Tofセンサ-

ToFセンサ-とは

ToFセンサ- (英: time of flight sensor)とは、パルス投光した光が対象物表面で反射して返ってくるまでの時間から距離を測定するセンサーです。

多くのセンサーは、レーザー等から発された赤外線などを使用します。ToFセンサ-は時間を測定して距離に換算するので、近距離、長距離に関わらず、検出精度を一定に保つことができます。

ToFセンサ-は、対象物との距離の測定をはじめ、レベルセンサーとしての使い方、物体の位置確認・位置決め、空間内の人数確認等に使用されます。

ToFセンサ-の使用用途

1. VRやARの認識

TOFセンサーの使用用途-AR

ToFセンサーは対象との距離の測定が正確なので、近年話題のVR (Virtual Reality) やAR (Augmented Reality) の認識に利用され、画像をこれまでより立体感を持って表示することが可能です。

2. モニタリング

ToFセンサはレベルセンサとして機械のリフト量の監視、タンク内の残量のモニタリング、倉庫の在庫確認、ロール材料の残量確認、及び自動倉庫の在荷確認等に利用します。

3. ワークの着座確認

生産ラインで、ワークが治具に着座したことを、ToFセンサで確認します。

4. 空間内の人の人数把握

3次元ToFセンサーにより、特定の空間内の人数をカウントできます。物体までの距離をデータ化し、AIを使って人物を判別して人数を把握します。

5. 物体の寸法や体積の測定

3次元ToFセンサーを使って、物体の各部寸法を測定し、体積の測定が可能です。

6. スマートフォンの顔認証機能

暗い場所でも立体的に物体の像をとらえ、オートフォーカスの機能を高めることができるので、今後のスマートフォンの顔認証機能への応用が増加すると予想されます。

ToFセンサ-の原理

ToFセンサーの原理は比較的シンプルです。まず、センサ内のレーザーダイオードから変調された近赤外線などを投射します。対象物に当たって反射した近赤外線などはセンサ内の受光素子に戻ってきます。発した近赤外線と反射した近赤外線の位相差を時間差に変換し、発した光の速度を掛け合わせることで距離を割り出す仕組みです。

位相差の測定の他、時間差を直接測定する方法もあります。ToFセンサーでは距離に関わらず検出精度を一定にすることが可能で、暗い環境でも奥行きの精度が良く作動させられる点が、他のセンサより優れています。

レーザーの光には赤外線や近赤外線を用いることが多くありますが、センサによって異なり、人の目に害のある波長もあるので、用途によっては注意が必要です。

赤外線や近赤外線のレーザーの場合は、測定ポイントを目で見て確認することはできません。対象物にレーザーが照射されているかを確認するために、別にスコープやガイドレーザー等が必要になります。

ToFセンサーの種類

ToFセンサーには、1DToFと3DToFがあります。

1. 1DToFセンサー

1DToFセンサーは、センサから特定の点までの距離を測定します。人感センサや液体・粉体の量を測るレベルセンサなどに使用されます。

2. 3DToFセンサー

3DToFセンサーは、カメラのように画像で距離情報の取得が可能です。空間全体にある物体との距離を測定します。

ToFセンサーのその他情報

ToFセンサーのメリット

1. 遠距離設置が可能
ToFセンサーは、遠距離でも精度よく検知できるので、対象物から離れた場所に設置することが可能です。人やロボットの動線を避けた位置に設置できます。自動車などの大きなものはToFセンサーを複数設けて、多方向から位置決めが可能です。

2. 設置の自由度が高い
センサー自体が小型であり、省スペースで設置が可能です。また、照射方向も上下・水平・斜めなど自由に選択できます。

3. 対象物の表面状態に無関係
ToFセンサーは、高速でサンプリングして平均化処理するので、対象物の色、材質などを問わず、受光量が不足しても安定して検出できます。

参考文献
https://www.appps.jp/333174/
https://www.optex-fa.jp/tech_guide/tof_special/
https://news.mynavi.jp/article/20200320-smartphone_word/

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