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超臨界装置についての概要、用途、原理などをご説明します。また、超臨界装置のメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。超臨界装置関連企業の2024年11月注目ランキングは1位:株式会社東洋高圧、2位:株式会社日阪製作所、3位:株式会社レクザムとなっています。
監修:株式会社東洋高圧
超臨界装置とは、超臨界流体を生成して操作・利用する装置です。
超臨界流体は温度と圧力が臨界点を超えることで変化します。臨界点は流体の液体相と気体相の境界点であり、その点を超えると流体は液体と気体の性質の両方を示すようになります。この状態では、流体は通常の液体や気体よりも特異な性質を持ち、触媒や溶媒として利用されることも多いです。
超臨界流体は二酸化炭素を用いた超臨界CO2や水を用いた超臨界水などが代表的で、特徴としてイオン積が高く、溶剤としての特徴を示すこと、可逆的な性質を示すため、プロセスの制御が可能なこと等があります。
超臨界CO2は高い溶解力を持っており、様々な物質を溶解させることが可能です。超臨界CO2の特徴として、圧力や温度の条件により、溶解力の操作が可能で、これにより有機物質や無機物質の効率的な抽出や分離することができるとされています。また、通常の溶剤とは違い、圧力を下げることでガス化するため、溶剤の分離が容易という特徴を持ちます。超臨界CO2は抽出、分離に用いられることが多く、超臨界クロマトグラフィーなどで活用されています。
超臨界水は高温・高圧の条件(374℃、22.1MPa以上)により相変異した状態で、高い有機物の分解特性や強い化学的反応特性を示し、比較的短い時間でプロセスが進行するなどの特徴を持ちます。超臨界水を用いたプロセスとして、ガス化や分解、酸化、合成などのプロセスが有名です。
超臨界装置は様々な用途で使用されます。以下はその一例です。
半導体製造において、微細なパターンを洗浄する際には超臨界CO2が用いられます。超臨界二酸化炭素などの流体は気液の境界面を持たないため、界面張力が発生せず、微細な構造を持つ材料表面を均一に洗浄し、溶解性のある材料を除去するために利用されます。また、洗浄液の除去も減圧によってガス化するため、容易とされています。
半導体においては微細な微粒子や不純物を除去するためのクリーニングが必要です。超臨界流体を使用したクリーニングは溶解力が高く、表面張力は低いため、微細な構造の表面に効果的に浸透して不純物を除去します。
化学工業では、天然物や化学合成物から特定の成分を抽出したり、不純物を除去したりするために使用されます。超臨界流体での抽出は高い溶解力と可逆性を持ち、効率的で選択的な抽出・精製が可能です。特に高価な原料や希少な成分を効率的に回収する場合に有用であり、超臨界CO2を用いた抽出としてコーヒーからカフェインを抽出するなどのプロセスが有名です。
エネルギー産業では二酸化炭素の排出削減や回収が今後の重要な課題です。超臨界流体を熱媒として利用した地中熱の回収や、超臨界水を利用したバイオマスのエネルギー化などの技術が注目されています。また、高圧技術を用いて二酸化酸素を効率的に回収する技術にも派生するなど、地球温暖化の原因となるガスの排出量を削減することが可能です。
超臨界装置の原理は流体を超臨界状態に導くことで、その特性を利用する装置です。超臨界状態とは物質が臨界点を超えた温度・圧力の状態になることであり、物質の密度が大きく変化し、溶解力や拡散性が増加します。一般的には反応容器と温度制御装置、圧力制御装置で構成されます。
高圧容器は流体を超臨界状態に保つための容器です。高温・高圧を維持するために耐圧性の高い材料で作られています。
温度制御装置は高圧容器を加熱するための装置です。超臨界状態に達するためには高温が必要です。したがって、電気炉や熱媒ジャケットなどで構成されています。
圧力制御装置は高圧容器内の圧力を制御するための装置です。超臨界状態にするためには高い圧力が必要ですが、安全性を確保するためにも圧力を適切に制御する必要があります。
超臨界装置を選ぶ際は、以下の要素を考慮することが重要です。
超臨界装置の容量は処理する物質の量に適した製品を選ぶ必要があります。処理する量に応じて、適切な容量の装置を選ぶことが重要です。容量が小さい装置は研究や試験に適していますが、大量生産を行う場合には大容量の製品や連続処理が可能な装置が必要です。
超臨界流体を装置に送液する速度や量も重要な要素です。処理する物質の種類や処理の目的に応じて、適切な送液量を選ぶ必要があります。送液量が少なすぎると処理時間が長くなり、送液量が多すぎると処理効率が低下する可能性があります。
超臨界条件を構築するためには高圧と高温が必要です。したがって、処理する物質の超臨界条件に応じて設計されている超臨界装置を選ぶ必要があります。適切な設計圧力と温度範囲を有する装置を選ぶことが重要です。
超臨界装置の接液部分は超臨界条件下で安定して動作し、処理する物質との相互作用に耐える必要があります。適切な接液材質を選ぶことで、装置の耐久性や耐食性及び安全性を確保することが可能です。一般的には、ハステロイやステンレス鋼など、耐圧性や耐熱性が高い材料が使用されます。
本記事は超臨界装置を製造・販売する株式会社東洋高圧様に監修を頂きました。
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