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PEEKフィルムについての概要、用途、原理などをご説明します。また、PEEKフィルムのメーカー10社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
PEEKフィルム (ポリエーテルエーテルケトン、英: Poly Ether Ether Ketone) とは、PEEK樹脂を原材料とする薄膜素材です。
スーパーエンプラに分類されるPEEK樹脂の性質を持つPEEKフィルムは、耐熱性、耐化学性、機械的強度、電気絶縁性など多くの優れた特性を備えます。また、接着や熱圧着、コーティング、表面処理、ダイカットなど様々な二次加工も可能で、設計・加工の自由度をもたらします。
PEEKフィルムは、電子機器、半導体、航空宇宙、自動車、医療、工業など幅広い分野で使用され、耐久性・軽量化など製品性能の向上にはなくてはならない熱可塑性フィルムです。
PEEKフィルムの主な使用用途を紹介します。
ガスケットやフレキシブルプリント基板などの電気絶縁用途として用いられます。クリーンルーム環境下での半導体製造工程におけるウェハーキャリアや、ウェハー搬送テープにも適しています。
航空機のエンジン用断熱遮音ブランケットや電気絶縁用途として使用され、機体の軽量化及び燃費向上の効果があります。
自動車の高温部品の耐熱マスキングや電気絶縁用途として活用されます。高温下での安定性が求められるエンジンやモーター、バッテリーなどに適しています。
生体適合性や滅菌処理が必要な医療機器部材や医療用ラベル、センサーの保護を目的として使用されます。また、飲食品の加工装置や包装材料にも使われています。
化学薬品や溶剤に対する耐性が必要な、過酷な環境でのライニングや保護フィルムとして使用されています。銅線の電気絶縁被覆や、圧力センサーや熱交換器の部材などにも適しています。
高い寸法安定性や耐熱性が求められる高性能ラベル印刷や、ラミネート加工に使われています。
携帯電話のスピーカー用の振動膜として使用され、優れた音響性能を発揮します。
PEEKは、エーテル基とケトン基で結合した高い結晶性を持つ熱可塑性樹脂です。PEEKフィルムの優れた特性は、原材料であるPEEK樹脂の性質に由来しています。以下に、PEEKフィルムの主な性質を記載します。
PEEKフィルムの性能が維持できる連続使用温度は、電気的用途が約200℃、機械的用途が約220℃です。高温環境でも形状や特性を維持します。また、熱水及びスチームにも耐性があり、高圧蒸気滅菌も可能です。
高い結晶性により、引張強度や耐摩耗性、耐衝撃性が優れており、負担がかかる環境でも長期間使用できます。また、ガラス繊維やカーボン繊維を添加することにより、更に強度を向上させることが可能です。
低吸水率であり温度変化や応力に対しても収縮や変形が少なく、安定した電気特性及び寸法特性があります。
酸、アルカリ、溶剤、油などの化学物質に対し高温下でも耐性があり、腐食に強いです。耐薬品性が求められる医療機器にも使用できます。但し、濃硫酸は溶解するため注意が必要です。
優れた絶縁特性を持ち、高電圧や高周波環境での使用に適しています。
日本の食品衛生法や米国FDA (食品医薬品局) などの規格を満たしています。
低ガス放出性・低抽出性であり、難燃性にも優れているため、燃焼時に煙や有毒ガスの発生が極めて少ないです。そのため、鉛フリーはんだ工程で使用でき、リサイクルも可能です。
軽量かつ柔軟性があり、ダイカットやサーモフォーミングが容易で、多様な用途に対応します。
以下に、PEEKフィルムの主な種類を記載します。
一般的なPEEKフィルムで、耐熱性や機械的強度、電気絶縁性における標準的な性能をもち、電気絶縁材、機械部品の保護フィルムなどの用途があります。
非晶性PEEKフィルムは、約400℃の溶融押出法で押し出された溶融フィルムを、約100℃の表面温度の冷却ロールで急冷することで作られます。ガラス転移温度である143℃ 以上の温度で結晶性フィルムになるため、非晶性PEEKフィルムはサーモフォーミングを行いたい用途に適しています。
結晶性PEEKフィルムや非晶性PEEKフィルムに充填剤を添加することで、特性を高めることが可能です。
例えば、ガラス繊維やカーボン繊維の場合は、剛性と強度を高めます。高負荷がかかる機械部品や航空宇宙用途など高耐久性が求められる部品に使用されます。
また、グラファイトや四フッ化エチレンは、摺動性や耐摩耗性を高めます。自動車や工業分野のベアリング、スライド部品など、可動部品や摩擦の多い部位に用いられています。
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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