ミキサー車

ミキサー車とは

ミキサー車

ミキサー車 (英:concrete mixer truck) とは、コンクリート工場で作られた生コンクリートを工事現場に運ぶ車です。

ミキサートラック、アジテータトラック、レディミクスト車とも呼ばれますが、一般には、「生コン車」と呼ばれます。

生コンは、コンクリート工場で製造された固まっていない生のコンクリートのことです。生コンは主にセメント、砂や砂利の骨材及び水を練ったもので、そのまま運搬すると砂や砂利は比重が大きいので下に沈み、水は分離して浮き上がります。これを防止するため、生コンが入ったドラムを回転させて混ぜながら運搬します。

生コンの運搬は時間との戦いで、セメントと水が反応すると数時間で固化が始まるため、いかに早く工事現場に運ぶかが重要です。

ミキサー車の使用用途

ミキサー車は、生コンクリートを作業現場や建設現場へ運搬するために使用されます。具体的には住宅や工場、ビルの建設現場などです。また、ダム建設などの大規模な現場では、現場にコンクリート工場を作って生コンクリートをミキサー車で運びます。

ミキサー車を使用してコンクリート素材を混ぜ合わせることも可能ですが、素材の計量や水温の管理など、品質面の課題があり、ほとんど利用されていません。使い残しのコンクリートがある場合は、そのままミキサー車で工場に持ち帰って、大量の水で砂と砂利にわけて再利用します。細かく砕いて砕石にする場合もあります。

ミキサー車の原理

1. ミキサー車の構成

ミキサー車は、ホッパ、ドラム、フローガイド、シュート、水タンク、駆動装置などで構成されます。

ホッパ
ホッパは、生コンクリートの投入口で、ドラムの上部に設置します。最近多いのは、雨水や異物の侵入を防止するなど品質確保のため、投入時以外はカバーで閉鎖する方式です。

ドラム
ドラムは、ミキサー車の中核構成品であり、ドラム内部のらせん状の部材で、生コンクリートを撹拌して、水と骨材が分離しないようにします。らせん状のプレートは、攪拌用と排出用の2重になっており、生コンクリートを排出する時は、ドラムを逆方向に回転させ、ドラム上方が出口です。

ドラムは傾斜支持が一般的になっています。ドラム前端部に駆動軸受部があり、ドラム後端部にあるのは、支持遊輪に接する外周輪です。ドラム前端を駆動装置に接続し、ドラムを回転させます。

フローガイド
フローガイドは、ドラムから排出された生コンクリートの通り道で、V字型をしており、シュートへ流します。スクープとも呼ばれます。

シュート
シュートは、生コンクリートの排出路であり、生コンクリートを目的の場所に流しこむ樋の役割をします。左右に回転でき、上下にも移動可能です。

その他
水タンクは、生コンクリートを排出した後に、ホッパ、ドラム、シュートなどを洗浄するための水を貯蔵するタンクです。大型車は約200Lのタンクを搭載します。

また、駆動装置は走行用のエンジン後部のフライホイールパワー・テイク・オフから動力を取り出し、油圧ポンプを駆動するものです。油圧モータがドラムを回転させます。

2. ミキサー車の作動

コンクリート工場で製造された生コンクリートは、ミキサー車のホッパーからドラムに入れられて運搬されます。生コンクリートの分離を防止するため、ドラムがゆっくりと回転します。

ドラムの積載量は、0.9~5.5m3程度です。2~3tクラスの小型車では1m3前後、11tの大型車では5m3ほどの積載です。毎分1.5回転ほどのスピードで回転します。目的地に到着後は生コンクリートを排出しますが、ドラムに投入する時と排出する時では回転方向が逆になります。

生コンクリートを排出後、ドラムなどを水洗いします。水はタンクからポンプで出され、最後はドラムを高速回転させて水切りを行います。

ミキサー車のその他情報

ミキサー車に必要な資格

ミキサー車の運転には、特別な免許などは不要です。ミキサー車の車両区分の免許で運転可能です。また、ドラムの操作にも、資格は要りません。

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