デバッグツール

デバッグツールとは

デバッグツールとは、デバッグの際に使用するソフトウェアなどを指します。

作成されたプログラムが意図通り動作するとは限りません。意図しない動作をした場合、間違った箇所 (バグ) を発見する必要があります。しかしながら、プログラムは数十万行もある場合も多く、自力でバグを発見することは困難です。

その際に、デバッグツールを使用してバグ発見を容易にします。デバッグツールには、バグ発見を支援するさまざまな機能が搭載されています。

デバッグツールの使用用途

デバッグツールは主にソフトウェア開発者が使用します。日常生活で活用することはありません。

デバッグツールはソフトウェア開発時のバグ発見を目的に使用します。ソフトウェア開発において、バグを発見して修正する作業 (デバッグ) は必要不可欠です。デバッグが不十分なまま公開した後に深刻なエラーが生じると、修正に時間的・経済的コストがかかります。また、製品を開発した会社への信頼も失われてしまいます。

デバッグツールの原理

プログラム開発には複数フェーズ (段階) があります。以下の順番で実施されます。

  1. 要求仕様確認・確定
  2. 基本設計
  3. 詳細設計
  4. プログラミング (コーティング)
  5. コードレビュー
  6. 単体テスト
  7. 結合テスト
  8. システムテスト
  9. 受け入れテスト

コーディング段階は特に重視されますが、各種テストも非常に重要です。一般にテスト段階では、何らかのエラーが発生します。エラーは大別すると構文エラー、コンパイルエラー、実行時エラー、論理エラーがあります。

構文エラーとコンパイルエラーはコーティング中に見つかりますが、実行時エラーと論理エラーはプログラムを実行しないと見つかりません。特に論理エラーだとプログラム自体は動作するため、原因特定が困難です。

論理エラーはプログラムを精査して発見しますが、大規模プログラムでは人力で発見することはできません。そのため、デバッグツールでプログラムを実行しつつ点検したり、途中でプログラムを停止したりしてバグを発見します。

デバッグツールのその他情報

1. デバッグ初心者におすすめツール

デバッグ初心者はプログラムデバッグの勝手が分からず、バグ発生の度に慌てることもあります。そんなデバッグ初心者におすすめのツールが、「関数呼び出し関連図」と「テストケース」です。

関数呼び出し関連図
関数呼び出し関連図とは、プログラムモジュール間の値の呼び出しや参照関係を図式化したものです。プログラム中の人為的なエラーとして、参照のみのつもりで書き換えてしまったり、値を使用できない設計だったりする場合があります。このようなバグはコンパイル時に発見されず、簡単に見つかりません。関数呼び出し関連図を使用するとモジュール間のやり取りが可視化されて、バグ発見が容易になります。

テストケース
テストケースとは、プログラムへの入力に対して期待される出力を定義し、実行結果と照らし合わせて評価する手法です。プログラムが複雑なほどバグは多く、発見が困難です。プログラムを可能な限り細分化することで、バグを見つけやすいプログラムになります。

また、プログラムを細分化してテストケースを多く作成することで、どの部分でバグが発生したかも見つけやすくなります。関数呼び出し関連図もテストケースも自分で作成するツールです。市販のデバッグツールよりも、自作ツールで頭の中を整理してデバッグすることを推奨します。

2. デバッグのコツ

デバッグのコツは、バグの原因・発生箇所を切り分けていくことです。規模の大きいプログラムも、細分化されたプログラムモジュールの集まりです。したがって、バグが発生したプログラムモジュールを特定できればそれを解消できます。現象からバグ発生箇所を推測し、プログラムモジュールの挙動を確認しつつ範囲を切り分けてバグを特定します。

参考文献
https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=48280&item_no=1&page_id=13&block_id=8
https://www.fujitsu.com/downloads/JP/archive/imgjp/jmag/vol63-3/paper12.pdf

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