です。例えば、オーブン調理や直火での加熱、あるいは熱湯を注ぐといった状況でも、ひび割れや破損を起こしにくい優れた特性を発揮します。

耐熱ガラスの代表的な種類はホウケイ酸ガラスです。ガラスの主成分である二酸化ケイ素にホウ素の酸化物を多く加えることで熱膨張率を小さくします。これにより高い耐熱性と耐食性を持ち合わせており、実験器具や調理器具などの幅広い分野で活躍します。

耐熱ガラスの使用用途

耐熱ガラスは以下のような用途で使用します。

1. 産業・科学

高い耐熱性と耐薬品性を持つ耐熱ガラスは、精密な実験や製造プロセスを支える上で欠かせません。具体的には、化学実験で使用されるビーカーやフラスコ、試験管などの理化学用ガラス器具として活躍します。また医薬品や半導体などの製造工程で使用される精密機器の一部にも使用されています。

2. 建築

建築分野では、防火性能や高い安全性が求められる箇所に耐熱ガラスを使用します。代表的な例としては、火災時に炎や熱の侵入を防ぐ防火窓です。一般的な窓ガラスとは異なり、高温にさらされても容易に割れたり溶けたりしないため、避難経路の確保や延焼の防止に貢献します。さらに暖炉や薪ストーブの扉に使用されるガラスにも活用される場合があります。

3. 家庭用品

耐熱ガラスは、主に加熱調理や飲食に関わる器具で使用されます。オーブンや電子レンジで使用する調理皿やグラタン皿、直火にかけられるコーヒーサーバーやティーポットなどがその代表例です。また透明度が高く、中身の確認が容易である点も調理器具として活用しやすい理由です。耐食性にも優れており、酸やアルカリといった食品の成分による影響も受けにくい特徴を有します。

型板ガラス

型板ガラスとは

型板ガラスとは、ガラスの片面または両面に凹凸の型模様をつけた板ガラスです。

不透明なガラスであるため、外部からの視線を遮りプライバシーを守る役割を果たします。溶かしたガラスを2本のロールの間を通し、そのうちの一方のロールに彫られた模様をガラスに転写することで製造します。表面に様々なデザインの模様をつけることが可能であり、採光性を保ちながらも目隠し効果を発揮します。

型板ガラスの特徴は、目隠し効果と光の取り入れやすさを両立している点です。ガラスの凹凸が光を拡散させるため、ガラス越しに景色や人影がはっきりと見えることはありません。しかし、太陽の光や室内の明かりはしっかりと取り込めます。この特性から、プライバシーが重視される場所や、柔らかな光を取り入れたい場所に有用です。

型板ガラスの使用用途

型板ガラスは以下のような用途で使用します。

1. 住宅・建物

型板ガラスは玄関のドアやベランダに面した掃き出し窓など、外部と接する開口部に使用されます。特に人通りが多い道路に面した窓や、隣家との距離が近い場所の窓に採用します。これにより、外からの視線を遮り、居住空間のプライバシーを確保します。その上で光を十分に通すため、室内に自然な明るさを取り込みます。

2. 間仕切り・建具

室内のドアの採光部分や、部屋を区切る間仕切りとしても活用されます。リビングとダイニングの間や、廊下と部屋の間に型板ガラスをはめ込むことで、視線は適度に遮りながらも空間全体に光を行き渡らせます。また和室の障子の代わりに型板ガラスを使用することで、和の雰囲気を保ちつつメンテナンスの手間も削減できます。

3. 家具・装飾品

美しい模様と独特の質感から、家具や装飾品にも利用します。具体的には、食器棚や飾り棚の扉に型板ガラスを使用することで、中の物を完全に隠さずにぼかして見せる効果が得られます。これにより、収納物が雑然としていても外観はすっきりと見えます。デザイン性の高い型板ガラスはインテリアのアクセントとなり、空間に個性を加えます。