電磁波測定調査

電磁波測定調査とは

電磁波測定調査は、ある空間における電磁波の強度を測定して、測定場所の人体や電子機器類への影響の大きさを評価することです。

環境省のホームページには“電磁波とは、電界 (電場) と磁界 (磁場) が相互に作用しながら空間を伝播する波 のことです。波長が短くなる (周波数が高くなる) ほど、電磁波のエネルギーは高く なります。”と記されています。

電磁波には、眼に見える波長の光、即ち可視光を挟んで、それより波長が短くエネルギーが大きい紫外線、X線、Y線と、可視光より波長が長くてエネルギーが弱い、赤外線と電波があります。

可視光も電磁波の仲間ですが、光の強さは眼で確認できます。それゆえに電磁波測定調査は肉眼では確認できない、電波やX線を対象とした調査を言います。

電磁波測定調査の使用用途

電磁波測定調査は、電気機器から漏れ出る電磁波や、アンテナ周辺の電波など、人工的に空間上に出て来る電磁波の強度を測定し、人や機械への電磁波の影響を評価し、空間上に有害な電磁波の存在を確認した場合に、その対策を取る為に行います。

工場内にある電気で動く設備や、家庭の電気製品などからはある程度の電磁波が出ています。そして、その電磁波の強度は人間の健康に悪影響を起こさないように抑えなければなりません。そこで、設備や製品の近くの電磁波を測定して安全性の確認を行います。

特に、心臓ペースメーカーやICD (植込み型除細動器) を付けた人が装置の近くや装置が設置してある建物の中で就労する場合は、その職場環境の電磁波が人体に影響を及ぼす強度ではなくても、心臓ペースメーカーやICDの動作に悪影響を及ぼさないことを確認しなければなりません。このような場合には電磁波測定調査を実施し、必要に応じて防護服の着用などの対策を取ります。

放送や携帯電話用の基地局のアンテナの近くでは電波の出力に応じた強い電界ができます。

電場の強さを測定して、その場所が人が生活したり、活動する場所として適しているかを調べます。

医療現場で働くレントゲン技師や医師は、X線の被ばくに晒されます。短い期間の被ばくで身体に異常が現れることはありませんが、長期間仕事に従事していると、被ばくの蓄積が起こり、身体に異常をきたす確率が上昇します。常時、被ばく線量のモニタリングを行うほか、防護服の着用により、被ばく線量を低く抑えて、身体に影響が出ることを防ぎます。

電磁波測定調査の原理

電磁波の影響を考える際には、電磁波の持つエネルギーと、電磁波の強度の両面から考える必要があります。

特に、非常に高いエネルギーを持ち、電離作用のあるY線の管理には、放射線防護の視点から厳しい管理体制がとられています。

その一方で、可視光よりもエネルギーが小さい電波の場合には、その強度 (電磁波の密度) が人や機械に及ぼす影響に注意することが必要となります。

例えば、日常生活の中で、携帯電話の電波や電灯線から出る電磁波を気にすることはありませんが、携帯電話の基地局の近くや、高圧電線の下では、電磁波による身体への影響を心配する人がいます。

眼に見えない電磁波の強さを測定機器を使って測定し、人体や電子機器への影響をレポートにまとめて”見える化“する作業が電磁波測定調査です。

電磁波測定調査では、依頼者のニーズを調査した上で、測定機器を現場に持ち込んで測定する場合と、測定対象となる製品を測定会社に持ち込んで測定する場合の二つに分けられます。いづれの場合も、測定実施前の聞き取り調査と、その測定結果が国などが定める安全指針と比較してどうなのかを評価する作業が大切です。

電磁波測定調査の選び方

電磁波測定調査を選ぶことは、目的に合った電磁波測定調査を実施してくれる会社を選ぶことです。

その場合に、先ず電磁波による何を調査したいのか目的を明確にします。例えば心臓ペースメーカーやICDを付けた人への安全性の担保なのか、職場環境での電磁波による労働者の健康への影響を知りたいのかなどです。また、電磁波によって電子機器が影響を受けていないか、あるいは逆に電子機器が外部に強い電磁波を出していないかを調査する場合もあります。

さらに、調査する場所が、職場など作業現場に赴いて実施するのか、調査対象機器を調査会社の測定室に持ってきて行うのかの違いがあります。現場に赴いて実施する場合には、そこが室内なのか屋外なのかの違いもあります。

電磁波測定調査を実施している会社のホームページには、自社がどのような電磁波測定調査を実施しているのか、サービスの内容を記述した箇所があります。その内容と自分たちの電磁波測定調査の目的が一致した会社を選択するのが良いでしょう。

また、電磁波測定調査は、測定結果の数値だけを知らされても問題が解決できない場合も多いと思われますので、その結果に基づいた適切なアドバイスや認証、対策を提示してくれるかも選択基準になり得るでしょう。

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