接着剤塗布機とは
接着剤塗布機とは、接着剤を自動で正確かつ均一に塗る産業用装置です。
手作業による接着剤の塗布は、作業者によって塗布量や位置にばらつきが生じやすいという課題があります。接着剤塗布機を使用することで、設定された量の接着剤を常に同じ位置へ、精密に塗布することが可能です。これにより、製品の品質を安定させ、生産性を大幅に向上させることができます。
塗布方式にはいくつかの種類が存在し、塗布する対象物の面積や接着剤の性質によって最適な方式を選択する必要があります。代表的な方式には、ノズルから接着剤を点や線で吐出するディスペンサー方式があります。他にも、ローラーを用いて広い面に均一塗布するロールコーター方式、接着剤を霧状にして吹き付けるスプレー方式などがあります。
接着剤塗布機の使用用途
接着剤塗布機は以下のような用途で使用されます。
1. 電子・電気機器
スマートフォンなどの電子機器の製造において、接着剤塗布機は不可欠な存在です。例えば、電子基板上の半導体チップの補強や封止などに使用されます。これらの部品は非常に小さく、精密な位置決めが求められるため、μm単位での高精度な塗布が可能なディスペンサー方式の塗布機が活躍します。正確な量の接着剤を塗布することで、製品の小型薄型化に寄与します。
2. 自動車
自動車の製造工程においても、接着剤塗布機が活用されます。かつては溶接が主流だったボディパネルの接合に構造用接着剤を用いることで、車体の軽量化や剛性の向上に貢献します。また、ヘッドライトのレンズとハウジングの接着や、内装部品の組み立てにも使われる場合があります。自動車部品は安全性や耐久性が重要視されるため、塗布量などを厳密に管理できる接着剤塗布機が重宝されます。
3. 製本・包装
書籍や段ボール箱など、紙製品の加工においても接着剤塗布機が使用されます。無線綴じ製本では、高速で正確な塗布が必須です。また、食品などのパッケージや、段ボール箱の組み立て工程では、連続的に接着剤塗布が要求されます。このような用途では、速乾性に優れたホットメルト接着剤と、それに対応した塗布機が用いられます。