銅バーとは
銅バーとは、銅金属を成形した商品の総称です。
配電盤や分電盤に使用されることが多く、その場合はブスバーもしくはバスバーと呼ばれ、接地の目的に使われる場合のみアースバーと呼ばれます。銅は電気伝導性と熱伝導性が非常に高い点が特徴です。
そのため、電子部品、電気回路、配線などの製造に使用される際に効果的です。また、熱交換器や冷却装置などの熱伝導性が重要な応用用途にも使用されることがあります。
ただし、長時間露出すると酸化し、特有の緑色の酸化被膜を形成します。これが好ましくない場合、適切な表面処理やコーティングが必要となることがあります。
銅バーの使用用途
銅バーは優れた導電性や熱伝導性、耐食性などの特性により、さまざまな用途で使用されています。以下は銅バーの使用用途です。
1. 電気回路
銅バーは、電子部品の製造や配線システムの構築に広く使用されます。銅は電気の通り道として非常に効果的であり、高い導電性を持つことから信号や電力の伝達に最適です。高性能なコネクタやコンタクト部品も、銅バーから製造されることがあります。
また、電力伝送線の主要な材料として使用されることも多いです。配電線や変圧器などに銅バーが使用され、電力の効率的な伝送を支えています。銅の低い抵抗率は電力損失を減少させるため、電気回路上で有利です。
2. 建築材料
銅バーはその美しい風合いと耐食性から、屋根材や外装材として使用されることもあります。特に、歴史的な建物や優れたデザインを重視する建築物で銅が利用される場合も多いです。屋根や外壁に使われる銅は、時間とともに酸化被膜を形成して美しい緑色に変化します。
3. 金融投資
銅バーは貴金属として取引され、市場価格の変動に応じて投資対象として利用されることがあります。経済の動向や需要・供給の変化によって価格が変動するため、投資資産として使用されることも多いです。
銅バーの特徴
銅バーには銅が素材として使われており、電気回路用途では電線をボルト留めするための穴が空いています。使用する電流に合わせて銅バーのサイズも変わります。サイズの大きいものほど、高い電流値を流すことが可能です。
電線を簡単に分岐させられるため、電気抵抗が少ない点が特徴です。配電盤内で電流を分岐させる際に重宝します。ただし、被覆に覆われていない場合は手や指などを触れさせてしまうリスクが高く、アクリルなどでカバーをする必要があります。
銅バーの選び方
銅バーを選ぶ際には、さまざまな要素を考慮する必要があります。
1. 用途
銅バーを使用する目的を明確にします。電子部品の製造や建築材料など、用途によって必要なバーの形状や寸法が異なる可能性があります。
2. 形状
銅バーはさまざまなサイズと形状で入手可能です。用途に応じて適切なサイズと形状を選びます。直方体状や円筒状などのバリエーションがあります。
3. 電流容量
電流容量とは導通可能な電流値を指し、断面積が大きくなるほど多くの電流を流すことが可能です。電気回路上で使用する際は重要となります。電流をたくさん流したい場合には断面積を大きくする必要がありますが、重量が重くかつ高価となります。
電流容量は「銅バーの断面積 (mm²) × 電流密度 (A/mm²) 」によって計算することが可能です。「JISC8480:キャビネット形分電盤規格」によって値が定められています。
4. 表面処理
銅バーを制御盤などに使用する場合、そのまま使用すると腐食しやすいため、通常はメッキ処理を施します。メッキとして無電解ニッケルメッキを適用すると、耐摩耗性を向上させ、耐久性も向上させることが可能です。
また、他のメッキとしては錫メッキも挙げられます。錫メッキは軟らかく展延性があり他の金属となじみやすいため、軸受け部品や電気接点などに活用されることが多いです。錫メッキは融点が比較的低く、はんだ付けを行う際も容易です。
参考文献
https://www.shinohara-elec.co.jp/products/detail/prod_info.php?bun=10&bcat=3&ccat=6&prod=P12000
https://www.k-seiko.co.jp/posts/3cJqRhOkqz6gsz4qXkhzGJ
https://www.osako-electric.co.jp/point/elec-durabi2/
https://www.asahimekki.com/blog/5509.html
https://www.sanwa-p.co.jp/faq/detail4890.php
http://www.busbar-j.com/select/select.html