リワークステーションとは
リワークステーションとは、多機能なはんだ付け作業を1台で行える装置のことです。
はんだ付けからはんだ吸引まで幅広く対応し、一度行った作業を再現することも可能です。ボックス上には、はんだ付け用のノズルやはんだ吸引用のノズルが装着されており、電気による熱だけでなく、窒素ガスの熱風を吹き出すこともできます。
リワークステーションは、再現性が重要視されている点が特徴です。再現可能なプロセス条件を確保するために、基板表面の特定ポイントの温度を測定する機能が備わっています。安定した作業環境を提供し、効率的なはんだ付け作業を実現可能です。
エレクトロニクス業界での作業効率向上や品質管理に寄与しており、今後ますます重要な役割を担っていくと期待されています。リワークステーションを利用することで、迅速で正確な作業が可能となり、技術者の負担を軽減し、作業品質の向上につながります。
リワークステーションの使用用途
リワークステーションの使用用途は、研究開発やプロセス開発、プロトタイピング、実稼働環境などです。はんだ付けだけでなく、はんだ除去やSMDリワークが可能なマルチステーションタイプも存在します。
研究開発の現場では、新しい技術や製品の開発を行う際にリワークステーションが役立ちます。プロセス開発では、より効率的で品質の高いはんだ付けプロセスを確立するために活用されます。
プロトタイピングでは、試作品の製作や改良に有用です。実稼働環境では、製品の生産ラインでリワークステーションが使用され、迅速で正確なはんだ付け作業が可能です。さらに、リワークステーションは、中小型のPCBから大型BGAまでの幅広い用途で利用されています。
リワークステーションの原理
リワークステーションは、消費電力を高めることで多層基板の部品取外しをストレスなく行い、作業時間を短縮できます。また、新型ノズルを採用することで、小型化した携帯電話の基板などの極小ランド径や狭小スペース、平型端子にも対応可能です。
窒素ガスをノズル組品とこて先の間に均等に通すことで、酸素が遮断され、こて先及びはんだの酸化を防ぎます。さらに、窒素ガスがこて先全体を包み込むことで予熱効果を高められます。これらの酸化防止効果と予熱効果により、ブリッジやつらら、熱容量不足によるはんだ付け不良を改善可能です。
また、リワークステーションは不活性雰囲気下で正確な残留はんだ除去ができます。パッドやソルダーレジストを乱すことなく、強力な真空で溶融はんだを基板から簡単に除去できる点も魅力の1つです。残留はんだを除去した後、要求仕様のBGAまたはCSPコンポーネントではんだボールアレイを復元することで、時間とコストを節約しながらBGAとCSPを再利用できます。
リワークステーションの種類
リワークステーションは、主にホットエアリワークステーション、デシックリワークステーション、インフラレッドリワークステーションの3種類が存在します。
1. ホットエアリワークステーション
ホットエアリワークステーションは、熱風を用いて部品を加熱し、はんだを溶かして部品を取り外し、はんだ付けを行うタイプのリワークステーションです。主にSMD (Surface Mount Device) 部品の取り外しや取り付けに使用されます。温度調節が容易で、正確な加熱が可能なため、作業効率が高まります。
2. デシックリワークステーション
デシックリワークステーションは、はんだ吸い取り線 (デシック) を使用して、はんだを吸い取るタイプのリワークステーションです。プリント基板上の不要なはんだを吸い取る際に活用されます。デシックリワークステーションは、緻密な作業が必要な場合や、部品を損傷させずにはんだを吸い取る必要がある場合に適しています。
3. インフラレッドリワークステーション
インフラレッドリワークステーションは、赤外線を用いて部品を加熱し、はんだを溶かすタイプのリワークステーションです。特に大型の部品やBGA (Ball Grid Array) チップのリワークに適しています。赤外線による加熱は熱の影響範囲をコントロールしやすく、部品へのストレスが少ないため、デリケートな部品の取り扱いに適しています。
参考文献
https://www.hakko.com/japan/products/hakko_fr701.html
https://www.finetech.de/ja/